【連載】Episode56 MAHO EMPiRE「エージェントがいて、EMPiREがいて、そこにライヴの空間がある」
WACKとavexの共同プロジェクト、EMPiRE。2021年1月4日には〈EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE〉を東京国際フォーラムホールAで開催、持ち曲全37曲に加え、新曲「ERROR」、始まりの曲「アカルイミライ」を2回、全39曲をノンストップで披露した。2021年4月からは全国7ヶ所12公演を回る全国ツアー〈EMPiRE ULTRA ViBES TOUR〉を開催。チケットは全公演完売。5月12日には初の両A面シングル『HON-NO / IZA!!』をリリースするEMPiREに、2021年初の個別インタヴューを敢行。第3回は、MAHO EMPiREの声をお届けする。
サプライズ披露されたMAHO作詞新曲「ERROR」をハイレゾ配信
INTERVIEW : MAHO EMPiRE
EMPiREに加入して、4年目のシーズンに突入したMAHO EMPiRE。グループの中心をになう歌声と、その実直さでグループになくてはならない存在となった彼女は、表情がとても柔らかくなり、いい意味で力が抜けた状況で活動できているようだ。そんなMAHOが2021年どのような想いで活動しているのか話を訊いた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 外林健太
この曲を踊ったらめちゃくちゃかっこよくなれる
──柏木由紀さんがWACKの全グループに加入することが、先日発表されました。もちろんEMPiREにも加入するわけですが、率直にどう思いましたか?
MAHO : すごい時代が来たなと(笑)。
──もともとAKB48の音楽は聴いていたんですか?
MAHO : 学生のときに聴いていました。私たちの世代でアイドルと言えば、最初に名前が出てくるのはAKBさんで。柏木さん加入のニュースが出たあと、普段、私の活動に関してそんなに興味を示さない友達からも「あれ? これMAHOのグループじゃない?」って連絡が来て。すごい影響力だなって思いました。
──柏木さんと顔合わせしてみた印象はいかがですか。
MAHO : すごく堂々とされているというか、やさしく接してくれて。ずっとアイドルを続けられてきている方はすごいなと思いました。
──3月21日からは1週間にわたりWACK合宿オーディションが開催されました。EMPiREからはYU-Kiさんが参加しましたが、どうご覧になられましたか。
MAHO : YU-Kiちゃんらしさが全部出たなと思いました。いいところも出たし、苦手な部分も、いい意味で全部出ていた。さすがYU-Kiちゃん! と明るいところもありつつ、ちょっとハラハラするときもあって。本当にYU-Kiちゃんそのままでした(笑)。合宿は本人が行動する場ではあるんですけど、YU-Kiちゃんはさみしがり屋なので、観ているよってことを伝えつつメンバーで見守って応援していました。
──今年は候補生の課題曲として「Have it my way」が選ばれていました。EMPiREの中でもダンスをメインにした難しい曲ですが、思った以上に踊れている候補生たちが多かったことに関しては、どういうふうに思いましたか?
MAHO : この曲は振付師の先生に振りをつけてもらって、私たちも時間かけて踊れるようになった曲なんです。だから、できなくても自由に踊って楽しいし、楽しませるという意識を持って臨んでほしいねってYU-Kiちゃんと話していたんです。合宿が始まったみたら、みんな踊れている! みたいな感じで。メンバーでニコ生を観ていたんですけど、予想外というか、びっくりしちゃいました。
──とはいえ、候補生が踊っているのと、実際EMPiREがパフォーマンスしているのでは、大きな差があるのもわかりました。「Have it my way」はバキバキのダンスチューンですが、どういう気持ちで踊っているんでしょう?
MAHO : 私たちも最初、こういう曲を踊ったことがなかったんです。そんな私たちでも、この曲を踊ったらめちゃくちゃかっこよくなれるんだぞという自信を強く持つようになってから、どんどん進化していっている気がしています。この曲を思い切りやっている姿を観て、格好いいなと思ってくれたり、元気になってくれる人がいたらいいなという気持ちでパフォーマンスしています。
ライヴが当たり前にできなくなったからこそ、大事な曲を大事な場面でやりたい
──2021年は、東京国際フォーラムホールAでのワンマンライヴでスタートしました。のっけからスタートダッシュを切った感覚はあるんじゃないですか?
MAHO : すごくあります。ライヴの翌日にインタビューしていただいたじゃないですか? あのときの空気感が、メンバーをこれまで以上に信頼できるきっかけになったというか。限界突破ライヴをやってよかったという想いがみんなから出ていて。気持ち的な面でメンバーとさらに強く繋がった感じがしてよかったです。
──2021年1月16日より全国7都市でWACK所属アーティストが出演する全国ツアー〈WACK TOUR2021 "TO BE CONTiNUED WACK TOUR"〉が開催されました。振り返ってみてどんなツアーになりましたか。
MAHO : WACKで、たくさんのグループが生まれているからこそ、それぞれのグループがそれぞれの強みを一生懸命出すことで、おもしろくなるツアーだと思っていて。EMPiREはEMPiREの楽しさを各土地で楽しんでもらえるようにと思って臨みました。
──仙台公演を拝見しましたが、2階席後方まで埋まっていて、振りも一緒にやっている人も多かったなと思いました。EMPiREがちゃんと各地に伝わっている手応えはあったんじゃないですか。
MAHO : はい。WACKツアーも毎年恒例になって今回で3回目なんですけど、伝わっているんだなと感じました。手を挙げてくれる人だけじゃなくても興味を持ってくれている感じが伝わってくるので、うれしいです。
──3月18日の東京・Zepp Tokyoのツアーファイナルは、EMPiREが大トリを任されました。気合いとかプレッシャーとかはありましたか?
MAHO : そこはみんなでちゃんと意思を固めていました。大トリをさせてもらうことに意味はあるし、成功させようねって。ただ、そこの気持ちはちゃんと持たなきゃいけないけど、そればかりに頭が行ってしまって、自分たちのよさを出せないのは結果としてよくないから、今私たちがやっているEMPiREを思い切り自信を持って出そうって。WACKツアーの大トリとしての締めがきちんとできるってことを話して。自信を持ってやろうと話して挑みました。
──セットリストはメンバーで考えたそうですね。
MAHO : WACKツアーの途中で「セットリスト考えてみて」って話があって。他のグループのライヴを観ながら、自分たちのグループのよさや強みを再確認しつつ、最後にEMPiREを見せられるセットリストをみんなで話して決めました。
──EMPiREも曲数が増えて、バリエーションや幅があるので、いろいろな攻め方ができたと思います。どうやって選んだ7曲だったんでしょう。
MAHO : 見せたい部分がたくさんあるんですけど、必ず入れたい曲や見せたい曲はみんな一致していて。残りの数曲で、どのEMPiREを見せたいかという部分を話しました。結果的に、みんなが納得する形で、いいセットリストで挑めたと思います。
──選抜7曲に「ピアス」が入っているのが印象的でした。
MAHO : やっぱり「ピアス」はEMPiREにとって大事な曲。ライヴが当たり前にできなくなった今だからこそ、大事な曲を大事な場面ではやりたい、伝えたいよねっていう話になって入れたんです。
──実際、ライヴの手応えはどうでしたか?
MAHO : ライヴ後に、みんなでよかったと話しました。限界突破ライヴをしてから、マインド面でも、いい空気、いい形でライヴができるようになっていて。今までは、自分の調子だったりパフォーマンスの調子だったり、いろいろなことで、楽しかったけどもっといけた! みたいなこともあったんです。ツアーファイナルは空気もすごくよかったし、悪い緊張もなかった。終わったあと、いい空気でした。
きれいなお姉さんたちが一緒に盛り上げる演出は〈EGP〉しかできない
──3月19日には、東京・USEN STUDIO COASTでフリーイベント〈EMPiRE'S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-〉(以下、〈EGP〉)が開催されました。クラブでパーティすることをコンセプトとした自主企画で、音響やレーザーといった照明、VJ含めて、かなり豪華な一夜でしたね。
MAHO : 〈EGP〉は本当にお祭りというか、めちゃくちゃやったパーティーでした。やってみたいことや、やれることをたくさん詰めてみましたという感じで。私たち自身もすごく楽しみにしていたし、やっている最中もすごくテンション上がりました。エージェント(※EMPiREファンの総称)が盛り上がっているのも感じたし、それがすごく楽しかったです。メドレーもやってみたかったし、新しくて楽しかったです。
──「Buttocks beat! beat!」や「SO i YA」「EMPiRE is COMiNG」などを織り交ぜたメドレーは、ジェットコースターのように曲が入れ替わっていって新鮮でした。
MAHO : エージェントは、頭が追いついてないけど体が踊っているみたいな感じがして。それがすごくおもしろかったです(笑)。
──パフォーマンスする側としては、曲が細切れに変わっていくことに対して戸惑いはなかったですか。
MAHO : 最初はすごく戸惑ったんですけど、何回かやっていくうちに、そっちのテンションに慣れたので大丈夫でした。ただ、初見で見る人たちは混乱するだろうなって思いました(笑)。
──ポーター・ロビンソン「Something Comforting」のダンスカバーもしたり、いつもと違う演出もありましたね。
MAHO : NOWが振りをつけてくれたんですけど、それぞれの見せ場も作ってくれて。体と表情だけでの曲の雰囲気を伝えることに挑戦できたいい機会になりました。
──CYBERJAPAN DANCERSが出てきて一緒にパフォーマンスしたシーンもすごかったです。EMPiREの6人と並んでいる姿はかなりインパクトがありました。
MAHO : あれは本当におもしろかったです(笑)。きれいなお姉さんたちが一緒に盛り上げてくれている演出は〈EGP〉でしかできないし、あの日限りだったから、すごく嬉しかったしおもしろかった。
2曲とも意味は近いけど寄り添い方が違う
──〈EGP〉のアンコールでは、新曲「HON-NO」を初披露しました。渡辺(淳之介/WACK代表)さんが作詞をしていますが、どんな気持ちで捉えていますか?
MAHO : 歌詞に「今」って言葉が何度か出てくるように、今を突き動かされる曲だと思っていて。この一瞬を大事にしなきゃいけない今の状況とすごくハマるというか。強いサウンドなので、戦闘能力を上げてくれるようだし、歌っていて自分を強くしてくれる曲だと思っています。
──限界突破ライヴで披露した「ERROR」の歌詞はMAHOさんが書いていますが、WACKのグループで歌い継がれてきた「行かなくちゃ」というワードが使用されています。コロナがあって動けないところから、次に向かっていく意識を感じますが、そうやって前に進んでいく意識が自然と湧き上がってくるんでしょうか。
MAHO : はい。最近はすごくそういう気持ちでいます。行けるものならどんどん行こうみたいな。
──こうやって話していて思うんですけど、MAHOさんは表情がすごく柔らかくなりましたよね。なにか変化するきっかけがあったんでしょうか。
MAHO : 2021年、ライヴもそうですし、メンバーのみんなの距離がより深くなった気がしていて。それで自信がつきました。グループとして強くなったことが自分の自信になって助けられていますね。
──驚くくらい穏やかな表情をしていますよね。
MAHO : 難しいことは言わずに自然体でしゃべろうと思って(笑)。そういう気持ちです、最近は。
──カップリングの「IZA!!」はSeihoさんがプロデュースしています。初めての外部プロデューサーとなりますが、Seihoさんの印象はどうでしたか?
MAHO : やさしくて、おもしろい方でした。松隈(ケンタ)さんやSCRAMBLESの方以外とレコーディングするのは初めてで。初めてのことができることはうれしいと思いつつ、私は結構緊張しちゃうタイプなので、レコーディングで声が震えるんですよ。大丈夫かな…… と思っていたんですけど、Seihoさんがすごく近い距離で接してくださって。いつも松隈さんのレコーディングでは、指示を出してくれる後ろでメンバーがガヤを言っている声がすごく聴こえて緊張が解けたりするんです。Seihoさんのときも変わらずメンバーがそれをやってくれていて。それもあって自分らしく歌えました。Seihoさんもノッてくれて「そこのパート狙っているって聞いたけど?」とか、フランクに接してくださったので楽しくできました。
──毎回ガヤが入るっておもしろいですね(笑)。
MAHO : そうなんですよ。「そこだけ違う歌い方しているぞ!」とかYU-Kiちゃんの声が聴こえてくるんですよ(笑)。「狙ってるのバレバレだぞ」とか(笑)。
──あははは。でも、それでリラックスできるんですね。
MAHO : リラックスできるんです。私も言い返したりして、楽しくできました。
──Seihoさんから言われたことで印象に残っていることはありますか?
MAHO : 「そんなに力まなくていいよ」とか「もっと軽い感じで歌っていいよ」って言ってもらうことが多かったのと「リズム、ここもっとハマるといいねー」って言われて。私はリズムが苦手だから、もっと頑張ろうって思いました。そういう気づきはたくさんありました。
──「IZA!!」の作詞も渡辺さんがされています。歌詞はどんなことを思いますか?
MAHO : 私、めっちゃ「IZA!!」好きなんです。ちょっと軽い感じなんですけど、前向きというか。その感じがすごい今の自分の気持ちとリンクしている。サウンドもそうですけど、そんなに気負わず聴ける前向きな歌で、いいんですよね。〈キラキラ見えてくるよ〉って部分がいいなって。「HON-NO」も行くしかないんだって前に進んていく歌だし、「IZA!!」もそういう曲。2曲とも意味としては近いんですけど、寄り添い方が違う。その2曲を一緒に出せるので、いろいろな気持ちの持ちようのときに聴いてほしいなと思います。
──現在、全国ツアー〈EMPiRE ULTRA ViBES TOUR〉がスタートしました。現在3箇所を巡っている状況ですが、手応えはいかがでしょう?
MAHO : すごくいいツアーができているなと思って回っています。今まで以上に、難しく堅くなりすぎず、みんなでライヴに向き合えている。ライヴ後にメンバーと、率直に思った感想を交換しているんです。あとエージェントがめっちゃ踊ってくれるんですよ。それにもすごく助けられています。エージェントのテンションと、メンバーのテンションが上がっていく感じもめっちゃおもしろくて。すごく楽しいツアーですね。
──タイトル通り、いいバイヴスが出ているんですね。
MAHO : 「Have it my way」も、その日その日で違うバイヴスが出ていて。まさにライヴ感があって、私はすごく好きなんです。
──いい感じで今進んできているわけですけど、どんなツアーにしたいですか?
MAHO : エージェントがいて、EMPiREがいて、そこにライヴの空間がある。そこに対する自信と確信をもっと強くしたいです。このツアーは、メンバーが楽しんでいることで、エージェントも楽しんでくれているなと思う瞬間があって。そういう実感を全員が持ち続けたらすごく自信になると思うし、この先のEMPiREの形になっていくと思っています。そこの妥協はせず、みんなでどんどんよくしていけるツアーにしたいです。
7曲入りのEP『SUPER COOL EP』をハイレゾ配信
前回の記事はこちら
LIVE INFORMATION
EMPiRE ULTRA ViBES TOUR
2021年4月4日(日)@福岡 Zepp Fukuoka
2021年4月7日(水)@東京 Zepp Tokyo
2021年4月11日(日)@宮城 仙台GIGS
2021年4月17日(土)@北海道 Zepp Sapporo
2021年4月23日(金)@大阪 Zepp Osaka Bayside
2021年4月25日(日)@愛知 Zepp Nagoya
2021年4月30日(金)@神奈川 KT Zepp Yokohama
2021年5月12日(水)@東京 Zepp Tokyo
PROFILE
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