カメレオン・バンド13.3gが魅せた変幻自在のパフォーマンス──ワンマン「潜在的なアイ」ライブ・レポート

2026年2月にシングル『潜在的なアイ』でメジャー・デビューを果たした13.3gによる東名阪ワンマン・ツアー〈13.3g ONE MAN TOUR「潜在的なアイ」〉のファイナル・渋谷WWWX公演は、早くもバンドが過渡期を迎えていることを確信するステージとなった。自分たちはメジャーというフィールドでどんなことができるのか、この先どんな旅路を辿るのか――そんな未来への期待と戸惑い、さらなる飛躍への決意が一音一音にほとばしり、4人の音楽に対するひたむきな愛情が花開いていた。
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LIVE REPORT:13.3g ONE MAN TOUR「潜在的なアイ」
文・沖さやこ
撮影:清水舞
ジャズのSEに乗せて、部屋を模したステージにメンバーが登場すると、藤丸将太(Vo/Gt/Pf)がピアノの前に座り、おもむろに“MONSTER”を歌い出す。艶やかで豊かな歌声に会場が引き込まれると、奥野“ロビン”領太(Gt)の鮮烈なギターリフ、藤原聖樹(Ba)と輪田拓馬(Dr)による躍動感に富んだリズムのグルーヴが加わり、絢爛たるオープニングを飾った。

楽器隊が間髪入れずにミクスチャー・ロック・ナンバー“揚羽参式”につなぐと、藤丸もピアノ・ボーカル・スタイルから鮮やかにハンドマイクにチェンジし、フロアも4人の音に導かれるようにジャンプをするなどして身体を揺らす。そこからドラムのつなぎに乗せてコール&レスポンスを行い、“眠民ゼミ”へ。先ほどとは打って変わって音の隙間を巧みに使い、抜け感のあるサウンドデザインで観客を包んだ。彼らが楽曲に取り込んでいるダンス・ミュージックやブラック・ミュージックなどの要素は、ライブという場でさらに映える。バンドが作り出すアンサンブルだけでなく、曲間や楽曲の運び方なども含めて、13.3gならではのリズムやグルーヴが生まれていた。

藤丸が「ツアー・ファイナル、みんなと最高の1日を一緒に作っていきたいのでもっともっと楽しんでいきましょう!」と呼びかけると、ピアノ・ボーカル・スタイルでセンチメンタルなチル・ナンバー“Smoky”を披露する。憂いやウェットなムードを纏う歌声は、譜割りによりきらめきや軽やかさが加わり、悲しみを優しく包み込むように響いた。安定感のある透き通ったファルセット、生命力を感じさせる演奏には、初夏の心地のいい風のように聴き手のポジティビティを誘発させる力が宿っていた。
“ドッペルゲンガー”では奥野と藤原がクラップを促し、ハンド・マイクにチェンジした藤丸もシンガロングを求めたり、サビで左右に手を振るなどして観客と心を通わせる。 “キライダー”では藤丸が颯爽とギターボーカルにチェンジして、より強固となったバンドサウンドで晴れやかな景色を描き、エモーショナルなギター・ロック“指輪”は自分自身を信じる気持ちや、五里霧中ながらにより輝かしい未来を求めて走り出すような、フレッシュな爽快感が広がった。それはメジャー・デビューというスタートを切った彼らを体現するようだった。

バンド活動について「掲げた目標にたどり着くまでにはすごく時間が掛かるし、すごくつらいけれど、たどり着いた瞬間には途轍もない達成感や幸福感が待っていて。でもそれも一瞬で、また目標に向かって歩いていくという繰り返しなんじゃないかなと思う」としみじみ語る藤丸は、「まだまだ一緒に音に酔いしれながら楽しんでいきましょう」と続け、“嘘つき”を歌い始める。歌詞に綴られた片思いの痛みや、それでも募る愛おしさが、彼の歌声から切々と伝わってきた。彼の目標や夢に対する思いも重なっていたのかもしれない。ピアノ・ボーカル・スタイルで披露した“ベイビーブルー”は1コーラスを弾き語りで届けて歌詞に綴られた心情にフォーカスし、バンドが入ってからの演奏、なかでもアウトロは大恋愛のエンドロールに相応しい美しく壮大な音色が胸に響いた。
アコースティック・アレンジの“跳ねる”で会場を穏やかに包み込んだ後、藤丸はこの日の会場に向かうまでの間にメンバーと“潜在的なアイ”という概念は自分たちにとってどういうものなのかを話していたと明かす。そして人生を送るなかで迎える瞬間の一つひとつや、その瞬間で感じたすべての思いが、今後選択をする際の大きな要因になってくること、それが自身にとっての潜在的なアイであることを話し、観客にもそれを大切にしてほしいと呼びかけた。

そして「まずは今日という1日を、みんなで一緒に思いっきり楽しみたい気持ちでいっぱいだからさ、まだまだ一緒に楽しんでいきましょう!」と告げ、観客がジャンプやシンガロングに興じる“BUG”、グランジテイストの“マイネームイズネガティヴ”と熱量を上げると、“最強Lady”と“恋愛進化論”ではブラック・ミュージック的なグルーヴでフロアを心地よく揺らす。音色とリズムを巧みに操り観客を高揚させ、カメレオンロックバンドの本領を発揮した。


あらためて藤丸が今後の活動への決意表明をすると、ライブはラスト・スパートへ。“Inside Out”でもって会場を華やかに染め上げ、“潜在的なアイ”ではさらにそれを増幅させて会場を鮮やかに巻き込んでゆく。あらためて同曲には人を惹き付けるスター性が宿っていること、サウンドも歌詞もバンドを突き動かす素養を持ち合わせていることを痛感した。今後ライブでさらに真価を発揮できる楽曲へと育っていくだろう。その後は“アニソン”、“HERO”とロックナンバーをたたみかけて本編を締めくくる。強い向上心をあらわにするように一音一音を鳴らし、一言一言を歌う硬派な姿からは、果敢に挑んでいく4人の覚悟がのぞいていた。

アンコールではまず、今年6月に〈13.3g 2MAN SERIES [ FILAMENT ]〉を東阪2会場で開催することを発表する。奥野はメンバー4人の意見をぶつけ合うことで1本1本のライブができていること、それを観るために会場まで足を運んでくれる観客がいるからこそライブを大切にしていきたいと宣言し、「〈FILAMENT〉にも新しい思いで挑もうと思っている」「ゲストアーティスト(東京公演のBroken my toybox、大阪公演のBILLY BOO)もそういうバンドだと思っている」と告げた。

「みんなも〈こういうものが好き〉〈ああいうものはあんまり好きじゃない〉みたいに、潜在的に思っていることを大切にしてほしい。それをいろんな人とシェアしていくことで新しいきっかけが生まれると思うから、俺ら13.3gの思いをそれぞれのかたちで噛み砕いて、持って帰ってくれたらすごくうれしいです」という奥野の言葉の後に、藤丸も「気合いを入れてどんどん闘っていきたいし、生き様で見せていきたい」と意欲を見せる。ツアーを締めくくった“エレファントマン”は、そんな4人に燃え上がる闘志と、それらがぶつかり合うスリリングな音像だった。
「次は〈FILAMENT〉でお会いしましょう!」と告げ、4人はステージを後にした。新たなスタートを切り、浮足立つことなくシビアな目線で自身を鼓舞する彼らの姿はとても凛々しい。4人の潜在的な音楽への愛情や、それぞれの素直な思いが混ざり合うことで、13.3gはこの先さらにエネルギーを増してゆくだろう。そんなバンドの黎明を予感させるツアーファイナルだった。

13.3g ONE MAN TOUR「潜在的なアイ」
2026.4.17(Fri) 渋谷 WWW X
1. MONSTER
2. 揚羽参式
3. 眠民ゼミ
4. Smoky
5. ドッペルゲンガー
6. キライダー
7. 指輪
8. 嘘つき
9. ベイビーブルー
10. 跳ねる
11. BUG
12. マイネームイズネガティヴ
13. 最強Lady
14. 恋愛進化論
15. Inside Out
16. 潜在的なアイ
17. アニソン
18. HERO
En. エレファントマン
FateシリーズのEDを収録したメジャー・デビュー・シングル
編集 : 菅家拓真
LIVE INFORMATION
13.3g 2MAN SERIES [FILAMENT]
◆2026.6.12(金)
東京・渋谷Milkyway
Guest: Broken my toybox
◆2026.6.25(木)
大阪・梅田Zeela
Guest: BILLY BOO
<TICKET> ¥3,800(+D)
<OPEN> 18:00 <START> 18:30
Official Fan Club [3s]会員先行(抽選)受付中
受付期間:4/17(金)21:00 - 4/22(水)23:59
チケット受付はこちらから
INFORMATION
【公式HP】
https://13-3g.fanpla.jp/
【公式X】
https://x.com/13_3g_official
【公式Instagram】
https://www.instagram.com/13.3g_official/
【公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCHS5WARyhydiVjJOQzzuJ7A
【公式TikTok】
https://www.tiktok.com/@13.3g_official































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