民謡など日本の伝統音楽の要素を取り込み、自らのモダンなポップ・ミュージックとして表現するバンド、アラゲホンジ。ヴォーカリスト / ギタリストの齋藤真文を中心に2007年に結成され、2011年にファースト『アラゲホンジ』をリリース。その後も着実に活動を続け、ここにセカンド『たからかぜ』がリリースされた。そのサウンドは結成からの数年の活動で得た、バンドに対する自信がそのままサウンドとして転化したような、そんなエネルギッシュなアルバムとなっている。OTOTOYでは、同アルバムから「トーキョー・ネイティブ・タイム」を1週間限定でフリー・ダウンロードでお届けする。躍動するサウンドをお聞き逃しのないように!!
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アラゲホンジ / たからかぜ
【配信価格】
wav : 単曲 250円 / アルバム 2,200円
mp3 : 単曲 200円 / アルバム 1,500円
【Track List】
1. トーキョー・ネイティブ・タイム / 2. 加賀ハイヤ / 3. さみどりの丘 / 4. よろこび舞 / 5. 斎太郎節 / 6. 相馬盆唄 / 7. 流星の吐息 / 8. たからかぜ / 9. 拡張外山節 / 10. 太陽のマナグ(Limited LIVE ver.) / 11. 秋田音頭(Limited LIVE ver.) / 12. 藍や真紅に白い百合(Limited LIVE ver.) / 13. 平成秋田萬歳(Limited LIVE ver.)
※まとめてご購入いただいたお客様には、特典音源として「SOUL BEAT ASIA 2012 橋の下世界音楽祭」のライヴ音源が4曲ついてきます。
現代に生きる人間が自らの表現として紡ぎ出した、そんな音楽
ともかく、これを聴いて思うのはライヴを観てみたい。そう、まず思ったのだ。音の力強さ、演奏への自信、バンドとしての一体感、それらがとにかく音としてスピーカーからはみ出てくるのだ。ファーストでも“アラゲホンジの音”というのはもちろんある種ひとつのスタイルとしてできあがっていた部分もあるが、さらなる洗練を極め、そして表現力を増している。それはライヴ・バンドとしてひとつの揺るぎないスタイルを持ったバンドがもつ音の風格とでも言おうか。そんなエネルギーに満ちている。本作は、レコーディング・エンジニアに内田直之(LITTLE TEMPO etc)を迎えて、ほぼ一発録りでレコーディングされたという。そのあたりもその音の迫力に力を添えているのではないだろうか。
アルバム全体は、スッキリと軽快に、豊かな緩急を持って駆け抜けていく。 まずはディープ・ハウス・アーティスト、ジョー・クラウゼルの楽曲をヒントにしたというアフロ・ビートと盆踊りの祝祭感が見事にマッチしたファースト・トラック“トーキョー・ネイティブ・タイム”のグルーヴ感で打ちのめされると、アルバムはレゲエやファンクなど、色とりどりのグルーヴと融合した日本古来の打楽器や鳴りもの、民謡的な節回しによるメロディ、方言を含んだ土の臭いの感覚に包まれた言葉でさまざまな情景を見せる。
また前作の「秋田音頭」などに続いて、本作でも古来からの民謡のカヴァーも収録されているが、それらもやはり絶妙な配合で、もともとそれらの音楽が持っている隠れた構造を見出し、現代を生きる彼らなりの方法で新たなエネルギーを与えている。宮城県民謡の「斎太郎節」はまるでナイヤビンギのようだし、福島県民謡の「相馬盆唄」はジャズ・ファンクのようですらある。ひとつここで重要なのが、そうした楽曲が決して「民謡の○○○風カヴァー」というようなとってつけたようなアレンジになっていないところだ。あくまでも原曲にあった、そうした要素を彼らのバンド力といえば良いのか、その演奏やアレンジ、視点で増幅させている、そんな印象を持つ。それほど自然なアウトプットができていると感じることができる。このあたりは、バンドとしての成熟や自信といったもが端的に示されているところではないかと思う。
ここには、単なるカヴァーやビートのサンプリング・ソースといった、わりとこれまでもよくあったような伝統音楽の利用とは明らかに違った“地に足がついた”感覚がある。この列島に古くからうごめく音の遺伝子を、その音楽的な想像力で自らの“ソウル”や“ファンクのグルーヴ”として引き寄せて表現してしまった、そんなアーティストと言えるだろう。もちろんここで言う、“ソウル”や“ファンク”は具体的なブラック・ミュージックのそれではない。“ソウル”=歌心と言おうか、“ファンク”=どうしても気持ちよくなってしまうリズムとでも言おうか、ブラック・ミュージックにおけるそうした要素に準じたものを日本の伝統音楽から抽出し、現在のポップ・ミュージックで育った、現代に生きる人間が自らの表現として紡ぎ出した、そんな音楽だ。(text by 河村祐介)
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LIVE INFORMATION
トーキョー・ワッショイVol.3 『たからかぜ』リリースパーティ)
2013年12月1日(日)@月見ル君想フ
料金 : 予約¥2,300 / 当日¥2,800(+1Drink¥500)
Live : アラゲホンジ社中
DJ : 大石始 詳細仕込中
PROFILE
アラゲホンジ
2007年2月結成。
東北地方を中心とした日本のお祭り音楽と世界中のポップスを掛け合わせた未来型お祭りロック・バンド。
「秋田音頭」「秋田萬歳」「可愛がらんせ」などの民謡を現代版にアップデートし、恒例の「リンゴ追分」 では会場が一体となる、まさに新時代のグローカルビートを各地で展開中。2010年 FUJI ROCK FESTIVAL'10「ROOKIE A GO-GO」出演、2011年7月 ファースト・アルバム発売。2012年には大石始監修のコンピレーション・アルバム『DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ Vol.1』へ参加し、各メディアからの注目を集める。