新春の注目5作品をレビュー!!
あけましておめでとうございます!! 2013年がやってきました。このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤を2~3枚ピックアップし、ライターによるレビューと共にご紹介いたします。今回は新春スペシャルということで、お正月に楽しんでほしい作品を2作ピックアップしました。音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をお楽しみください。あなたと素敵な音楽の出会いがありますよう。今年もOTOTOYをどうぞよろしくお願いいたします!!
スッパバンド『KONTAKTE』
スッパバンド / KONTAKTE
【配信形式】
mp3
【価格】
単曲 150円 / アルバム 1,500円
「アヴァン・ポップ」という言葉は語義矛盾を起こしている。大衆におもねることない大衆性。しかし、これは、他者とのコミュニケーションを求めつつも、もう一方では拒んでしまう私たちの分裂した心情をそのまま表しているとも言えるのではないだろうか。今作は、スッパバンド(Vo&Gtの水越タカシは「スッパマイクロパンチョップ」名義で、竹村延和のレーベルであるchildiscからエレクトロニカ作品を多数リリースしている)の活動8年目にして初のアルバムであり、これまでの活動の集大成ともいえる作品であるが、こうした分裂性は「いんぺいソング」や「ラヴミー0点だー」の歌詞や、「大豆」「ツゴイネルワイゼン」の、ポップなアンサンブルと散文詩的な歌詞の組み合わせなど、そこかしこに見られる。ある意味で一貫したその性質は、「アヴァン・ポップ」の矛盾を認めたまま、音楽の形にアウトプットしたバンドの姿勢の結果としてある。(text by 上野山純平)
たんきゅん『サボッタージュ』
たんきゅん / サボッタージュ
【配信形式】
mp3
【価格】
単曲 150円 / アルバム 300円
自称”女子中学生”ユニットの”たんきゅん”は、ミルメークが好きなみやまゆと、夢日記が趣味のチャンユメの2人組だ。2012年4月の結成後、8月にタテタカコとやまもとゆみの台湾ツアーに同行、10月にはシブカル祭。に参加、そして11月に自分たちをモデルにした漫画同人誌を発行。新人とは思えない予測不能の活動で、巷で話題の”普通のJC”が、今年の締めくくりに1stシングル「サボッタージュ」をリリースした。今回のシングルには、ノスタルジックな歌詞とメロディーで正統派中学生の青春を表現する、表題曲の「サボッタージュ」と、”彼女たち”が通う「私立櫻梅女子中学校校歌」の2曲が収録。格好付けず、ストレートに歌う2人の声に、胸きゅんが止まらない。音源を聴いて、PVを見て、まずは見たままのたんきゅんについて知ってほしい。そして、少しでも違和感を持ったリスナーは、もっと掘り下げてみてほしい。”たんきゅん”という1つのプロジェクトには、大人の本気が隠されている、かもしれない。(text by 櫻井希)
オシリペンペンズ『LIVE お雪ちゃんは一人で走る気がする』
オシリペンペンズ / LIVE お雪ちゃんは一人で走る気がする
【配信形式】
mp3
【価格】
単曲 150円 / アルバム 1,200円
オシリペンペンズのライヴを見たことがない人は、今すぐライヴ・スケジュールを確認してライヴに行ってください。現実的にそれが難しいようであれば、このアルバムを聴いてください。このアルバムは、ベスト・オブ・オシリペンペンズといっても過言ではない作品です。オシリペンペンズの代表曲や未発表曲、廃盤になって長らく聴けなかった曲など、選りすぐりの曲のみで構成されたライヴ盤です。本当においしいところだけが詰め込まれているわけですよ。だから美味しく召し上がってみてください。でもね、これでオシリペンペンズのことを分かったつもりにならないでくださいね。私の冒頭の言葉を見返してみてください。今すぐライヴに行ってください。それを体験することでこそオシリペンペンズの本当の魅力を感じられるのですから。そのあとに、もう一回本作を聞いてください。もう彼らの魅力から抜けられないでしょう。(text by 西澤裕郎)
LAGITAGIDA『Terrible Boy / Uncrackable Nuts(配信限定パッケージ)』
LAGITAGIDA / Terrible Boy / Uncrackable Nuts(配信限定パッケージ)
【配信形式】
mp3
【価格】
単曲 200円 / アルバム 400円
なんだ、これは!! バンドの可能性を感じないわけにはいかない大傑作と声を大にして言いたい。LAGITAGIDA初となるデジタル・シングルは、2012年10月21日に新代田FEVERで行われた「一発録音&スマートフォンによるMV撮影会」による新曲「Terrible boy」と、バンド初カバー曲となる「Uncrackable nuts」(原曲:チャイコフスキー「Nutcracker-くるみ割り人形-」)の2曲が収録された作品。とにもかくにも、YouTubeにアップされている「Terrible boy」のPVをご覧いただきたい。ロックンロールのダイナミズム、理屈では説明できないいかがわしいかっこよさ、汗っぽさを感じる肉体感がこれまでかというくらい詰め込まれている。何が一番かっこいいかというと、奇抜さやテクノロジーの進化に頼り切らず、オリジナリティを創出しているところだ。ロックは死んでなんかいない。そう感じさせてくれる傑作!!(text by 西澤裕郎)
GONTITI『ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」サウンドトラック』
GONTITI / ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」サウンドトラック
【配信形式】
wav / mp3
【価格】
wav 単曲 200円 / アルバム 2,400円
mp3 単曲 150円 / アルバム 2,000円
ゴンチチインタビュー
関西テレビ・フジテレビ系連続ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」のサウンド・トラックを手がけたGONTITI(ゴンチチ)のニュー・アルバム。GONTITIは、ゴンザレス三上とチチ松村によるインストゥルメンタル・アコースティック・ギター・デュオ。今まで、映画「無能の人」「誰も知らない」「歩いても 歩いても」など、数々のサウンド・トラックを手がけてきたGONTITI。今回はドラマの雰囲気をそのままに、心のよりどころになるようなアットホームなゴンチチ・サウンドを作り上げている。サウンド・トラックということもあり、曲は全て2分以内。収録曲は21曲。「ゴーイング マイ ホーム」のファンの方はもちろん、ゴンチチ初心者から、1年以上ゴンチチの新譜を楽しみにしていたゴンチチ・ファンの方まで楽しめるアルバム。(text by 加瀬成)