
stimの新作音源が到着!
日本のインディー / メジャー、ロック / ジャズ・シーンを牽引するバンドのメンバーを擁するstim(スティム)が、初の全国流通盤『NOON AFTER NIGHT』をリリース! トラック・メイカーにしてドラマーのTaichi(Orquesta Nudge! Nudge! / NiceBrew / ex. group)率いるstim。OTOTOYでは新作を24bit/48kHzの高音質WAV音源で配信。エンジニアに内田直之を迎え、オープンリールによるアナログ・レコーディングで制作し、ゲストには今をときめく田我流が参加! ゆったりかつ、激しく! stimに魅了されっぱなしのフル・アルバムとなっています。
最新作を高音質で配信中!
stim / NOON AFTER NIGHT
【価格】
mp3 単曲 250円 / アルバム 1,800円
wav 単曲 300円 / アルバム 2,100円
HQD 単曲 350円 / アルバム 2,400円
【Track List】
01. Chess
02. Universe Disco
03. √20 (feat. 田我流)
04. Fata Morgana
05. Basquiat
06. Continuous Voyage
07. Blue (feat. JAMUNA)
08. Redone
09. Revive The Past
INTERVIEW : Taichi×中村圭作×後関好宏
バンドを続けるために必要なこととは何か? それはバンドによって違うかもしれないけれど、バンド内のコミュニケーションは必要不可欠な要素だろう。トラック・メイカーのTaichiを中心に2002年に結成されたstimは、そうしたコミュニケーションを大切にしてきたバンドである。リハーサルのあとには、ほぼ飲みに行くというが、toe、在日ファンク、木村カエラ、DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN、WUJA BIN BIN、ホテルニュートーキョーなど、日本の音楽シーンを牽引するバンドのメンバーが集まっているだけあって、それは本当に大切なことに違いない。また、「小難しいことを小難しくなく聴かせる」というテーマを持っている彼ら。それを実現する上で、そうしたコミュニケーションは細かなプレイにも反映されていることだろう。stimの自由で伸びやかな作品の元には、そんな積み重ねがあるに違いない。音楽性10年目にして初の全国流通アルバムを完成させた彼らの中から、Taichi、中村圭作、後関好宏の3人に、本作のこと、そしてバンドを続ける上で大切なことを聞いた。
インタビュー & 文 : 西澤裕郎

自分達が聞いても楽しめる音楽をやりたい(中村)
——『NOON AFTER NIGHT』は、結成10年目にして初の全国流通盤となりますが、このタイミングでリリースすることになったきっかけを教えてもらえますか?
中村圭作(以下、中村) : 正月にビートたけしの番組を見た時、マヤ文明の関係で2012年12月22日に人類が終わるってことを言っていて、携帯電話にそのスケジュールを入れていたんです。それで、今年にアルバムを出さないと!! って(笑)。
Taichi : 出したい! って言い続けてはいたんですけど、ここまでのびちゃって。なので大きなきっかけがあってとかではないんです。
——そもそも、stimが結成することになったきっかけをは何だったんでしょう?
Taichi : 自分が「新しいバンドをやろう」って、1人1人のメンバーに声をかけて集めていったんです。具体的にこうやろうっていう話はしていなくて、漠然と形を決めて肉付けしていきました。「小難しいものを、小難しくなく聞かせる」っていうのがコンセプトというか。五日間位で考えて作った料理をさらっと出して、「上手い! 」っていって食べてもらえるような感覚って言うのかな。
——結成当時から、そのようなテーマを持っていたんですか?
Taichi : もともと小難しい音楽が好きだったんですよね。でもそれを難しいまま聞かせたくなくて。
中村 : イメージとしては様々な角度から見ていろんな形に見えるような立体的な曲を作れればなと。それはインスト・バンドのいいところでもあり、物足りないところでもあると思うんですけどね。色々な角度から聞いてもらって、そのシチェエーションや場所で聞いてもらえばなって思います。
——そのイメージはメンバー間で共有していたんでしょうか?
中村 : それは特に意識していないです(笑)。なんか面白そうと思ったのと、Taichiが誘ってくれたからですかね。
Taichi : はっきりしたのは組んでからです。だから後付けです(笑)。
——では、どういう基準でメンバーを選んだのでしょう?
Taichi : ライヴが終わった後もよくしゃべっていたり、音楽以外の時間を多く共にした人ですかね。もちろん、技術ありきというのは大前提ですけど。ゴセッキーとはよくしゃべっていたよね。
後関好宏(以下、後関) : そうそう。友達がTaichiしかいなかったんだよね(笑)。自分が当時やってたバンドは、メンバーがみんな年上で、敬語で話してばっかりだったからね。
——気の置けない仲間を集めることによって活動が始まっていったんですね。
後関 : あの頃は、とにかくリハの数が激しかったよね。
Taichi : でも、あのリハの数があったからこそ、今があると思います。よく飲みに行ってたし。
——今のメンバーになったのはいつ頃のことなんですか?
中村 : 正式になったのは、2009年ですね。それまではサポート・メンバーが入ってたりとか、俺らでもよく分かってないからね。
後関 : 抜けたメンバーの方が、今のメンバーより多いかも。
——メンバーが流動的だったのはなぜですか?
Taichi : 忙しくなったっていうのも1つですけど。小難しいのを、小難しく聴かせちゃったっていうところかな。
——じゃあ、今のメンバーは、Taichiさんのやりたいことをやるに最適なメンバーなんですね。
Taichi : 俺にはもってこいですね。やりたいと言ったことに対して、否定的に入らないんです。なんとなく自分のやりたいことと、みんなのやりたいことがずれていない。余計な説明もしなくていいし。
後関 : 僕たちは、17時にリハを終わらせるようにしていて。なぜかというと、ハッピーアワーがあるからなんです(笑)。そこから朝まで飲んだりしていて、そこで脱落した人が多かったよね(笑)。しまいにはメンバーが飲み屋を始めちゃったもんね(笑)。
——あははは。アイドル文化が強い理由の一つとして、ロックやヒップ・ホップ、メタルまで、様々なジャンルの音楽を吸収できちゃうことがあると思うんですね。でも、stimの音楽はアイドルには吸収できない音楽だと思うんですよ。
中村 : それは売れない音楽ってことですか(笑)?
一同 : 爆笑。
——そういう意味じゃなくて(笑)。いわゆるインストとかポスト・ロック的なアプローチって、アイドル用にレコーディングして流すでは成立しないと思っていて。このメンバーでしか刻めないリズムや感覚が、おとしこまれていると思うんですね。そこにstimのこだわりを感じるんですが、本人達の思う一番のこだわりは何だと思いますか?
Taichi : 単純に聴いてかっこいいものですね。
中村 : こだわりではないですけど、それぞれが持つ音の出方が特別なんですよね。これ他のバンドも言っていると思うんですけどね(笑)。
——stimは、音源を何万枚売ってやろうと考えて活動しているバンドではないと思っていて。だからこそこだわりを持っていると思うんですよね。
中村 : もし考えていたら、違う音楽やってますよね(笑)。
Taichi : 「これがカッコイイんだぜ」っていうことを教えてあげたいというか。ヒップ・ホップもロックも四つ打ちもかっこいいけど、「こっちもいいぜ」っていうことを知らしめたい気持ちはあるよ。
中村 : 長く聴ける音楽っていうか、自分達が聞いても楽しめる音楽をやりたいですね。50、60歳になってもやり続けることが出来るし、やっていても恥ずかしくないというか。あらためて昔の曲を聞くといまいちと思うこともあるけど、stimでは10年前の曲を聞いてもそうは思わないんですよね。今まで培ってきたことを学べたり、新しい解釈も見つけられるし、アレンジのアイデアも発見出来るんです。ボーカルがいたら、年代によって歌っていることも変わってくるし、もうあの曲歌えないってなるかもしれないじゃないですか。stimはテンションだったり、上達するテクニックで内容も変わっていきますからね。同じ曲だけど、長く聞ける。家具も大切にしていると、色が変わって味が出てくるじゃないですか? 使えば使う程ボロボロになるけど、その分愛着が湧くと思うんです。
Taichi : そう考えると、古い曲もあるしね。
——今回はオープンリールによるアナログ・レコーディングをされているということで、音質に対するこだわりも見えますね。
Taichi : それは、内田(直之)君に録ってもらいたくてお願いしたら、スタジオが空いていて使えることになったんです。
後関 : 直前までプロツールスで録ると思ってたけどね(笑)。冗談で「テープでいけるよ」って言っていると思いましたもん。
——stimの方から、内田さんでっていう希望があったんですか?
Taichi : 絶対内田君でってお願いしてました。ウッチーとは昔から知り合いだし、抜群に音がかっこいいのは知っていたから。コミュニケーションも取りやすいし、内田君がやってる音楽は俺の好きなところでもあるからね。
周りの認識が変わればいい(Taichi)
——田我流との共演はどのようにして実現したんですか。
Taichi : 田我流から連絡が来たことがあって。なんか一緒にやろうって話をしてたんですよ。で、それが今回のアルバムになったと。
——詞は田我流さんが書いたんですか?
Taichi : 全体的にそうですね。ただ、避けて欲しい言葉とかは、少し伝えたりしましたね。stimぽくない感じはやめてほしいなって。バイオレンスな感じとかね。
——歌ではなくラップを乗せることを選んだ理由はどういうところにあるんですか。
Taichi : メロディーを乗せるのが難しいと思うんですよ。
後関 : ワンコードで展開していくし、サビがないからね。
中村 : Aメロがあって、Bメロがあって… っていうイメージはなかったですね。元々インストで完結していたものなんです。だから、これを初めて聞いた人は、これからライヴで聞いた時に田我流がいないと物足りない感じがすると思うんですけど、以前から知っている人は驚くと思います。
——「Blue」に参加している謎のオーストリア人ハーフ女性ボーカルというのも気になったのですが。
中村 : 説明が難しいんですよね。アルバムの代表曲を作るということになって、みんなで1曲ずつ作って持ち寄ったら「Blue」っていう曲が採用されたんです。これはパーカッションの陽平が持ってきたんですけど、女性ボーカルを入れたいと突如言われて… ベールに包まれたレコーディングに突入しました(笑)。
Taichi : 声を聞いてどんな女性だと思いますか? 金髪?
——金髪ではなくて、髪は黒っぽい茶色かなと。それで細身の方かなと勝手に思ってます。
Taichi : なるほど。ちょっとアジアン・テイストなモデル系の?
中村 : 自分の都合のいいように直したじゃん(笑)。彼女も、この音楽で歌ってみたいという思いがあって、目的が合致したんですよね。

——10年間メンバーとのコミュニケーションを大事にしてきた中で、今回窓口を広げて、ゲストを参加させたのはなぜですか?
Taichi : そんなに固執していないというか。田我流もJamunaもしゃべりやすいから。
中村 : 10年間やっていようが、聞く人には関係ないですからね。お客さんに楽しんでもらうことが大事です。
——コミュニケーションというのはバンドをやる上で特に重要なんですね。
Taichi : 重要ですね。それがなければ凄い良い演奏をやっていても、腹が立ってくると思うんですよね。なんで何も言わずに、黙々と演奏してんだろうなって。
中村 : 続いてるバンドはなんだかんだ仲がいいんだと思う。仲が良くないバンドは解散すると思いますけどね。
——今はデータでやりとりするバンドも増えていたりしますけど、その手法は使っていないですか?
Taichi : バンドの前に友達ですから、練習した後に飲みに行ったりもするしね。データでやりとりすることに面白みを感じないですよね。
中村 : リハだけ終わって帰るってことがないよね。
——話を聞いている限り、全国流通盤をリリースしたからといって、バンドの方向性が変わるわけではなさそうですね。
中村 : 良い方向に変わればいいですけどね。僕らが変わるというよりは、知らなかった人達が知ってくれたらいいけど。
Taichi : そうですね。周りの認識が変わればいいですね。誰か一人突っ走っちゃうと疲れてしまうので、周りがやりたいことを、地道に一歩ずつ、だらけずやりたいです。
中村 : あとは、アイドルと対バンして、カバーしあいたいですね。
——それは見たいですね! でも、アイドル側がstimをカバーを出来ないんじゃないですか(笑)? 最後に何か言っておきたいことがあれば。
中村 : CDをリリースしたばかりですけど、ボーナスCDもいいので聞いてほしいですね。
後関 : この取材、配信サイトだよ!
中村 : あっ、背信行為をしてしまいました、配信サイトに対して(笑)。でも、本当に音源を聞いてもらって、ライヴを見に来て下さい。
Taichi : ライヴ中、メンバー同士が顔を見合わせたら、間違えたってことですから、そこも見てください(笑)。
RECOMMEND
Nabowa / Sen
異例のロング・セラーを続ける『Nabowa』から2年半振りのフル・アルバム『Sen』は、バンド4人による完全インストゥルメンタル作品。そしてfishmansやUAなどとの仕事で知られるzAkを共同プロデューサーに迎え「最高のクオリティ」で届ける「最高傑作」。
cro-magnon / THE BEST
2012年1月に行われた「APPI JAZZY SPORT RELAY 2012」にて復活を遂げたcro-magnonが、キャリア初となるベスト盤をリリース。収録内容は、「逆襲のテーマ」「Riding The Storm」「Kai-Ho」など、真骨頂であるダンサブルなライヴ・アンセム曲を中心に、土岐麻子や三宅洋平、Roy Ayersらが参加する客演ボーカル・トラック、さらには今作が初収録となる「Riding The Storm」のIdjut Boysリミックスを含む全14曲を収録。8年間の活動を1枚にフル・ボリュームで凝縮した、非常に聴き応えのある内容となっている。
VA. / color communications: created in japan - the collector's edition original soundtrack
2012年のスケート・シーンにおいて、国内NO.1作品と称されている、池袋発のブランドcolor communicationsによるリジナル・サウンド・トラック。音楽を彩るのは、スケートボードという共通言語によって引き寄せられた日本国内のアーティスト達。DOMMUNEでのプログラム『スケボークラブ』を主催し高い注目を浴びたYO.ANや、FESNの森田貴弘氏編集による衝撃のゲスト・パートを三味線オンリーの楽曲で華を添えた東京月桃三味線、日本のミュージック・シーンを縦横無尽に駆け巡る凄腕のミュージシャン6人が集結したバンドStimなど、まさに現在のシーンを動かしているアーティスト達が集結したサウンド・トラックとなっている。
LIVE INFORMATION
木村カエラ presents オンナク祭オトコク祭 2012
2012年12月19日@恵比寿LIQUIDROOM
LIVE : 木村カエラ / 會田茂一(band set) / toe / BRAZILIANSIZE / FRONTIER BACKYARD / stim
MOTION± × FEVER presents Crossing
2012年12月23日@新代田 FEVER
LIVE : tickles / stim / 宮内優里 / Caroline / NETWORKS with 吉野耕平
PROFILE
stim
2003年より始動し、トラック・メイカーとしても活躍するDrums : Taichi(Orquesta Nudge! Nudge! / NiceBrew / ex.group)、を中心にBass : 松崎幹雄、Percussion : 高田陽平(WUJA BIN BIN / ホテルニュートーキョー / Orquesta Nudge!Nudge! / tuff session) 、Keyboard : 中村圭作(kowloon / toe / 木村カエラ / ホテルニュートーキョー / WUJA BIN BIN / NiceBrew) 、T.Sax : 後関好宏 (ASA-CHANG巡礼 / 在日ファンク / ホテルニュートーキョー / WUJA BIN BIN / ex.DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN) 、B.Sax : 上運天淳市(東京中低域 / ex.KINGDAM☆AFROCKS)の6人編成で活動している。日本のインディー / メジャーシーン、ロック / ジャズシーンを牽引するバンドのメンバーを擁し、綿密に組み立てられたアンサンブルはstim独自の世界を展開していく。