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計100分! CD未収録の新章&リミックスをフリーで配信開始
2010年11月に、world's end girlfriendが主宰するレーベルVirgin Babylon Recordsからリリースされたabout tessの3rdアルバム『Song of the Bird』。ツインギター+ツインベース+ツインドラムによって描かれた74分・全4章にわたる鳥の旅路は、聴く者をイマジネーションの世界へと連れ出す壮大なもの。今回、『Song of the Bird』に収録されなかった約25分のパートをフリー・ダウンロード開始! もともと100分の作品として構想/録音されていた作品が、今回の中間部(第3章/第4章)を組み込む事で、全6章の完全版になります。さらに、『Song of the Bird』のあらかじめ決められた恋人たちへのリミックス・ヴァージョン、全編からのdigヴァージョンも収録。『Song of the Bird』の世界はどこまでも広がり続けます。
about tess / Song of the Bird : Remix & Director's Cut >>Song of the Bird : Remix & Director's Cutのフリー・ダウンロードはこちらから
【TRACK LIST】
1. Song of the Bird 〜風の編〜part 1 : 進行 part 2 : 手紙 part 3 : 窓際 (あらかじめ決められた恋人たちへREMIX)
2. Song of the Bird (dig ver)
3. Frenzy / Song of the Bird (Director's Cut : mid-part.3)
4. Bird Across the Bloom River / Song of the Bird (Director's Cut : mid-part.4)
ファイル形式 : M1、2はHQD(24bit/48kHzのwav)、M3、4は通常wav(16bit/44.1kHz)
☆ダウンロード頂いた方には、remix版、Direstor's Cut版のジャケット画像をプレゼント!
オリジナル・アルバムはこちら
about tess / Song of the Bird
『ツインギター+ツインベース+ツインドラムによって鳥の旅路を1曲74分で描きだした一大絵巻!』2010年リリースのabout tess 2年ぶりの新作。今作は鳥の旅路を1曲74分で描き出した超大作。特異なる編成ツインギター+ツインベース+ツインドラム。鳥の飛翔ごとく自由に延々と弾きまくられるギター! 揺れ動く大地のごときベース! 移り変わる嵐のように四方八方から叩かれるドラム!いくつもの場面転換をむかえながら鳥の旅は続きます。
時間と概念の枠を超えて
いまや、音楽配信におけるフリー・ダウンロードは珍しいものではない。リスナーにとっても、アーティストにとっても、お互いにメリットのある企画として定着してきている。リスナーは、ダウンロードした曲を気に入れば、アルバム全体にも耳を傾けるかもしれない。アーティスト・サイドにしてみれば、もし販売につながらなくても、それなりのプロモーションになる。しかし、今のようにフリー・ダウンロードが当たり前のものになってしまえば、無料という価値は薄れてしまい、簡単にダウンロードされなくなってしまう。その結果、レーベルやアーティスト・サイドは、キャッチーで、短くて、わかりやすい曲を配信したりして、何とか興味を引きつけ、ダウンロード・ボタンを押してもらわなければならない。
そんな中、6人組のインストゥルメンタル・バンド、about tessがフリー配信するのは、2曲で約25分という、ミニ・アルバムに匹敵する長さの作品だ。しかも1曲の中で様々な展開を見せるプログレッシヴ・ロック調の曲である。そもそも昨年11月にリリースされた3rdアルバム『Song of the Bird』は、鳥の旅路を74分1曲で描くという野心作であった。CDに収まる最大限の尺を使い、4つの章にわけて収録された大作だった。今回配信される2曲は、アルバムに収録することができなかった2章分にあたり、これを追加することで『Song of the Bird』は完成する。もともとこの2曲を加えた100分バージョンも録っていたそうで、約2年前から構想はあったようだ。それはリーダーのTAKUTOが自身のブログで明言しているので、そちらを参照いただきたい。(>>"Song of the Bird 100min ver"について(text by about tess・takuto))
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それにしても、100分の作品とは挑戦的だ。ただでさえ情報が氾濫しすぎて、それを追うだけの時間が足りないと言われる情報社会。100分ぶっ通して音楽を聴く機会はなかなかないのではないかと思う。1時間40分。ファンであっても、長いと感じるかもしれない。しかし、このような形で『Song of the Bird』の完全版を世に出したことは評価すべきだ。そもそもabout tessは、フリー・ダウンロードで注目を集めたり、曲の長さで目立とうとするバンドではない。あくまでも作品で勝負する硬派なバンドである。今回のフリー・ダウンロードは、プロモーションというより、足りないパーツを補完して、作品を完成させるための手段であることに違いない。
では、どうして100分も必要だったのだろうか。それは、このアルバムが鳥の旅路を描くという写実的な作品だからである。極端に言ってしまえば、バンドの内面を吐き出した内省的なものではないし、リスナーの共感を得てグルーヴを生んでいくものではない。鳥たちが広大な空を飛んでいく様子を音楽で描いた作品である。写実的であるということは、現実を出来るだけありのままに描こうとする作業であり、それだけの情報量が必要とされる。あなたの1日を描こうとしたら、具体的な場面を描くために多くの言葉が必要だろう。それと同じで、鳥の旅路を音で描くにはそれだけの音楽的な情報が必要となってくる。もしかしたら100分でも足りないくらいなのかもしれない。
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今作を聴いて気がついたのは、合理的だったり効率的という言葉が自分に染み付いてしまっていることだ。ダウンロード・ボタンを押してもらうために、キャッチーで、短くて、わかりやすい曲を…、なんて書きながら、音楽ってそんな道具みたいものじゃないだろうと思った。もちろん『FREE』という概念がマーケティングの世界で主流になっていることはわかるけれど、about tessのように作品を補完し、完成させるために、フリー・ダウンロードを活用するというのは目から鱗が落ちるような方法である。彼らのように積極的にアイデアを持って新しいメディアを使っていくことは、これからのアーティストの表現の幅をより広げていく契機になることだろう。(text by 西澤裕郎)
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その名声はもはやインディー・フィールドを飛び出していると言っても過言ではない。そして2011年、約半年の制作期間を経て、待望のニューアルバム、『CALLING』が届けられた。ソロ・ユニットを出発点としてきたあら恋としては初めて、バンド編成でのレコーディングに臨んでいる。2008年に大阪から東京へ拠点を移し、以降はバンド編成でのライブ活動を主軸に行なってきた彼らの姿が、ようやくスタジオアルバムとしてパッケージされることとなった。初聴でも入り込める懐の深さと中毒性が同居した、あら恋の最高傑作。そして、他に類をみないアーバン・ダンス・ミュージックの誕生でもある。
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LIVE SCHEDULE
2011年8月6日(土)@新宿 Motion
2011年8月28日(日)@新宿 Motion+Marble
2011年9月9日(金)@Shinjuku Motion
unkie VS about tess 2nd BATTLE
2011年9月17日(土)@新宿LOFT/新宿LOFT BAR STAGE/新宿MARZ/新宿Marble/新宿Motion
ツジユウヤ Presents ETERNAL ROCK CITY.2011
2011年9月24日(土)@埼玉スタジアム2002
ぐるぐる回る2011
PROFILE
about tess
TAKUTO (G) / KAZUYA (G) / KANZ (Ba) / MIYA-KEN (Ba) / TETSURO (Ds) / DKO (Ds)
ツインドラム+ツインベース+ツインギターという特異な6人編成バンド。延々繰り返えされるリフと重なり合うリズム、即興と構築を並列に置き、肉体の限界から精神の暴走までを体現するライブは「観る」「聴く」というよりは「体感する」もの。
>>about tess Official Web
>>Virgin Babylon Records
あらかじめ決められた恋人たちへ(「Song of the Bird 〜風の編〜part 1 : 進行 part 2 : 手紙 part 3 : 窓際」リミックス担当 )
トラック・メイカー、鍵盤ハーモニカ奏者の池永正二を中心とした叙情派エレクトロ・ダブ・ユニット。メンバーは、鍵盤ハーモニカxベースxドラムxテルミンに加え、DUB P.A.xDUB照明を含めた「ユニット(組織)」として圧倒的なステージを展開する。美しい爆音であることでも有名。また、メンバー個々の課外活動も盛んで、他のバンド活動はもちろん、作曲、マネージメント業務、レーベル業務まで、その活動は多岐に渡る。「あらかじめ決められた恋人たちへ」として、あがた森魚、はっぴぃえんど、加藤和彦、等のアルバム、リミックス・ワークに参加する一方で、映像的なセンスを持った音楽性が高く評価され、映画音楽や演劇音楽、バンドのプロデュースも手掛けている。