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これからの時代、ミュージシャンはどうやって食べていけばいいのか。話しても話しても議論の尽きない話題である。同じように、レーベルもどのようにして生き残っていけばいいかを問われている。CDの売り上げ低下や、音楽メディアの変容など、環境が大きく変わっていく中、知恵を振り絞りながら生き残りを図っている。
連載4回目となる今回は、PROGRESSIVE FOrM、術ノ穴、十代暴動社、kilk recordsという、4組のレーベル・オーナーに集合していただき、レーベルの運営に関する現状とアイデアを交換していただいた。その内容は決して明るいものではなかったけれど、不思議と後ろ向きな雰囲気は感じられなかった。恐らく、守るべきもの以上に、作り上げていきたいものが多いからなのだろう。縮小していく音楽業界を指をくわえて見ているだけではなく、正面からぶつかっていこうとしている姿には希望という言葉を託したくなる。まだ答えは見えていないけれど、どんな時代が来ようとサバイブしていこうとしている4人の動きに注目してほしい。
進行&文 : 西澤裕郎
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V.A / kilk Records Sampler 2011 Summer
【TRACK LIST】
1. Rehearsal(Ekko) / 2. Retrospect(üka) / 3. Atlas(Tie These Hands) / 4. Bold Chain(Hydrant House Purport Rife On Sleepy) / 5. Summer(Gamine) / 6. Shower Drop(Melodique) / 7. sincerer-y(nemlino) / 8. Fading Sigh(Ferri) / 9. Goodbye(Chris Olley) / 10. egoist(studio live ver./虚弱。) / 11. Zhulong(alternative version/urbansole) / 12. Glow(Worm Is Green) / 13. life(bronbaba) / 14. The Sea , The Room(Aureole)
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2012年1月18日に、kilk recordsからデビューしたLööfからも2曲フリー・ダウンロード
Lööf / Miniature Garden
二人組の歌ものエレクトロニカ・ユニット、Lööf(レーフ)。これまではネットを通じ、主に海外より評価され続けてきた彼ら。まさしく待望のデビュー作とも言えるフル・アルバムがついに完成した。彼らを語る上でまず特筆すべきは、チヒロのヴォーカルであろう。その場の空気を変える力を持った淡く美しい歌声である。
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レーベルだけで食べていけるのか?
——今日は、お忙しい中お集りいただきありがとうございます。初対面の方もいらっしゃると思いますので、最初に自己紹介をお願いします。
森大地(以下、森) : kilk recordsの森です。絶対に世の中に出るべきだと思うアーティストをリリースしています。ビジネスライクになりすぎず、音楽のよさだけで如何にやっていけるかを目指しています。安っぽくいってしまうと、世の中を変えたいと思っているレーベルです。音楽的には、ポストロックとかエレクトロニカなど、全般的に精神的で美しいものを中心に扱っています。凶暴な音を鳴らすバンドもいますけど、そういうバンドでさえ前提にあるものはそういった面ですね。
kussy : 術ノ穴というレーベルをやっているkussyです。Fragmentというトラック・メイカー・ユニットをやっていて、その2人でレーベルをやっています。自分がいいなと思ったものの中でも、一緒にやることによって化学変化が起こるかもしれないアーティストを扱っています。最初はエレクトロニカ・ヒップホップみたいなものが中心だったんですけど、今はバンドもいるし、最近ではゆーきゃんみたいなフォークシンガーの音源も出しています。今年でちょうど8年目です。よろしくお願いします。
nik : PROGRESSIVE FOrMというレーベルをやっています、nikです。基本的にはイントゥルメンタルのエレクトロニック・ミュージックを扱っています。もともとダンスミュージックがベースになっているので、基本的にリズムがシッカリしていると思えるものしか出していません。加えて、楽曲としてちゃんとしているもの。そこはいつも気をつけています。昨年10周年を迎えて、初のレーベルコンピ『01:11』を出して、今年もマイペースにやっていこうかなと思っています。
長州ちから(以下、長州) : 十代暴動社というレーベルをやっています、長州ちからです。2006年にレーベルを始めました。『十代暴動ナイト』というイベントを収録したライヴDVDを出したら結構売れたので、レーベルって儲かるんだなと思って、自分がやっていたレシーバーズポンポンヘッドのアルバムを出したらそーこそこしか売れず、レーベルってそんなに儲からないんだなと思いました(笑)。2ヶ月の間で酸いも甘いも味わって、そこからのんびりやっています。音的には、うたものっぽいバンドもいたり、ガガキライズのようなギターとドラムの激しいインストのDUOバンドもいます。好奇心という言葉が好きなので、色んな人の好奇心の中継ぎになれたらと思って活動しています。
——見事に4者4様ですね(笑)。本日は、レーベルを運営する中で疑問に思っていることや意見などを、忌憚なく話していただきたいと思います。最初の質問は、最年少の長州さんからどうですか。
長州 : そうですね。僕はフリーターをしながらレーベルを運営しているんですけど、みなさんはレーベルだけで生計を立てていらっしゃるんですか?
nik : 僕はレーベルだけでは成り立ってないですよ。アーティストのエージェント的なことをしたり、色々な外注を受けたりしています。
森 : そうなんですか?!
nik : 何だかんだで10年間レーベルを続けてきたので、色々な繋がりが出来てお仕事を頂けているんです。ありがたいですよね。トベタ・バジュンさんの一部エージェントをして、去年8月にYMOのカバー集や、ちょうど今月発売した『坂本龍一トリビュート』を作ったりとか、そういう仕事もしています。360°とは勿論言えないけどCMやイベント制作など受け仕事や色んなことをしつつ、レーベルを回転させている感じですね。
森 : うちもちょっとした2次使用料とか、ミックスなどの制作の依頼があったりするんですけど、まだ数は少ないです。
nik : ちなみに、何ヶ月に1タイトルをリリースするかっていう目標はありますか?
森 : 月に1タイトルです。
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nik : すごいですね!
kussy : うちも、それくらいですね。
森 : 新人を中心に出しているので、イニシャル(初回出荷枚数)がそれほど多くないんですよね。それでようやく僕一人の給料がギリギリでまかなえるくらい。だから2ヶ月にいっぺんのリリースだと、なかなか回らなくて。かといって売れ線を期待して、一発に全てをかけるというのは会社経営として無責任なので、今のペースを維持しています。
nik : 本当に売り上げは大切ですよ。おっしゃる通り、コツコツ考えてやらないといけないですよね。ちなみに僕の頭の中はクリエィティビティと(レーベル運営という意味での)キャッシュフローが50%50%な感じですけど、クリエィティビティには一切の妥協をしてないです。それがキャッシュフローを生み出すとも思っていますし。
音源の適正な値段設定とは?
森 : 今はリリース数で稼いでいる部分が大きいんですけど、このやり方では5年、10年のスパンではもたないだろうなとも思っています。今日、みなさんにお聞きしたかったのは、CDの売り上げが減っている中、どのような活動をされているのかということなんです。
——そういう点で言えば、術ノ穴は5ヶ月連続1,500円シリーズという面白い試みをしていましたよね。
kussy : そうですね。あれは、リリースするほとんどが新人だったので、何かイベントを作らなきゃと思ったんですね。そこで流通会社の担当者さんと相談しながら、実験的にやってみました。ただ、企画があったから売れたのか、企画がなくても売れたのかが分からないんですよね。だから、これからも仕掛けを考えながらやらないとと思っています。ただ漠然と作って売るのではなくて、1枚でも多く売れるための努力は必要ですよね。
森 : 値段に関しては、うちも昨年、2,200円、1,980円、1,680円の3種類の値段設定をしたんです。ほとんどのタイトルは1,980円で売ったんですけど、売り上げがよかったトップ3は全部2,200円のタイトルでしたね。
kussy : つまり、値段はあまり関係ないってことですよね。一時期、安くする傾向に向かいつつあったけど、必ずしも安ければいいってわけじゃないと分かりました。100円違うだけで売り上げ総額が相当変わっちゃうから、値段づけはシビアに考えないといけないですね。
長州 : うちは昨年、ねじ梅タッシと思い出ナンセンスという、京都の板前さんバンドのシングルを200円でリリースしたんです。タワレコ新宿店、京都店、大阪のマルビルの3店舗と、オンライン限定だったんですけど、新宿店だけで200枚とってくれて、京都店でもシングル・ランキングの3位になりました。知名度が上がったし、タワレコでもそのバンドは売れるんだなって認知に繋がったと思います。今年2月1日に出す2ndは、3曲入り300円にするんですけど、夏に出すアルバムのプロモーションになればいいかなと思って。
森 : ただ、値段は関係ないと言いながらも、うちに所属している虚弱。がdiskunionとバンドの手売りで出した500円シングルは、売り上げが500枚を越えました。500円の効果かどうかわからないですけど、動きはあったみたいですね。
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kussy : 確かにワンコイン・シングルって、お金を回すことだけを考えると出しづらいけど、アルバムに向けてのきっかけ作りだったり、興味を持ってもらうきっかけになったり、すごく大事なリリース方法だと思いますよね。
長州 : 僕は500円シングルでも、買わないものは買わないと思うんですよ。だから、思い切って安さの限界に挑戦した部分はあります。
kussy : 話題作りのために値段を下げることは、僕もやったことがあるんだけど、好きな人はちゃんとアルバムで買ってくれるし、レンタルで済ませたりデータをもらっちゃう人はそれで済ませちゃうんだよね。だから最近、販売価格は応援料だと思っていて。1000人くらいの人が買ってくれるのであれば、その1000人に応援代を頂いていると思っていて。だからお金出してくれる人のことは絶対に裏切れないです。
長州 : 確かに2,000円以下だと聴き込む量が減りますよね。1,500円くらいだと曲数が多くてもミニアルバムみたいな感じがしちゃって、アルバムという感じで聴けないんですよね。だから、応援料としての金額設定も大事かなって僕も思います。ちなみに、アナログは切ってないんですか?
kussy : 最初の頃は切っていたんですけど、diskunionさんとかJET SETさんが企画をくれたら出してもらっている状態ですね。よくアナログが売れているって言いますけど、CDで買ってくれている人もまだ絶対にいますからね。ぶっちゃけていうと、配信だけになるとうちはレーベルとしてはやっていけないんじゃないかなと思います。それくらい、まだCDの売り上げがある。
nik : 日本は欧米に比べるとまだCDが強いよね。
長州 : ものとして持っておきたいって人がまだ多いみたいですね。
森 : ただ、それが何年持つかって感じですよね
——PROGRESSIVE FOrMからリリースされた『01:11』は、CD盤が透明でしたよね。モノとしての価値を高めるために、そういう製法にしたのでしょうか。
nik : 今回はそうですね。1stからそうなんですけど、うちは全部デジパックなんですよ。今回レーベルコンピを出すにあたって、全て既発曲なので、リマスタリングをしたり、人によってはちょっと作り替えたりしているんですね。それを踏まえて、最初は2,000円という価格提案をしたんです。それを見た流通会社の担当者さんから、これだと厳しいかもって話があって、話し合った結果1,575円税込みにしてリリースしました。それに加えて、手に取ってもらうために、透明のシースルー・ディスクにしたりして、色々こってみたんです。
どういうメディアで勝負するのか?
森 : ちなみに、長州さんはこの先もフリーターをしながらレーベルを続けていくんですか?
長州 : 最近はいろいろ考えていて、DUMーDUMっていうチームに所属して、ギターウルフのアシスタントをしたり、メジャーっぽい仕事をしたりもしています。僕はもともと、アングラなものが好きだったんですけど、友だちにモーモールルギャバンっていうバンドがいて、2年前に彼らが出演したROCK IN JAPAN FES.に行ったんです。どうせ商業フェスなんだろと思っていたら結構楽しくて、若いバンドたちが「俺たちが存在感を見せてやるぜ」「セルアウトしてやるぜ」って突っ走っているのがかっこよかった。こういうイベントでやるのも、かっこいいじゃんって思えるようになってきたんですよね。今まではお金を儲けることよりも友だちが1人増えるほうが楽しかったんですけど、これからはちょっとずつセル・アウトしたいなと(笑)。
kussy : 大きいイベントを打ったりすることも考えているんですか?
長州 : うーん。DVDに収録したライヴをした時は、関西ゼロ世代のバンドが盛り上がっていたので、好きなバンドを呼ぶだけで集客があったんですよ。それと、当時は自分もバンドをやっていて比較的お客さんが入ったので、他のバンドも呼びやすかったっていうのもあります。今はバンドをやっていないので、自分の集客がなくなっちゃったから難しいですね。あと、自分がいいだけじゃなくて、多くのお客さんにいいと思ってもらえるイベントに出来たほうがいいと思って。どういうイベントをしていくかは計画中です。
森 : お話を聞いていると、レーベル業務というよりもイベントを中心にやっている感じなんですね。
長州 : そうですね。イベントの延長にレーベルがある感じですね。僕はライヴがいいバンドしかリリースしたくないと思っているんです。あと、アナログを出したいんですよね。アメリカだとアナログの売り上げがうなぎ上りって話があるじゃないですか。
nik : アメリカもヨーロッパも、CDの売り上げは落ちているけど、デジタル配信とアナログの売り上げは好調みたいですからね。日本はどうしてもCDが中心という特異な状況でやっているからね。
森 : とはいえ、10年後にCDのイニシャルが100って可能性もあるじゃないですか。
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nik : 今でもざらにありますよ。
森 : それが当たり前になった時、nikさんはCD以外のどういうメディアで勝負していこうと思ってらっしゃいますか?
nik : それは時代の流れによっても変わるし、約束されたものではないから分からないですね。言えるのは、サバイバルですよ。
kussy : 何でもそうですよね。サバイブしていくしかないですよ。
nik : それと、メディアの問題以上に心配なのは、今の10代と20代前半のCD購買率が低くなっているってことですよね。例えば、今20歳の子が10年後に30歳になるわけじゃないですか。その頃どうなっているかは恐いですね。音楽自体はなくならないと思うんですけど、どうやってキャッシュフローをマネージしていくか? を見定めるのは難しいですね。
森 : 確かにそうですよね。すごく人並みな意見をいうと、ライヴの興行で収益をあげるのが現実的なのかなと。ライヴでCDを買ってもらって、それを聴いてまたライヴに来てもらうというサイクルを作る。
長州 : ただ、それだけだと若いアーティストの尖った音が売れないんじゃないかって心配もありますよ。
森 : そこは、うちも新人が多いから、育てていかないとと思っています。そう考えると、このままレコード会社的に続けるのがいいのか、音楽事務所的にシフト・チェンジしていくべきかっていう葛藤もありますよね。10年先までCDだけでやっていくのは無理だと思っているので、CD以外のどこで収益をあげていくかは模索しています。
困難な時代をサバイブしていく楽しみとは?
nik : わりと強いのは、柱になるアーティストがいるレーベルですよね。こういう言い方もあれですけど、ワンマンでライヴを回せるような1本立ちしたアーティストがいると強いと思いますよ。カクバリズムさんとかは、そういうアーティストが多いから強いですよね。
森 : そうですね。それはPROGRESSIVE FOrMも同じですよね。
nik : いや、うちは全然そうじゃないですよ。今は新人が多いので、これから延ばしていかないとと思って手掛けています。
kussy : やっぱり、丁寧に育てていくって感覚は必要ですよね。
森 : うちもまだワンマンで回せる看板アーティストはいなくて、今育てている時期ですね。自転車操業的でギリギリでやっていますけど、今リリースしているアーティスト達をちゃんと育てて、これからも音源を出していってあげたいと思っています。今は育てるのに必死な状態ですね。
kussy : まだ2年目だしね。それに自分のライヴ多いし大変だよね。
森 : それは、kussy君もFragmentをやっているので一緒だよ。術ノ穴は、レーベルの売り上げだけで回せているの?
kussy : ぶっちゃけ、レーベルだけで回せてるかっていうと回せていないです。ただ、Fragmentとしてのリリースや、他のアーティストのプロデュース、リミックス、地方のライヴなどで、いくらかお金を得られているので、そのお金をレーベルに費やしています。別にそれがイヤだとも思っていないし、自転車操業だとも思うけど、言う程不安もないんですよね。もちろん緊張感もあるけど、やっていけるっていう変な自信もあって。僕らはヒットを生むっていうよりも、続けていくぞみたいなところが今は一番。運営が厳しかったら、バイトをすればいいと思うし。そうやってでもレーベルに投資出来ると思っているから、時代の変わり目が恐くもあり、楽しみでもあるんですよね。自分でも折れない自信はあります。
森 : 確かに、今はチャンスでもあるよね。
kussy : 今はYouTubeみたいなメディアもあるし、新しいものは色々使えばいいと思うんですよ。
nik : 確かに、YouTubeはすごい有効的ですよね。
森 : うちは、この時代じゃないと出て来れなかったレーベルだと思っているので、恩恵を受けてますし、その通りですね。
kussy : 要するに行動力があるかどうかが問題だと思います。やろうと思えばいくらでも動けるし、その出来がよければ話題にもなる。動き回っている人たちは目立ってきているわけだから、僕たちも色々やっていかないといけないですよね。
——今まで話に上がっていたように、数年後は何がどうなっているのか予測もつきません。そんな中でも、10年先など長いスパンを見ながら運営してらっしゃるのでしょうか。
nik : すでに、20周年をやろうと思っていますよ。
長州 : 僕も続けていきたいですね。といいながら、10年後がどうなっているかまったく想像出来ないですけど。
kussy : 想像出来ないから、すごく楽しみなんですよ。僕も多分続けていると思います。本当に売れていなかったら分からないけど、そこをサバイブする楽しみがある。CDは売れなくなるかもしれないけど、ライヴに来る人がすごく増えているかもしれないし、秋葉原みたいにおもしろいことが起こったり、想像もつかないことがどんどん起こっているかもしれないし。
nik : 今は世界的に経済が最悪だけど、これから大きな変化があるかもしれないですしね。
kussy : そうですね。僕らは浮き沈みが常にある世界に身を投じてしまったんだから、そこを楽しんでいかないともったいないですよね。音楽が人に伝わるツールがフリー・ダウンロードだろうが何だろうが、最終的には音が勝負なんだから、やることは変わらないですよ。それが、いずれ何らかの形でお金になればと思ってやっていくしかないですよね。
森 : うちも音源を頻繁に出しているけど、妥協で出しているわけではないし、音を第一にして作っているから、そこは曲げないでやっていきたいですね。
kussy : 根本的なことだけど、リリースやイベントなどのサイクルが途絶えちゃうときついですよね。
nik : そうですね。それは絶対にそう思います。
kussy : だから、コンスタントなペースを続けていくのが大切なのかなって。
長州 : 続けることが宣伝になったりしますからね。名前をよく聞くことでブランドになったりすることは往々にしてありますし。
nik : 継続して、具体的に行動しつつものを作っていけば、必然的にやることも増えてくるので、宣伝する機会も増えるじゃないですか。それをベースにして、続けるしかないですよ。当たり前な事はきちんと押さえつつ、その中でどう新しいものを組み入れていくか? も大切だと思います。
——話は尽きませんが、この辺りで一旦しめましょうか。10年後、本日のメンバーで座談会が出来ることを願っています。では最後に、みなさんの今後の予定を一言ずつお願いします。
長州 : 2月1日に、京都の板前さんがやっている、ねじ梅タッシと思い出ナンセンスの2ndシングル『とてもじゃないよ』を300円で全国発売します。夏にはアルバムも発売予定ですので、よろしくお願いします!
kussy : 僕らは2月にFragment初のインスト・アルバム『narrow cosmos 104』を出します。しばらく休んでいた主催イベントも今年は精力的にやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします!
nik : うちは『01:11』が引き続き絶賛発売中なのでよろしくお願いします。今年は3月以降の奇数月に新譜のアーティスト・アルバムを出して行くのでご期待ください。あと、2009年から『De La FANTASIA』ってイベントをやっていて、2012年は2月4日にSTUDIOCOASTでやります。細野晴臣さん、ハイ・ラマズ、キリンジ、星野源さん、ジム・オルークBAND、テニスコーツ、青葉市子さんなど見所たくさんなので、ぜひ遊びに来て下さい!
森 : Kilk recordsは、1月18日にLööfのアルバム『Miniature Garden』がリリースされましたので、よろしくお願いします! あと、1月から4月まで、うちのバンドたちが怒濤のライヴをするので、ぜひ遊びに来てほしいです。今日話したことを踏まえて、レーベルを存続させながらも、未来の音楽を変えてきたいと思っています。今日は皆さんありがとうございました!
PROFILE
kilk records
2010年、Aureoleの森大地により設立。「精神に溶け込む、人生を変えてしまうほどの音楽との出会い」。kilk recordsはそういった体験を皆様にお届けすることを第一に考えております。オルタナティブ・ロック、ポスト・ロック、エレクトロニカ、テクノ、サイケデリック、プログレッシブ、フォーク、アヴァンギャルド、アンビエント、ヒップ・ホップ、ブレイクコア、インダストリアル、ジャズ、クラシカル、民族音楽... 。魂を震わせるような音楽であれば、ジャンルは一切問いません。kilk recordsが最もこだわりたい点は「独創性」です。ヨハン・セバスチャン・バッハ、マイルス・デイビス、ザ・ビートルズ、レディオヘッド、エイフェックス・ツイン... 。信じられないほどの感動や興奮は「独創性」から生まれるように思えます。これから多数の作品をリリースしていきます。末永くkilk recordsにお付き合いくだされば幸いです。
PROGRESSIVE FOrM
2001年に設立以来、日本における様々な、新しいエレクトロニック・サウンドをサポートし、海外との繋がりを絶えまなく継続、推進し続け、いまや日本を代表するインディペンデント・レコード・レーベル。
十代暴動社(長州ちから)
2002年大学進学の為に上京と同時に十代暴動社として活動をスタート。ライヴ・イベント十代暴動ナイト、スタジオ・ライヴ東京にもあったんだ!、DJイベントありがとう! おともだち。など多数のパーティーをオーガナイズ。2006年よりレーベル活動を開始! 最初のリリースとなった十代暴動ナイトDVDはインディースとしては凄い好セールスを記録。2010年にはアメリカの白人ラッパーJUICEBOXXXくんを招集! また2004年から2009年まで、バンドレシーバーズポンポンヘッドでダンスを担当! 現在はゴールデン街BARかんがるーの月曜、土曜の店長を勤めるかたわら、ギターウルフのローディー担当、ローディーウルフとしても活動している。
術ノ穴
プロデューサー・グループFragmentが主宰する音楽レーベル「術ノ穴」。これまでに環ROY×Fragment、キリコ、DOTAMA、Geskia!等リリース。ジャンルにこだわらず良質な音楽をリリースするレーベル。