国内外でDJ、プロデューサー、シンガーなどで、それぞれ活躍している、DJ SynthesizerことYosuke KakegawaとNaoyuki Honzawa、KAORIという、3人のアーティストによるユニット、ランゲージ。テクノ / ハウス由来のエレクトロニック・ダンス・ミュージックの要素とポスト・ロック的なバンド・スタイルのサウンドが高いクオリティで結びついた、スタイリッシュでポップな作品を展開してきた。また、そのサウンドとともにシンガー、KAORIの表情豊かなヴォーカルも大きな魅力のひとつだ。そんな彼らが、このたび3rdアルバム『magure』をリリースした。これまで以上にトータルなアルバムとして意識して作られたという。この作品を、OTOTOY限定のパッケージとして、アルバムまとめ購入時の特典に未発表トラック1曲と、さらには高音質のDSD 5.6MHzの配信も開始! ぜひとも、シンガー、KAORIのヴォーカル、そしてトラックの動きを、繊細なDSDで細部まで堪能して欲しい。

ダンス・ミュージックとインディ・ロックが結実した、美しきバリアリック・ポップス
3rdアルバムをDSD 5.6MHzで配信!

magure

Language

Album ¥2,000


Language / magure

販売形式 :
(1)16bit/44.1kのwav(CDと同クオリティ)+DSD 5.6MHz
(2)16bit/44.1kのwav(CDと同クオリティ)
>>DSDの聴き方はこちら

価格 : 共に2,000円

1. me undone / 2. sekai / 3. inazuma / 4. flawless / 5. sora / 6. hikari / 7. the island / 8. after sunday i know everything / 9. magure / 10. nn / 11. left open / 12. falling

★ 12曲目fallingはOTOTOYだけの限定トラックです!
(※ボーナス・トラックの「falling」は、マスター音源の関係上、DSDファイルは配信しておりません。DSDまとめ購入の場合はWAVファイルのみの収録となります)

INTERVIEW : Language

そのアルバム・タイトルとは裏腹に、ランゲージの3rdアルバム『magure』はひとつ整然としたサウンドのトーン&マナーで貫かれている。電子音響が作り出すソフトなトランス感 / チルアウトなバリアリック・フィーリングと、生ドラムを意識的に使ったというバンド的なアプローチ、このふたつの結びつきが、この1枚のアルバムのイメージを決定していると言えるだろう。クラブ・ミュージックに端を発した高いクオリティのポップスを展開している。その完成度には、むしろ“必然”という言葉を思い浮かべてしまうような、そんなオーラを放っている。

また、ここから生み出される感触は、昨今の国内外のインディ・ロック・シーンを騒がしている、グローファイ、ネオ・シューゲイズと呼ばれるサウンドにもどこか共鳴するような音楽性も持っている。さて、このアルバムがなぜ『magure』なのか? メンバーに話を訊いた。

インタヴュー & 文 : 河村祐介

左から、Yosuke Kakegawa、KAORI、Naoyuki Honzawa

“マグレ”が言葉的に、グっとくる感じがあって

――まずは、この『magure』というタイトルが印象的で。これまで『Slower Than Summer』、『Northern Lights』とかで、日本語のタイトルがとても意外で。

Yosuke Kakegawa(以下、Kakegawa) : “マグレ”が言葉的に、グっとくる感じがあって。普通、音楽表現とか美術表現とかでは同じようなことを言うときに“奇跡”って言葉が使われるじゃないですか? そうではなくて“マグレ”がいいなと。知り合いになった人が鉄板焼き屋さんを出したんですが、その店の名前が“マグレ”で、それを聞いて、なんかピンときて。偶然性の度合いが高いというか。奇跡っていろいろ折り込み済みじゃないですか?

――“マグレ”という言葉に比べると“奇跡”のほうが物語性はありますよね。

Kakegawa : “マグレ”って素敵な言葉だなって。ランゲージって、どちらかと言うと映像的だったり。ランゲージという名前でありながら、景色とか雰囲気とか感覚的なものがテーマになることが多くて。いわゆる具体的な世界感を直接言葉で表現してこなかったと思うんですよ。1作目、2作目もそうだと思うんですけど、ラヴ・ソングであるとか「この街を出て行く」みたいな感慨であるとか、恋愛や世俗的な日常というよりも自然であるとか、むしろ非日常との関係性をテーマにした音楽をやっていがちだったと思うんです。そのあたりとつなげても“マグレ”という言葉の非物語性はおもしろいかなと思って。
KAORI : ランゲージの音楽は、抽象的で、相対的な表現だったよね。
Kakegawa : 今回はタイミング的に3作目で、いままでとは違った表現のしかたも受け入れられるかなって。それでやってみようかってところで“マグレ”って言葉がぴったりだなって。
KAORI : 最初のほうの縛りとしては、アルバムに音色的な統一感を出そうっていう。それを下敷きにして作っていって、どちらかと言えば“マグレ”という言葉は結果的に後からついてきたもので。
Kakegawa : これまでもテーマはあって、1作目はなんとなく“あの夏”で2作目は北欧っていうか冷ややかなピリっとした皮膚感覚とかで。今回は(音色的に統一感を出そうということだったのに)聴いた人の感想をきくと「ヴァラエティに富んでますね」とかも言われるんですよ。

――それはびっくりですね。僕も聴いてみたときの感想としては、この後の質問にも入れるつもりだったんですが「音の統一感がきっちりしている」みたいなところがすごく印象としてあって。以前の作品には、それまでのドラムの音色と違うスパイス的なブレイクビーツが入ってきたりとか異質な要素が1曲のなかにあったりしたと思うんですけど。今回はドラムのサウンドもシンセも、アルバム1枚で世界感が通してひとつあるというか。

Kakegawa : それは意図としてありましたね。わりと、アルバムって似たような曲が並んでいる… だと語弊があるか。
KAORI : はじめ言われたときにびっくりしたもんね。「全部一緒? 」って(笑)。

――音を統一しようっていうのはどこからでてきたんですか? アルバムを作る上でなにをやってもいいわけじゃないですか?

Kakegawa : なんででしょうか?
KAORI : 単純に掛川さんが好きだからでしょ?
Kakegawa : たしかに、そうだよね(笑)。アルバムは統一感のあるものが好きなんですよ。景色で言うと同じ色の屋根が並んでるとか、そういうの。そこはかなりはじめから意識してた。あとは、やっぱり「生ドラム録ろうね」っていうのは最初からあったかな。それはライヴをずっとやってきたっていうのもあって。ストレートな、絵に書いたような四つ打ちとか、そういうダンス・ミュージックのフォーマットとかはあまり考えてなかったですね。
Naoyuki Honzawa(以下、Honzawa) : 他になんかあったかなぁ。「最初にコレだけやったら完成」っていうのはあまり考えないで、時間かけて作ったんすよ。2年ぐらい作ってたんで。

――では、前のアルバムからずっと作ってたわけですよね。

Honzawa : そうですね。それこそ「magure」って曲は、前のアルバムのリリース・パーティのときすでにプロトタイプ的な曲があって、やってましたからね。そこからすごく曲自体は変わったんですけど。最初から見えてたわけじゃないから、もしかしたらもっと四つ打ちの曲も入ってたかもしれないっていうところからスタートしてたから。結果、いま求めてる感じのとおり、こうなったというか。
Kakegawa : 今回、CD版にはDVDが付くんですが、最初から映像をつけようというのがあって。音の完成から半年ぐらいかかってからのリリースなんですよ。音源だけなら、制作のスケジュールで言えば去年の秋ぐらいに出ててるタイミングですからね。原型はほぼ1年ぐらい前にできてて、そこから映像との進行でじっくりモードに入って。

――アルバム制作のわりと最初のほうから映像はすべてにつけるって話だったんですね。

Kakegawa : うちのレーベル・オーナーの強い意志もあり、僕らもそこに乗って。最初にアルバム全体をつらぬくような映像をつくろうって大風呂敷広げて、映像作家はたくさんいるから、物語というか、1本の連作映画みたいなものが理想だねって話があったんですよ。でも「さすがにそれは難しいだろうな」と。最終的には連作ではなく、それぞれの曲にそれぞれ独立した映像をつけてもらうっていうことに決定していって。

――映像も観せていただいんですけど、全ての映像の感覚が違って、続けて観ると質感で統一感のあるのは音だけって感じで。映像を観てるとむしろそこが強調されるというか。それぞれの映像のテーマ、メッセージは、これはランゲージの側から提示したというわけではないんですね。

Kakegawa : 映像作家の側が音楽を聴いて、自発的に発想して作ったというか。だから「映像がバラバラなら統一感欲しいよね」という話になって、それでアルバム・タイトルでもある“マグレ”というコンセプトを表現した文章を作って… そのテキストを2行ずつに分けて各映像の最後に入れこんで。

――では、音とテキストが入っているというのが唯一、ランゲージ側から提示した映像制作のしばりだったってことですか?

Kakegawa : そうですね。

この3人で作ったらこうなっちゃうよねっていう感覚はあるかもな

――ランゲージが考えるアルバム・リリースの意義みたいな話になるんですが、さっきのライヴからのフィードバックで生のドラムを多めにするとか、映像もそうですが、単なる聴くという行為以上の音楽の体験性みたいなものを介在させようとするような方向性があるのかなと。

Kakegawa : なんとなくあったかもかな~。それは僕たちの根っこのクラブ・ミュージックという文脈だと思うんだけど。それって意味性よりも、体験という側面が強いじゃないですか? それはなんか自然に出るのかなと。でも、意味性というか、文脈的な音楽も趣味としては好きだったりするんですよ。とくに僕自身は、両方がブレンドされていくのがおもしろいなと思ってて。“マグレ”という意味性の部分をもってきたっていうのは、そっちのほうに寄りたいなってこともあって。あと活動のフィールドみたいなことで言うとライヴハウスにも出たいし、クラブ系のイヴェントにも出たい。
KAORI : だいたい、私もダンス・ミュージックがベースになってるのはそうで。でも、ランゲージのセカンドぐらいから、まったくこれまでのかたちじゃないものでもいいっていう、こだわりが抜けたって感じですかね。
Kakegawa : バンドっぽくなったのかな。ダンス・ミュージックに対するこだわりもあまりなくて。たぶん、ライヴをもっと楽しみたいってなったのがきっかけかもしれないですね。
Honzawa : うーん、僕もそんな感じかも。
Kakegawa : 3人いるとね、そうなるね(笑)。

――ひとつ、ランゲージのライヴが重要な要素になってきた、というのがこのアルバムにいたるまででありそうですね。

KAORI : そうですね。

――今回のアルバムはサウンド的にはロックなフィーリングとバリアリック・フィーリングのソフトでチルアウトなトランス感がひとつ柱としてあって、それが作品のサウンドの核かと思うんですが。そのあたり、昨今のインディ・ロック界隈でも、チルウェイヴとか、グロウファイとか呼ばれる音とちょっと近い感じがあるような気がして。

Kakegawa : 不勉強なんですが… そういうのは聴いてなくて。後からいろいろ、リリースの資料に書かれてるのを見て、YouTubeで聴いて「へぇ、こういうのか」ぐらいで。
KAORI : 逆に、同時代性って考えるとおもしろいよね。
Kakegawa : シンクロニシティ的にね。そういう音楽にいまはなってしまうっていう。
KAORI : 100匹の猿(注)みたいな(笑)。
Kakegawa : かもね(笑)。
KAORI : 普段聴いてるものは、3人ともガチャガチャで、だから、逆にそういったふうに聴いてもらえるとうれしいなって。

――生バンド感がそうさせてるのかもしれないですけど、インディ・ロック感がいままで以上に出た感じがあって。ランゲージとしての活動が身についたというか、この3人がいればランゲージになるくらいの自信みたいな部分に肝が座ったというのはあるんでしょうか?

Kakegawa : 自信とは違うかもだけど… でも、この3人で作ったらこうなっちゃうよねっていう感覚はあるかもな。
KAORI : 好きなものを作るって言う。
Kakegawa : 「こうしてみようか」ってところで通じ合う共通言語があるんだと思うんだよね。
KAORI : 「ゆったりしたものがやりたいんだよね」とか。
Kakegawa : それぐらいで通じるような共通感覚があったり。

――今後、アルバムという形態やこの媒体が持つメディアとしての機能や概念が変わると思うんですが、一方でリリースということで言えば、ニュースのように毎週音を出すっていうことも可能になりますが。

Honzawa : それはありえますよね。
Kakegawa : それは考えちゃいますね。この前、鈴木慶一さんと会ったときに、新しいバンドを作って500枚限定のアナログ・オンリーでリリースするって言ってて。おもしろいなと思って。録音メディアの話だと、慶一さんはCDプレーヤーがまだ普及してないときにムーンライダーズの作品をCDで出してて。そういう人たちで。

――でも500枚アナログって、実はいま現実的な話で、いま世界のインディ市場ではアナログが割と好調だったり。ダンス系にしても、例えばアンドリュー・ウェザオールみたいな人がさらに少ない300枚アナログを作るっていうようなレーベルをやってたり。あとはアナログと配信だけってアーティストも世界をみれば決して珍しくないんですよね。

Kakegawa : で、僕とかそれを買っちゃうな。この前、グラミーにノミネートされたアラバマ・シェイクスの作品が気になって、それを買おうとしたらAmazonにアナログがあったんでそっちを買ったんですね。そうすると、よくありますけど音源データのダウンロード・コードがついてて。なんかそれは理にかなってますよね。儀式的にアナログで買って、聴くことがうれしいんですよ。でも、データをiPodにも入れて、自分でリッピングとかする手間も省けて。でも、映像はやっていきたいかな。

――今回手応えがあったと。

Kakegawa : あと、もうひとつ今回思ったんですけど、さっき出た、作ったものを次の週にどんどん出すみたいなリリースの形式もやってみたいなと思って。それは映像あると難しいんで、そういうクイックな感じのチャンネルも欲しいなと思って。「作った」「出た! 」みたいな形態もやってみたいなと思って。

――配信で可能になりましたからね。極限で言えば、レコーディング終わったらすぐに出せるっていう。

Kakegawa : それがやりたいんですよね。もちろん、時間をかけて映像も作るっていうようなことも両方やっていきたいですね。音楽以外の部分でも遊びたいっていうのはあるかな。

注 : 百匹目の猿現象『宮崎県串間市の幸島に棲息する猿の一頭がイモを洗って食べるようになり、同行動を取る猿の数が閾値(ワトソンは仮に100匹としている)を超えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったという。このように「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という存在しない現象を指す』 wikipediaより

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木村達司 Morgan Fisher TOSHIYUKI YASUDA>>の特集ページはこちら

LIVE SCHEDULE

2013年7月25日(木)@代官山LOOP
Art Aquarium展
2013年8月24日(土)@日本橋
2013年9月15日(日)@epoch at Vannila Mood 西麻布

リリース記念ライヴ
2013年10月19日(土)@代官山LOOP

PROFILE

Language

KAORI : Vocal
Yosuke Kakegawa : Guitar / Computer
Naoyuki Honzawa : Bass / Computer

2009年8月上旬、アルバム『Slower Than Summer』を発表。その自由で解放的な音楽性が話題となり、DJ、イベントオーガナイザー、アーティストなどの音楽関係者たちから積極的な支持を得る。同月下旬、WIRE09に出演。色彩豊かなサウンド・スケープと高揚感あふれるライヴ・パフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。その後もコンスタントにライヴ活動を続け、江ノ島”TheLive”、葉山”Café de ROPE La mer”、逗子「音霊2010」、DOMMUNE、京都Blue Eyesをはじめとした多様なクラブ/ライヴ・イベントに出演してきた。2011年3月、2作目のアルバム『Northern Lights』をリリースし、ジャンルにとらわれない奔放な音楽性をさらに印象付ける。エレクトロニック、ポストロック、グローファイの要素が溶け合う現在のランゲージ・サウンドは、かつてのバレアリックの流儀のような、音楽に対する彼らの開かれた姿勢を反映している。

official website

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インタヴュー

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by 阿部 文香
筆者について
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