【連載】Episode51 MiKiNA EMPiRE「EMPiREの曲を聴いてる時だけは、自分をダメだと思わないでいてほしい」
WACKとavexの共同プロジェクト、EMPiRE。2020年10月には約9ヶ月ぶりとなる単独有観客ツアー〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 4-〉を愛知、大阪で、11月1日(日)には札幌hitaru〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 5-〉を、11月23日(月祝)には福岡にて〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 1-〉開催。12月5日(土)には仙台サンプラザ、そして2021年1月4日には〈EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE〉を東京国際フォーラムホールAで開催することを発表。コロナ禍でも前進し続けるEMPiREに、2020年3回目の個別インタヴューを敢行。第5回はMiKiNA EMPiREの声をお届けする。
7曲入りのEP『SUPER COOL EP』をハイレゾ配信
INTERVIEW : MiKiNA EMPiRE
リスナーとしても音楽を愛してやまない、MiKiNA EMPiRE。コロナ禍中には、それまで聴かなかったジャンルの音楽も聴くようになった彼女は、約9ヶ月ぶりに行った有観客ライヴを経て、改めて音楽に対する愛情や想いを実感したという。そうした想いや、EMPiREとして伝えたいことなど、じっくりと話を訊いた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 外林健太
等身大の自分たちでいいんだなと思えてきた
──前回のインタビューで、これまで聴かなかったジャンルの音楽も聴くようになったと話してくれましたけど、変わらずいろいろな音楽を聴いていますか?
MiKiNA EMPiRE (以下、MiKiNA) : はい! 引き続き、プレイリスト作りもやっていて。今日聴いている曲なんかも、Twitterに載せたりしていますね。
──エレクトロニカやハウスミュージックも聴くようになったそうですが、そこから趣味嗜好に変化はありますか?
MiKiNA : 前回お話したジャンルもそうですし、ヒップホップダンスで使うような曲も聴いたりしています。SNSでエージェント(※EMPiREファンの総称)から訊いたおすすめの曲をプレイリストに入れて聴いたりもしますし、好きな音楽が沢山増えてうれしいです。
──10月17日には、約9ヶ月ぶりとなる単独有観客ツアー〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 4-〉の初日公演を愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホールで開催しました。待望の有観客ライヴ、どんな1日になりましたか?
MiKiNA : 無観客でのライヴとは全然違って、普段どれだけお客さんの熱とかを自分の中に取り込んでライヴをしているかが分かりました。コロナ禍で日々の生活で感情の揺らぎが少なくなっていたというか。うれしいとか悔しいとかの感情も、お客さんありきだから生まれるもので、そういうのが全部なくなっちゃっていたから、自分にとってライヴは欠かせないものなんだなと改めて思いました。
──お客さんが目の前にいてパフォーマンスすることが、コミュニケーションになっているんですね。
MiKiNA : みんなマスクをしているから表情も分からないけど、伝わるものが確実にあって。私たちがエージェントに会えてうれしいのはもちろんなんですけど、みんなも待っていてくれたんだなってことが空気で伝わりました。
──半年近いブランクがあったわけで、初めてステージ立つような感覚というか緊張感のようなものはありませんでしたか?
MiKiNA :ライヴに対して、感覚が落ちちゃっているんじゃないかという怖さはありました。あと、だいぶ期間が空いていたのに、変化できてない姿を見せるのはエージェントに対して失礼だと思って。それがちょっとプレッシャーになっていたんですけど、このツアーは期間が空いたからこそ楽しむことを1番に考えていかないとと思って、自分たちが楽しまないとお客さんに楽しさが伝わらないんじゃないかという考えになったんですよ。メンバー内で話して、等身大の自分たちでいいんだなと最近は思えてきた。EMPiREのイメージはスタイリッシュだなと思っていたし、かっこよくならなきゃという気持ちにとらわれすぎちゃっている部分もあったから、このツアーからは変えようと思って。なので、緊張というよりは、会えるんだなって気持ちのほうが大きかったですね。
もっとEMPiREを頼ってほしい
──今回のツアーは実際、楽しめていますか?
MiKiNA :ライヴをやっていて、空気がガラッと変わっているのは感じます。メンバーも力が抜けてできているんだなっていうのは感じているなって。いい感じに肩の力が抜けているなと思います。
──実際、自分たちが楽しんでいる時の方がしっくりくる感じがある?
MiKiNA : ありますね。EMPiREは明るい人が多いと思うんですよ。そういう面を見せて、いい意味で緩めていった方が、抑えていた感情とか制御していた部分も出せる気がする。その分ライヴもいいものになっているとは思うし、終わった後の感触がすごくいいですね。
──久しぶりの有観客ワンマンの1曲目を「MAD LOVE」で始めることに関してはどうでしたか。
MiKiNA : 一見かわいい女の子の曲だと思うんですけど、ある意味エージェントに対する気持ちを1番伝えている曲だと思っていて。コロナ禍で抑えていた感情がある中で、1曲目にエージェントへの気持ちを出せるのはすごくうれしいし、1番私たちの気持ちが伝わるんじゃないかなと思っていました。なので最初にこの曲を歌えてよかったです。私は、嬉しすぎてステージに出た瞬間に泣いちゃって(笑)。初期の頃は「MAD LOVE」もこういうふうにならなかったと思うんですよ。本当にコツコツ、みんなと一緒にこの曲を育ててきたからこその感情なんだなと思うんです。
──ステージで出てきた涙には、どんな感情が一番こもっていたんでしょう?
MiKiNA : やっと会えて嬉しい、という気持ちでしたね。ライヴが始まる前も会えることを考えてずっと泣きそうで。なんなら前日の電車でも泣いていて(笑)。会えて本当に嬉しかった。いるって分かっていても、実際見てみないと実感が湧かなくて。…… 本当にエージェントのみんなが目の前にいました!
──嬉しいという感情以外も、ライヴを始めたことによって解放された感じはありますか?
MiKiNA : ありますね。ライヴをすると、自分に求めるものがコロコロ変わってくるんです。そういうところでそういう感情が生まれるってことはありますね。
──MiKiNAさんは、なにかに対して怒る時とかはあるんですか?
MiKiNA : 人に対してはあまり怒らないけど、自分に対してはよく怒るというか、責めるというか。たぶんそれは悔しいっていう感情が大きいんだと思います。女川でBiSHとサンボマスターさんのライヴを観たときも悔しくて。BiSHもお客さんがいるなかで空気が違うライヴを見せて、それが格好よくてすごい悔しいって思ったし。自分は見え方ばかり気にしちゃっていたかなとか、もっとできたじゃんみたいに自分に対して思ったりします。
──MiKiNAさんは、EMPiREのライヴで、どんなことを伝えたいと思ってステージに立っていますか。
MiKiNA : 私は、強く生きてほしいとか熱い感じのことを伝えるというよりも、もっとEMPiREを頼ってほしいなと思っていて。日々の生活で、誰でも嫌なこととかあるじゃないですか? 自分はダメだなと思ってしまったり、気持ちがめちゃくちゃ沈む時もあると思うんですけど、そういうときにEMPiREが支えになるグループでいたい。EMPiREの曲を聴いている時だけは、自分をダメだと思わないでいてほしい。私自身がすごく音楽に助けられている人で、音楽を聴いたりライヴを観ているときは全部忘れられるんですよ。だから、そういう存在になれたらいいなと思いますね。
(突然涙がこぼれる)
──どうしたんですか?
MiKiNA : 分からないんですけど、考えている時にこうなります……(泣笑)。考え出すと、ところ構わず涙が出てくるんです。特に音楽を聴きながら考えていると。それだけ、心を解放できるんですよ。音楽の前では自分の好きなようにいられるから。ちゃんとしなくていいというか、力抜いていられるから。エージェントにとってもそうなりたいですね。
音楽があると生き返る
──2021年1月4日に、東京・国際フォーラムでのワンマンが発表されました。国際フォーラムに立つことに対しては、どんな心境ですか。
MiKiNA : 最近まで全然実感が湧いていなくて。フォーラムって、武道館常連のようなアーティストが立つような場所じゃないですか。メンバーとエージェントでコツコツ1つ1つライヴをやってきてフォーラムに立てるんだなと考えると、すごくうれしい。小学生みたいな感じになりますけど(笑)、本当にすごくすごくうれしい。積み上げがなきゃ絶対に立てないから、その積み上げが証明されたようで。フォーラムに立っているところをエージェントに見てもらえるのがうれしいです。
──しかも、年明け1発目、東京ワンマンは1年振りになります。
MiKiNA : 前回のワンマンから今回のワンマンまでの期間に好きになってくれた人もありがたいことにいっぱいいて。そういう人たちに会えるのも、やっぱりうれしいですし、とにかく楽しみという気持ちが一番大きいですね。
──以前は、絶対に成功させるんだという気持ちがプレッシャーになることもありましたけど、ポジティブに捉えられるようになったんですね。
MiKiNA : そうですね。変わっているんだな、きっと。今までの私でインタビューを受けていたら、いいものを見せないと恩返しできないから…… とか言いそうだと思うんですけど、そういうのはあまりないかもしれない。純粋に楽しみなのとうれしい。もちろんプレッシャーはありますけど。
──いい意味で自然体になれたのかもしれないですね。
MiKiNA : それは、このツアーからですね。今までと感覚が全然違うんです。肩の力が分かりやすく抜けていて、それがパフォーマンスにも出ている。自分でも、今までなにを背負っていたんだって思うくらいです。
──EMPiREに加入してから止まることなく走り続けてきたので、いろいろ落ち着いて考えることができたのはよかったのかもしれないですね。
MiKiNA :ありがたいことに忙しかったから立ち止まることはなかったので。そう考えるとコロナによって考えていたこの時期は無駄じゃないと思います。この期間が一切いらなかったと言ったら、そんなことはないと思います。
──今回の個別インタビューでは、1人1人のやりたいことがちょっとずつ明確になってきたのかなと思うんですけど、MiKiNAさん的にはどうですか? 前は写真撮られることなどに興味を持っていましたが、自分の欲みたいな部分って。
MiKiNA : 最近は、本当にライヴのことしか考えてなくて。
──逆に言うと、ほんとに音楽が大事なんですね。
MiKiNA : 本当にないとダメですね。音楽があると生き返る。それに音楽があれば大丈夫な気がする。いろいろな仕事の幅を広げて多方面で活躍してグループの知名度を上げたいとか、そういう野望はありますけど、やっぱりライヴができて、そこでいいものを見せたい。それが1番かなと思います。なので、フォーラムに絶対来てほしいです! 絶対に違う顔が見られると思うんですよ。
──EMPiREの新しい顔?
MiKiNA : このツアーで雰囲気がガラッと変わってきたので、その集大成というか。ツアーを経てのパフォーマンスを期待していてほしいです。私たちもそのために、これまで以上に準備をしなきゃなって思っているので。
──今までのライヴとは違うものも見れそうなワンマンなんですね。
MiKiNA : きっと見せることができると思うんですよね。広い空間ですけど、直接歌や気持ちを届けられたらなと思うので、ぜひ来てほしいです!
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