もう急ぐよりは回った方がいいなって
──それから”葉菜子”として9月12日の“嫌になってきた”をリリースして、動き出します。
葉菜子 : あ、私実はまだ活動休止中なんです(笑)。「『HUNTER×HUNTER』もやってないし、私も別に休んでもいいんじゃねぇか」と思っちゃって(笑)。
──『HUNTER×HUNTER』は、だいぶ特殊ですけどね(笑)。
葉 : そんなもんで活休宣言をしまして、一応まだ「活動開始します」とは言ってないんですよね。ただ、一歩ずつみんなに届けたいという想いがあって、“嫌になってきた”から動きはじめました。
──なるほど。動きはじめた1発目のタイトルが“嫌になってきた”って、これすごいですけど、どういう意味を込めたんですか。
葉菜子 : タイトルが締め切りまで決まらなくて、考えるのが嫌になってきたんです。それで「あ、もうタイトルは“嫌になってきた”にします」っていう感じで、決まりました(笑)。
──この曲は、本当に自由で荒削りな感じですよね。
葉菜子 : レコーディングでは2、3回しか録ってなくて、すぐ終わったんですよね。声のエフェクトとかもかけてませんし、そのときの素の自分が出てるんじゃないかなって思います。
──このジャケ写はどういう写真ですか?
葉菜子 : これは北海道に帰ったときの顔が酷すぎて記念撮影したんですよね。そのときの顔を使いました(笑)。完全にノーマルカメラでスッピンです。
──写真といえば、アー写で使っている履歴書みたいなやつはなんですか?
葉菜子 : 「資料に使う写真なんかありませんか?」って言われたので仮免の写真送ったんですよ。そしたらいろんなところ使われちゃって(笑)。
──めちゃめちゃ攻めてるのかなと思いましたよ。
葉菜子 : もう全然私はなにも気にしてない(笑)。なんでも「オッケーです」って言っちゃうので(笑)。
──おもしろいですね (笑)。曲の話になりますが、この“嫌になってきた”はどういう曲ですか?
葉菜子 : これは、楽しいときとそうじゃないときの気持ちを交互に書いたみたいな感じですね。支離滅裂っちゃ支離滅裂ですし。歌詞って普通は意味があるものじゃないですか、でも特に意味はないんですよね(笑)。
──曲はどうやってつくっていったんですか?
葉菜子 : 楽曲を作ってくれたメメツメメさんに「私もっと自由にやりたい」みたいな話をしていて。「私はこういうテクノ系とかが好きで、ただ自分の個性を抜けたくなくて」とか、「Aメロ、Bメロ、Cメロが続くのが嫌だ」とかそういうことを伝えて。それを全部叶えてくださった感じはしますね。
──具体的な指示を伝えて作っていったんですね。
葉菜子 : 普通のJ-POPって、「1A、1B、サビ、2A、2B、サビ、落ちサビ、大サビ」じゃないですか。そういうって、私、歌ってて飽きちゃうし、ゾワっとする感じがありまして。だから、それを変えて欲しいっていう話は結構しましたね。あ、いや、J-POPを歌われている本人たちは素晴らしいんですよ。ただ、ゾワっとしちゃう(笑)。
──じゃあ、いまのいわゆる王道のJ-POPのアンチテーゼみたいな気持ちで作ったんですか?
葉菜子 : そうです! そうなんです!
──楽曲はテクノっぽいですけど、結構生っぽい音が入ってますよね。
葉菜子 : そうなんです。ただ、ゴリゴリにテクノにしちゃうと感情が伝わりにくいんじゃないかなと思ったんですよ。だから「ちょっとバンド感を入れてほしい」とか「楽器とかを入れて欲しい」っていうわがままを伝えて、それを叶えてくれています。
──12月22日には“嫌になってきた”も収録されている 3曲入りのEP『急がば回れ、できれば咲き誇れ』がリリースされます。なぜ、このタイトルなんですか?
葉菜子 : 私は生き急いでたところがあって。なにを伝えるっていうものよりも、なにかをしなきゃっていうのがあったんですね。今回、はじめて活休っていう道をしっかり宣言して選んで、考える時間を設けてからは、もう生き急がないほうがいいと思ってしまって。担当のスタッフさんにも「もっとゆっくりでいいよ。いまの活動を地道に5年、10年やってけば絶対に大丈夫だから」って言われて。その言葉を聞いて、もう急ぐよりは回った方がいいなって。でも、できるならば有名になりたいし、かっこよくありたいという意味でこのタイトルを付けました!
──なるほど。EPに収録される“ファッキンクソノスタルジーと言いたい”はどういうシチュエーションで書いた曲ですか。
葉菜子 : これはですね、それこそ私が好きな感じの曲で。曲調とかメロディも、サビがサビっぽくないのもすごい私はめちゃくちゃ好みでして、楽しかったです。これはメメツメメさんよりレコーディングの2日前に曲が送られてきまして、それから2時間ぐらいかけて集中して作詞しました。
──曲がきてから作詞するんですね。
葉菜子 : そうなんです。もともと書いていたものから抽出するときもありますし、この曲は結構抽出したかも。
──“ファッキンクソノスタルジーと言いたい”は、タイトルに“ファッキン”と“クソ”という同じような意味の単語が入ってますね。
葉菜子 : でも、ここには特に意味はないです(笑)。これは、最後のサビに意味を持たせるみたいな感じの、ツンデレみたいな感じなんですけど。だから最後に「野垂れ死ぬよりもやりたいことがある」って、とりあえずそれを言いたくてこの曲を作りました。それだけのために他があるって感じですね。