絡み合う二人のヴォーカル。発見と驚き──メレ
数多いるアーティストの中からOTOTOY編集部がライヴハウスやネットで出会い、ビビッときた、 これはもうオススメするしかない! というアーティストを取り上げるこのコーナー。 読んで、聴いて、そして何か感じるものがあれば、できるならライブを観にいってほしい。損はさせません。 そんな絶対の確信とともにお届けする、第4回。
第4回 : メレ
今回紹介するアーティストは東京を中心に活動する、メレ。 現在は、中村伊織(ギター&ヴォーカル)、白石はるか(ベース&コーラス)の二人構成のバンドだ。 ライブではサポート・ドラムスを加えた3ピース編成となる。
楽曲を聴いてまず耳に残るのは、涼しげで真っ直ぐな中村のヴォーカルだろう。 だが聴き進めるうちに、 一筋縄ではいかないメロディ、思わず聴き返して確認したくなるような引っ掛かりのある歌詞、 浮遊感と歪みとが交錯するサウンド、 力がこもるにつれ内から溢れ出る感情が増していく中村のヴォーカル、 そしてコーラスを超えてツイン・ヴォーカルといってもよい白石と中村のヴォーカルの絡み合い、 と彼女らの楽曲は聴き手に次々に新しい発見と驚きをもたらしてくれる。 特に印象的なのは何かを訴え掛けるかのように感情が込められていくヴォーカルだが、 その一方でそれは、それがどんな感情なのか、怒りなのか悲しみなのか賛美なのか、否定なのか肯定なのか、 そのいずれをも含む匿名的な、だがとても力のあるヴォーカルだ。
バンド結成は2018年4月。 昨年2019年は、 2枚のライブ会場限定販売ミニアルバム『愛能う限り』(あいあたうかぎり)と『才能能う限り』(さいのうあたうかぎり)をリリース。 それぞれのレコ発イベントも成功させ、多くのサーキットイベントなどにも出演した1年となった。 そして2020年1月、文字通り満を持して、初の全国流通盤『夢能う限り』(ゆめあたうかぎり)をリリースする。
それでは、 リーガルリリーの元メンバーでもある白石が同じ高校の1年後輩の中村を誘って結成されたというバンド誕生の経緯や、 「能う」シリーズ3部作ともいえる3枚のミニ・アルバムへの思いなど、 メレの二人が真っ直ぐに語ってくれたメール・インタヴューをお届けします。
MAIL INTERVIEW : メレ
Q. 音楽活動をはじめたきっかけを教えてください
中村伊織 (Gt., Vo.) :
小学校四年生の時に父が車の中でかけてくれたユニコーンに衝撃を受けたのがきっかけです。
白石はるか (Ba., Cho.) :
小学校五年生の時に幼馴染みのいるギターサークルに入ったのがきっかけです。
Q. 影響を受けたアーティストを教えてください
中村 : 気づいたら奥田民生さんが音楽の中で一番になっていました。私の知り合いで好きが被ってたらすごく嫉妬するくらい大好きです。 最新作が一番良いを更新しているユニコーンを本当に尊敬しています。 影響を受けているかは分かりませんが、ユニコーンの『ヒゲとボイン』は毎日聴いています。素晴らしい作品です。
白石 : 石崎ひゅーいさんのポップな歌詞や、Passion Pitのリズムなどに感動し、影響を受けてるかもしれません。 石崎ひゅーいさんの『独立前夜』というアルバムは私のどんな日常にも寄り添ってくれる宝物のアルバムです。
Q. お二人の出会いとバンド結成の経緯は?
二人は同じ高校の先輩(白石)と後輩(中村)です。
中村が卒業のタイミングで進路を悩んでいた頃、白石に一緒にバンドをやらないかと言われて、この人なら大丈夫と直感的に思い、結成しました。
Q. お互いのことを紹介していただけますか
中村 : はるぺん(白石)は最高のベーシスト、それにつきます。一緒にバンドできていることを幸せに思います。
白石 : いおぺん(中村)は、誰がどう考えても素敵な曲をつくる、何を歌わせても素敵な歌を歌う、そして誰よりも私を信じてくれてる素敵なメンバーです。
Q. バンドの音楽性を言葉であらわすとしたら?
「愛を与えるバンド」
Q. 中村さんに質問です。曲を作るようになったきっかけを教えてください
中村 : 才能あるかも、と思ったからです。
Q. 白石さんに質問です。中村さんの作る曲についてどう思われますか?
白石 : 誰が聞いてもどう考えても素敵だと自信を持って言える素晴らしい才能を持ってます。 私が書いた歌詞を曲にしてくれたものも、しっかり気持ちをくみとってくれて、いつも大好きな曲になります。
Q. バンドの楽曲制作においてこだわっている点は?
肯定も否定もしない、提案するような音楽を届けたいと思っています。
Q. 楽曲を聴いてくれる人やライブのお客さんに提案したい何かがある?
具体的に何かというより、私たちの曲とってもいいでしょ?、というかたちで投げかけているので、受け取りかたは自由にしてもらえればと思っています。
Q. これまでの音楽活動の中でうれしかったことは?
受け取ってくれる一人一人の感想やコメントに言葉の重みがあって、リリースするたびに私たちの音楽がより一層色づく感覚がすごく嬉しいです。
Q. 逆に、へこんだことは?
私たちがまだカバーしきれていないジャンルの幅にはへこむこともあります。 私たちにはできないことや、つかないお客さん、 それが似合ってれば似合っているほど、圧倒的であればあるほど、羨ましく思ってへこみます。 音楽について、“〜系”とか“〜に似てる”とかでまとめられてしまうことにも。
Q. 前2作『愛能う限り』と『才能能う限り』は、お二人の中でどんな位置づけの作品ですか?
『愛能う限り』は「愛を与えるバンド」をコンセプトにして活動していきたいと思いはじめたころ、 読んでいた本の一文にあった言葉です。 「できる限り」という意味を持つ一見冷たい言葉にも捉えられ、 また、すごく暖かい言葉にも捉えられるこの言葉を音にしたいと思って、『愛能う限り』を作りました。
そうして活動していく中でだんだんと認められて自信がついてきて、「私たち才能ある」と思うようになりました。 その才能を、今できる限りの才能を、作品にしたいと思い、二作目は『才能能う限り』にしました。
二作とも、その時のメレの周りにあった環境や出会いに一番近い感情が、自然と作品になっているんだなと思っています。
Q. 初の全国流通盤となる『夢能う限り』はどんな作品になりましたか?
全国流通のお話をいただいたとき、バンドで全国流通盤を出すのは夢の第一歩であるので、タイトルは『夢能う限り』にしようと思いました。 ドラムにはtricotから吉田さんに参加して頂きました。 それもすごく夢みたいなことだし、楽曲も将来を楽しみに思う自信のある6曲を作れました。
この作品の全てが過去の夢と未来の夢でいっぱいになっています。 楽曲、写真、関わってくれている人、できる限りではもったいないくらい、夢いっぱいの一枚です。
Q. 目下のバンドとしての夢を教えてください
2019年はさまざまなフェスやサーキットに名前があることを目標にしていました。 2020年はそのキャパを広げることが目標です。 そうして応援してくださる皆様をワクワクさせたいです。
Q. 将来、共演したいバンドはありますか?
奥田民生さん、石崎ひゅーいさんとは、マストで共演したいです!
Q. 1年後のあなたたちはどうなっているでしょうか?
まだまだ環境に悩むと思うし、一歩ずつ階段を登っていくバンドなので、大きくなるにはもう少し時間は必要だよね、ってなっているかと思います。
Q. では最後に、1年後のあなたたちへメッセージをお願いします
メレは確実に良い音楽をしています。そのまま自分達の鳴らしたい音楽をやっているべきです!
MUSIC VIDEO
RELEASE INFO
3rd ミニ・アルバム
『夢能う限り』
発売日 : 2020年1月22日(水)
品番 : DDCZ-2247
価格 : ¥1,500 + 消費税
(OTOTOYでも1月22日配信開始)
<収録曲>
1. 大学通り
2. 海の本屋さん (先行配信中)
3. せめて夢の中では
4. 逃げ道
5. 117
6. こたつの上には、君の好きな
LIVE SCHEDULE
メレ 3rd mini Album「夢能う限り」リリースツアー ~君だけがうまく生きれればいい~
2020年2月9日(日) @ 名古屋・栄Party'z
出演 : メレ / otter hangout / Atomic Skipper / and more!
2020年2月10日(月) @ 大阪・難波メレ
出演 : メレ / ペッターズ / ベルマインツ/ and more!
2020年2月28日(金) @ 東京・渋谷TSUTAYA O-nest *TOUR FINAL 3MAN
出演 : メレ / osage / マイアミパーティ
チケット : イープラス (eplus.jp/mele/)
でらロックフェスティバル2020
2020年2月1日(土) @ 名古屋
http://derarockfes.radcreation.jp/
PROFILE
メレ
中村伊織 (Gt., Vo.) / 白石はるか (Ba., Cho.)
2018年4月28日結成。 同じ高校の先輩後輩。東京の下北沢を中心に活動中。
結成からわずか1年すこしで都内で開催の主要サーキットイベントからのオファーが殺到。 大阪最大のライブサーキットイベントMINAMI WHEEL 2019への出演も決定。 リリース前、大阪でのライブが無しという状況でのブッキングは異例となっており、今や東京を飛び出しその噂は全国規模になりつつある。 大阪万博公園で開催されたChillin' Vibes 2019への出演など、名だたるミュージシャンとの共演も増えており、現在、最も注目されているバンドである。
Twitter : https://twitter.com/mele___official
Official Site : https://mele-official.jimdofree.com/
メレの作品