
DE DE MOUSEのライヴ・ キーボーディストとしても知られる渡辺シュンスケによるソロ・プロジェクト、Schroeder-Headz。クラブ・ジャズとオーガニック・グルーヴを繋ぐオルタナ・ピアノ・トリオとして、ジャンルを飛び越え、既成の概念を覆しながら活動を続けている。そんな彼が12月4日に最新作をリリース。いま、エレクトロシーンで最も人気のあるアーティストのひとりSerph、Revirthレーベル主宰のNUMB、シネマティックなサウンドが特徴的なポスト・ロック・バンドL.E.D.、さらにShing02までをもフィーチャーした贅沢な1作。リリカルなメロディが美しい10分超の大作「Harusame」など、充実の本作をHQD(24bit/48kHzのwav)で配信スタート!! そのサウンドに酔いしれてみてほしい。
新作をHQDで高音質配信スタート
Schroeder-Headz / Sleepin' Bird 【配信形態】 HQD(24bit/48kHzのwav)
【配信価格】 単曲 200円 / まとめ価格 1,050円
1. Sleepin' Bird
2. Sleepin' Bird - remixed by Serph
3. Sleepin' Bird feat. Shing02 - remixed by NUMB
4. Sleepin' Bird - remixed by L.E.D.
5. Sky
6. Hidden View
7. Harusame
普遍的だからこそ壊せる創造性
「Sleepin' Bird」のデモ・バージョンがYouTubeにアップされたのは、2009年9月10日のこと。そこから約4年間、現時点で再生数は61,833回を記録している(2013年12月3日時点)。そして、同曲を聴いた人たちの熱望の声により、ついに正式な音源化に至ることとなった。YouTubeを通じて音楽を知ることは、いまでは当たり前の行為だ。とはいえ、4年という月日をかけて再生回数をのばし公式にリリースされるというのは、それほど一般的なことではない。それだけ「Sleepin' Bird」には、時流を越えて人を惹き付けるものがあるということだろう。
その楽曲を作ったSchroeder-Headzこと渡辺シュンスケは、国立音楽大学でピアノを学んだ経歴を持っている。末光篤と行なったピアニスト対談では、真面目に音楽の勉強をしておけばよかったということを話しているが、メロディ・センスだったり、作曲だったり、音楽におけるセンスを元より持ち合わせている天才肌だ。「Sleepin' Bird」のデモ・バージョンは、その才能から生まれ落ちた原石。それを見つけたリスナーの「もっと磨いてほしい」という要望から、今回正式な音源が世に出ることになったわけである。おもしろいのは、渡辺以外のアーティストにも参加してもらい原石を磨いていることだ。エレクトロシーンで評価を得ているアーティストのひとりSerph、Revirthレーベル主宰のNUMB、シネマティックなサウンドが特徴的なポスト・ロック・バンドL.E.D.がリミックスで参加している。さらに、NUMBのリミックスには、Shing02もラップで参加しており、「Sleepin' Bird」の光をいろいろな角度から楽しむことができる。
そして「Sleepin' Bird」のステムも販売されているのがおもしろい。ステムというのは、ベースやキック、ハットなど、楽器の各パーツのみ切り取られたマルチトラックで、その音源をダウンロードすれば、誰でもリミックスを作ることができる。ステムを配信するというのは、リミックスを期待してのことであること間違いないが、なぜそれほどまでに「Sleepin' Bird」をいろんな角度から磨くのか。それを読み解くためには、渡辺が末光篤と行なったピアニスト対談にヒントがあるように思う。
「ヘタクソだけどすごくカッコいいライヴ・バンドとかを観て、俺には足りないなとか思って。だから、いまSchroeder-Headzをやっているのかなって思います」
作曲家としての自分と、それを壊すことから生まれる創造性。渡辺が「Sleepin' Bird」に求めているのは、普遍性と先鋭性の両方なのではないかと筆者は想像する。時間をかけて聴かれてきた間口の広い楽曲だからできる創造性、そこから生まれるものはどんな輝きを放つのか。「Sleepin' Bird」には、まだまだ大きな可能性が秘められている。これを読んだあなたも、ぜひリミックスで参加してみてほしい。(text by 西澤裕郎)
>>>末光篤とのピアニスト対談はこちら
LIVE SCHEDULE
土岐麻子 meets Schroeder-Headz 東名阪ワンマン・ライヴ開催決定!!
2013年12月6日(金)@愛知県 名古屋ブルーノート
2013年12月7日(土)@大阪府 ビルボードライブ大阪
2013年12月10日(火)@東京都 ビルボードライブ東京
2013年12月29日(日)@愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
出演 : DJみそしるとMCごはん / HINTO / LITE / モーモールルギャバン / rega / Sawagi / Schroeder-Headz
L.E.D. presents "in the universe vol.3"
2014年1月11日(土)@東京都 渋谷O-nest
出演 : L.E.D. with VJ mitchel / Schroeder-Headz / no.9 orchestra
『Toki Asako meets Schroeder-Headz TOUR 2014』Toki-Headz!
2014年1月12日(日)@宮城県 仙台retro Back Page
2014年1月13日(月)@新潟県 ジョイアミーア
2014年1月17日(金)@兵庫県 神戸café Fish!
2014年1月18日(土)@香川県 高松SPEAK LOW
2014年1月19日(日)@広島県 Live Juke
2014年2月14日(金)@東京都 キネマ倶楽部
2014年2月15日(土)@東京都 キネマ倶楽部
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DE DE MOUSEが前作「A journey to freedom」から2年半ぶりのフル・アルバムを自身が立ち上げた"not"からリリース! FUJI ROCK FESTIVAL'12への出演、プラネタリウムツアー全7公演がソールドアウトなど、レーベル独立後も活躍の幅を広げ続けるDE DE MOUSEが自身のレーベル"not records"を立ち上げ、その第1弾として4thアルバムをリリース! ストーリー性を強めた今作には、ブックレットにアルバムの序章となる自身の短編小説を封入。曲順 / タイトルも含めて、DE DE MOUSEの世界感をこれまで以上に堪能できる1枚です。
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2011年の2ndアルバム『elementum』以来、2年振りとなる3枚目のフル・アルバム。今作はゲスト・ヴォーカルにSalyu、作詞にはタナカカツキを迎え、L.E.D.×Salyu×タナカカツキというこの3者でしか生まれないであろう壮大なスケールを描いた新曲「空水になる feat.Salyu」を収録。そして無二のスタイルを確立する、孤高の詩人、志人を迎えた「賽の河原~八俣遠呂智の落とし子と鬼八の祟り~」では、歪でファンタジーなトラックの世界観と、まるで日本神話のような文学的リリックを変幻自在のフロウで畳み掛けた圧巻の超大作! 極上のサウンドスケープを繰り広げる全10曲を収録。
N-qia / Fringe Popcical
Serph、Reliqと、ソロとしても圧倒的な才覚を発揮するTakmaが、ヴォーカル、Nozomiと結成したユニット、N-qia。自由奔放で複雑なビート、繊細で透明なヴォーカルはジャンルの枠組みを超え、ファンタジックな世界を創りあげる。そんな彼らがmatryoshkaやworld's end girlfriendが所属するVirgin Babylon Recordsからリリース。
Profile
Schroeder-Headz

クラブ・ジャズとオーガニック・グルーヴを繋ぐオルタナ・ピアノ・トリオ「シュローダーヘッズ」は、DE DE MOUSEのライヴ・キーボーディストとしも知られる渡辺シュンスケによるソロ・プロジェクト。Jazzの世界でよく見られる「ピアノトリオ」という、もっともシンプルかつベーシックなアンサンブル・スタイルを使い、ジャンルにカテゴライズされた、さまざまな音楽フォーマットの枠組から「抜け出してみたい」という試みの実験場。それは「スマートネス」と「クレイジネス」が同居する新世代のハイブリッド・サウンド。サンプリングやプログラミングに支配された、インテリジェンス・ダンス・ミュージックを含む、現在のあらゆる音楽を、シンプルでスタンダードな「ピアノトリオ」という生のアンサンブルで翻訳〜演奏することによって、逆に2010年代以降の近未来に、フレッシュな新しい音楽を響かせることができるのではないか? という思いからスタートしている。2010年にアルバム『ニューデイズ』でデビュー。最新作は、スヌーピーでお馴染みのコミック"PEANUTS"に登場するトイピアノを弾く男の子シュローダーとコラボしたカバー・ミニアルバム『ピアノ・ア・ラ・カルト・フィーチャリング・シュローダーヘッズ』(2011)。