ここがマジカル・ポップ・ミュージック制作所本店だーー箱庭の室内楽、2年ぶりのミニ・アルバムをハイレゾ配信
アイドル・グループ、ゆるめるモ! との合作ミニ・アルバム『箱めるモ!』のリリースや、作詞作曲担当のハシダカズマによる、lyrical school、泉まくらなどへの楽曲提供など、音楽表現の幅を大きく広げてきたバンド、箱庭の室内楽が、前作より約2年、満を持してミニ・アルバム『Friends』をリリースした。OTOTOYでは、作家気質のハシダがコンダクターをつとめ、メンバーそれぞれの奏でるサウンドが有機的に絡み合った、極上のクラシック・ポップ・ミュージックをハイレゾ配信。レヴューとともに、その楽曲世界を存分にお楽しみあれ。
箱庭の室内楽 / Friends
【配信価格】
ハイレゾ(24bit/48kHz) WAV / ALAC / FLAC 単曲 216円 / まとめ購入 1,080円
【Track List】
01. bell lyre / 02. five / 03. ALL(summer version) / 04. walden / 05. ell berly / 06. birthday's eve
箱の外へ飛び出してしまった彼らは、このまま次のステップへ
箱庭の室内楽、箱の外へ出る。今年の1月にゆるめるモ! との合作アルバム『箱めるモ!』をリリース。バンドの作詞・作曲を担当するハシダカズマによるlyrical school、いずこねこ、泉まくらへの楽曲提供…。躍進を続ける箱庭の室内楽の2年ぶりの単独音源『Friends』は前作『birthday's eve』よりも更に箱庭の世界観が広がった作品となっている。装飾の増えたその箱は、いよいよ浅い箱の中だけでは収まりきらなくなってきた。
ゆるめるモ! との合作『箱めるモ!』では、アイドルとのがっぷり4つの合作というのももちろんだが、彼ら単独では聴けなかったヒップホップやエレクトロニカの要素なども取り込み、新たな境地を見せた。今作『Friends』では、1曲目の「bell lyre」、3曲目の「All(summer version)」にホーン・セクションやパーカッション、コーラスを加え、10人のビッグバンド仕様に。2曲目「five」、4曲目の「walden」ではバンド初の打ち込み。5曲目の「ell berly」では、去年新たにギターとして加わった上野翔による初のハシダ以外による楽曲と、バンドとして初物尽くしの挑戦的な作品になっている。だが、彼らの持つポップ・センスがそれを綺麗にまとめ、トータルの質感に違和感を感じさせない。
なかでも、前作『birthday's eve』に収録されていた「All(winter version)」のリアレンジである「All(summer version)」には、今のバンドの勢いがありありと現れている。 「winter version」はシンプルなバンド・サウンドで、まさに箱の中で演奏しているような、内省的でエモーショナルなアプローチ。一方、「summer version」では女性のコーラス、楽しげなホーン・セクションが聴こえ、真夏というよりは初夏の気持ちいい光景が浮かぶような1曲へと様変わりしている。
様々なカラーの楽曲が並んだこのアルバムは、前作のアルバム・タイトルが名付けられた「birthday's eve」という曲で締められる。ハシダによる弾き語りと女性コーラスが加わった、このサラッとした短い曲は、これから来る次のステップの“誕生"を迎える為に、過去の自分たちに別れを告げていくような1曲に聴こえてならない。
箱の外へ飛び出してしまった彼らは、このまま次のステップへあっという間に行ってしまいそうである。それを聴き逃さないためにも、今作、是非チェックしてもらいたい。(text by 高木理太)
箱庭の室内楽 過去作
ファースト・アルバムから6年ぶりに完成に至ったセカンド・アルバム。ゲストにタラチネのヴォーカル桑原沖広と岸真由子を迎え、ファンタジーもサイケもローファイも飲み込んで不死鳥のごとくよみがえった珠玉のマジカル・ポップな10曲。
RECOMMEND
箱庭の室内楽が組んだのはドイツのクラウト・ロック・バンド、ノイ! を意識したアイドル史上最長の10分曲『SWEET ESCAPE』が論争を巻き起こしたアイドル界の超異端児、ゆるめるモ! 異色の2組が組んだ本作には、ヒップホップ、シューゲイザー、ポスト・ロック、オルタナティヴ・ロック、エレクトロニカ、ドリーム・ポップなど、あらゆる音楽ジャンルの『箱』が詰め込まれており、箱庭の室内楽は作曲・編曲を担当。アイドル・シーンの歴史を変える、捨て曲一切なし、全曲シングルカットできるほどの珠玉の名曲群!!
こちらもハシダカズマ、プロデュース楽曲収録の一作。デビュー作『卒業と、それまでのうとうと』が各メディア、ジャンルを越えて話題となった女性ラッパー、泉まくらの待望のファースト・アルバム。前作リリース以降、くるり主催「WHOLE LOVE KYOTO」出演やパスピエとのコラボ作品『最終電車』をリリースするなど大きな注目のなか、さらに成長した証がアルバムにおさめられています。ハシダの他にもEVISBEATS、MACKA-CHINなど、様々なプロデュース陣を迎えながら描かれた、泉まくらの世界を存分に味わってみてはいかがでしょう。
箱庭と同様、“良き”音楽の守護者たる楽団、吉田ヨウヘイgroup。吉田ヨウヘイを中心とするアルト・サックス、テナー・サックス、フルート、ファゴット等の4管編成含む男女混成オクテット(8人組)、吉田ヨウヘイgroup。ジャズコンボ的なバンド・アンサンブルに女性3人による美しいコーラス… 大所帯バンドならではの音のレイヤーが複雑に絡み合い、都市生活者の心象風景をスマートに、そして軽やかな筆致でもって描き出す。
LIVE INFO
インストアライヴ
2014年7月12日 (土)@タワーレコード新宿店7Fイベント・スペース
開始 : 21:00〜
箱庭の室内楽ミニ・アルバム『Friends』リリース『Friends』リリース・パーティー
2014年7月19日 (土)@南池袋ミュージックオルグ
開場 : 18:30 / 開演 : 19:30
PROFILE
箱庭の室内楽
ハシダカズマ(Vo&Gt) / 本田琢也(Ba) / 松本暁雄(Dr) / 上野翔(Gt) / 根田義市(Key)
2006年にbolbotsの中心メンバーで活動開始。同年kimica records/perfect musicよりファースト・アルバム『箱庭の室内楽』をリリース。2007年NATSUMENのAxSxE録音によるミニ・アルバム「幾何学的カーニバル」を同レーベルよりリリース。2012年1月術ノ穴コンピレーション「Hello vol.4」に参加(楽曲はecho)。同年8月にセカンド・アルバム『birthday's eve』を自身のhako discよりリリース。
2014年1月にはアイドルグループゆるめるモ!との合作ミニ・アルバム『箱めるモ!』をT-Palette Recordsよりリリース。多幸感あふれるサウンドにギミック満載のリズムが絡み合う独特のポップス解釈は多方面から賞賛され、2013年りんご音楽祭にはメイン・ステージで出演するなど各種イベントに参加するほか、廃病院パーティーの主催も行っている。作詞作曲担当のハシダはlyrical school、泉まくら等に楽曲提供ほか、sonyなど企業のwebCM音楽なども多数手掛けている。ギターの上野翔はOK?NO!!、毛玉の主要メンバーでもありSasakino records代表も務める。
幾度のメンバーチェンジを経て現在は以下の5名にサポート・メンバーを入れた8人~11人で活動中。