NoisyCell、TVアニメ「中間管理録トネガワ」EDテーマに大抜擢!フル・サイズが配信開始
NoisyCellの新曲『狂言回し』がTVアニメ「中間管理録トネガワ」の第2クールのEDテーマに抜擢された。10月10日から2週間限定で「中間管理録トネガワ」のスピン・オフ作品「1日外出録ハンチョウ」のジャケットとともにTVサイズで配信され、10月24日からフル・サイズでの配信が開始。NoisyCellといえば今年7月に3年ぶりのフル・アルバムがリリースされたばかり(インタヴューはこちら)で、現在リリース・ツアー中でもある。アルバムとはまた違った切り口の楽曲を、レヴューとともに深く濃く味わっていただきたい。
REVIEW : NoisyCell
「中間管理録トネガワ」とNoisyCell、2つのストーリーが重なりあう「狂言回し」
「狂言回し」を再生した瞬間に、ビックリしてしまった。ドラムのフィルに合わせたギターのフレーズから、いきなり飛び出すムーディーなサックスのブロウ。ラウドロックという枠組みに囚われない幅広い楽曲センスを持ったバンドであることは、フル・アルバム『Wolves』の楽曲やストーリー性のあるライヴの演出などで知ることができたが、今作の大胆なサウンド・メイクはバンドにとっても大きな挑戦だったのではないだろうか。
「狂言回し」は、『逆境無頼カイジ』のスピンオフ作品として放送中のアニメ「中間管理録トネガワ」のエンディング・テーマとなっている。かねてから作品のファンだったというNoisyCellのメンバーたちが、EDテーマ曲として何曲も作ってアプローチした末の起用だったという。ハッキリ言って大抜擢だと思うのだが、まさに「カイジ」シリーズのテーマのごとく、人生をかけた勝負に挑み手に入れた勲章と言えるだろう。
シンプルながら重たいドラム、ベース、軽快にカッティングするアコースティック・ギター。そしてヴォーカルと会話するようにオブリガードを入れるエレキ・ギター、感情を露にするサックスの音色。これまでのバンドのイメージにないアダルトな音像になっているが、その温度は極めて熱い。サビで〈負けなきゃいけない 勝つには 負けなきゃいけない 何度も〉とひたすら繰り返される歌詞は、ヴォーカル・Ryosukeによるもので、物語の主人公・利根川幸雄の生きざまを真っ直ぐに描いたものだという。帝愛グループの最高幹部として会長に仕えるエリート・利根川。かつて実写映画版の『カイジ 人生逆転ゲーム』では名優にして怪優・香川照之が演じて強烈な印象を残すなど、その人間臭いキャラクターは際立っている。そして、NoisyCellもまた、情感を様々なサウンドに乗せて表現する人間臭いバンドであることが、この曲を通してより知ることができる。アニメのストーリーを浮かべながらを聴いてみるのはもちろん、NoisyCellというバンドのストーリーも重ね合わせることで、より深く「狂言回し」を楽しんでもらえるはずだ。
(text by 岡本貴之)
DISCOGRAPHY
LIVE INFORMATION
NoisyCell presents Wolves Tour 2018
2018年11月4日(日)@沖縄output
NoisyCell presents LIGHTSHIP CRUISE V
2018年12月15日(土)@代官山UNIT
PROFILE
NoisyCell
圧倒的な声量と超絶ハイトーンボイスのボーカルRyosuke、エモーショナルで多彩なメロディーを紡ぐギターRyoを中心に結成、2014年VAPよりデビュー、様々なアーティスト遺伝子を継承したハイブリッドサウンドで唯一無二の存在感を放っている。