「東京感」もローカル感も無い世界。
NordOst : ジャングルで言うと、縦の感じあるけど根底は横ノリがあって、だからレゲトンとかとジャングルを混ぜるようなアプローチに興味があるんだけど、それは最近Aki君がやってて超わかるな………って思った。マジ良かった。
山本 : ありがとうございます(笑)。でも最近はずっとハードなジャングルやガバが続く感じのパーティーやDJの方も増えてる気がしますし、やっぱ若い人はバキバキに踊りたいんだな~と。2、3歳違うだけで全然違うっすね…。
NordOst : たぶん発散したいんだよね、エネルギーを。マジでみんな元気だから…(笑)。
山本 : そういえば、さっきちょっと話題に挙がったゲーム音楽と言えば、Taigen Kawabeさんと食品まつりさん、DJザナルカンド (釈迦坊主)さんがENTERでゲーム音楽のパーティーをやられてましたよね。あの場でやる意義がある感じでした。行きたかったな…。
TOPIC
Game Chakra
2023年2月6日(月)
会場:Enter Shibuya
出演:Taigen Kawabe, 食品まつり a.k.a foodman. DJザナルカンド
NordOst : なんかゲーム音楽の波はずっと続いてる感じで、徐々にメインストリームにも合流してきてるような。すげーサンプルソースにも使われてるし。
山本 : フィジカルも全部バカ高くなってますしね。
yukinoise : 去年Bo Ningenの来日公演行った時、会場のSEがゲームのサントラだったんだけど、ライブが終わって急にブックオフみたいなゲームのBGM流れたのは笑ったな。あれだけ激しいアクト見てからブックオフみたいな…(笑)。
NordOst : でもさ、やっぱり先を見てる人だし、そのルーツを軸としてシンプルに出してるだけで自然とモードと合流してく感じは流石だな、と思いますね。ゲーム音楽のイベントで言えば、Shine Of Ugly Jewelsさんが京都でやりますよね。人選もコンセプトも攻め攻めな。
yukinoise : 〈I want your poligon〉、昔のホラーゲームみたいなモーションフライヤーで告知しててかっこよかったな。
山本 : やっぱり京都、関西はヤバいんだろうなと思いますね。美意識的な所とか。しかもインターネット的な質感に偏ったりもせず、プロパーなダンスミュージックが流れるクラブでヤバいノリみたいなのが醸造されてて。
yukinoise : 去年BandCamp Dailyでも京都のエクスペリメンタルシーン特集の記事が出手たもんね。でもインターネットベースで音楽やってる人の天井がそこで、もうちょっとナードで速いアプローチになると大阪に行くみたいなイメージが結構あって。
NordOst : ローカルにも当然素晴らしい人がいっぱいいるんだけど、最近はみんなVRChatに行ったりしてるみたいで。場所があんまりないなって人は今、どんどんそっちで独自のシーンを築きつつあるっぽいです。僕はHMDとか持ってないから見に行けてはないんですけど、気になってます。
yukinoise : それこそDJ SHARPNELさんはバーチャルDJスターだよね。
TOPIC
DJ SHARPNEL
https://www.sharpnel.com/
NordOst : あの人が四半世紀前からずっと蒔いてた種が今開花しはじめてるような感じ。Webノリだけじゃなくてリアルと遜色ないハイクオリティなDJがたくさんいて、例えば京都拠点のM4ttさんとかはVR上で原産ジャージーに近い質感のサウンドをさらに進化させていたり。
yukinoise : 本格的にクラブ化しつつあるんだね。家にいてHMD被ればクラブに行けてみんなに会える、っていよいよ近未来だな。バーチャルには 終電の概念もないから移動の手間を気にしなくていいのが個人的にメリットだと思う。そこできちんとエントランス料金を儲けたりマネタイズしていつか新しい経済圏が生まれていったら来るとこまで来たな!って思うけど、まだそこまでは発展しないだろうな。しないでほしいかもしれない(笑)。
NordOst : コロナのときのサイレントディスコとか、そういう感覚も継承されてるような雰囲気っすね。今は草の根的な活動で、好意で回ってる感じで商業化されてないんだけど、それも良さに繋がってるというか。サーバーの限界もあるし、今は友達の友達までの公開範囲で30人くらい集まるっていう。でもそれはその人数で同じ目線を持ってやれるみたいな良い空間みたいで、その辺は今後新しい現場の形として見逃せないのかもしれない。「東京感」もローカル感も無い世界。
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