【ビール好きですか?】コエドビールと料理がおいしくなる、代官山王国のライヴ音源を独占ハイレゾ配信

「ビールと料理が美味しくなる音楽」を奏でるアコースティック・インストゥルメンタル・トリオ、代官山王国。アイリッシュやケルト、ラテン、タンゴ、ブラジリアン・ミュージックなどの音楽要素を取り入れ、レストランやバーでも演奏している彼らが、2016年3月5日に箱根塔ノ沢温泉郷の名宿「福住楼」で開催したイベント〈箱音〜HakoNe〜〉をライヴ・レコーディング、このたび独占でハイレゾ配信します。これを記念し、コエドビールを製造する株式会社協同商事コエドブルワリー代表取締役社長・朝霧重治、レストランdaikanyama O'KOKのシェフ・和知良介、代官山王国の多治見智高と藤井琢也に集まっていただき、ビールと料理にまつわる座談会を行いました。これを読んでライヴ音源を聴けばビールも料理も一層美味しくなるかも!? 全曲フル試聴もできるので、まずは試聴ボタンをポチっと。
湯上がりのビールがさらに美味しくなるライヴ音源をハイレゾ配信
代官山王国 / 湯上がりはビールで(24bit/48kHz)
【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz)
【配信価格】
まとめ購入のみ 1,400円(税込)
【Track List】
1. Monkshood
2. 湯気のボレロ
3. Terminal de Azul
4. Midnight Blue
5. Corrected Grain Leather Shoes
6. Memento feat. Morrison's Jig (Bonus Track)
期間限定、全曲フル試聴も実施!!(2016年7月5日まで)
代官山王国の音楽と料理とコエドビールのおいしい関係性を探る
代官山駅から徒歩30秒の場所にあるレストランバー、daikanyama O'KOK。実はこの店、代官山王国のメンバーがオーナーを務めるお店で、彼らの演奏を聴きながらディナーを楽しめるイベントも定期的に行われているのです。以前掲載したお店への潜入レポートでも触れたとおり、ビールと料理がとてもおいしい!! 中でも真鯛のフィッシュアンドチップスは絶品。そして、おいしい料理を引き立てているレギュラー・ビールが、川越のクラフトビール・コエドビール(COEDO)なのです。そうした縁から、代官山王国の多治見智高、藤井琢也と、O'KOKの料理長・和知良介、そして株式会社協同商事コエドブルワリー代表取締役社長・朝霧重治に集まっていただき、コエドビールを飲みながら座談会を行いました。ぜひ、コエドビールを用意し代官山王国の楽曲を聴きながら、その場にいる気持ちになってインタヴューをお楽しみください。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
ビールの楽しさや価値を感じるために選んで楽しむ要素が欠かせなかった
ーーもともと多治見さんがコエドビール(COEDO)の大ファンで、代官山で経営されているレストラン・daikanyama O'KOKでもレギュラー・ビールとして提供しているんですよね。

多治見智高(以下、多治見) : 現O’KOKシェフの和知(良介)さんが六本木にあるGOSHIKI roppongi(ゴシキロッポンギ)というお店のシェフをしていて、そのお店でコエドビール5種類すべてが生で飲めたんです。大学時代、先輩に連れて行ってもらったことを機にコエドビールと料理にはまってしまって、夜な夜な食べたり飲んだりしにいくようになり、そこからのファンです(笑)。
ーーかなり通な大学生だったんですね(笑)。今日は株式会社協同商事コエドブルワリー代表取締役社長の朝霧さんにもご参加していただいているんですけど、コエドビールとはどういうビールなんでしょう。

朝霧重治(以下、朝霧) : 現在のコエドビールの姿になったのは2006年からなんです。ビールって元々ヨーロッパの農家の食文化で、地域によって色の出る個性豊かな飲み物なんですけど、そうしたローカルで小範囲で手作りで作られているクラフトの世界はアジアで全然知られていなかった。むしろ、大量生産で、ハイテクで、とにかく鮮度管理を完璧にしてということばかりが知られていたんです。もちろんそういう側面もあるんですけど、それだけがビールじゃない。スタイルや種類を選ぶ楽しみが本当のビールの姿なんです、ってことを伝えたくて2006年にリニューアルしました。我々のコンセプトは「Beer Beautiful」。ビールってすごく面白いので、知らないのはもったいなくないですか? っていうのがコエドビールのメッセージなんです。

ーーコエドビールはクラフト・ビール、いわゆる地ビールですけど、地ビール自体もわりと日本では新しい考え方なんですよね。
朝霧 : 日本の地ビールは1994年の酒税法改正で規制が緩和されて誕生した産業なんですよ。バブルが崩壊して傷んだ地域経済を活性化させる道具としてビールが選ばれた背景がある。そのようにはじまりが表面的で浅いものだったので、魂がこもっていないことがビールに対する水準の高いお客さまに伝わってしまった。「地ビールは観光土産としても高いし、その割に癖があって美味くないよね」っていうイメージが定着してしまったんです。その頃からすでにコエドは地ビールを作っているんですけど、職人性の部分を再定義して丁寧にコミュニケーションをとっていこうと2006年にリニューアルすることにしたんです。
ーーなぜ川越だったんですか?
朝霧 : 僕の故郷なんです。義理の父が前進の会社の創業者で、有機農業の農家の人たちとの取り組みをしてきた会社でして。川越って江戸時代から循環式農業が根付いている地域で、冬になると里山で雑木林の落ち葉を集めてきて堆肥を作って、それが時間を経ることで腐葉土になるんです。それを畑に入れることで、300年間かけて土地を豊かにしてきた歴史がある。ただ、そうした背景って知らないじゃないですか? ビールも同じで、ヨーロッパでブドウが取れない地域で生まれたとか背景を知れば知るほどやっぱり面白いんですよね。そういった部分を伝えていきたくて、私は勝手に自分のことをビール伝道士って名乗っています(笑)。
ーーコエドビールは2006年にリニューアルをして、5種類のラインナップで始めたそうですけど、それぞれ5種類にはどういう特徴があるんでしょう。
朝霧 : 1番シンプルなピルスナー・ビールが「瑠璃」で、やや茶褐色でアロマホップが香るインディア・ペール・ラガーが「伽羅」です。ミディアム・ボディーの「白」は小麦のビールですね。加えて「漆黒」という柔らかい発酵とモルトの香りがある長期熟成黒ビール。さらにコエドならではの「紅赤」があります。川越って、関東以北で初めてサツマイモが栽培された土地なんですよ。ただ標準的な大きさじゃないサツマイモは売り物にならないからという理由で大量廃棄されしまっていたんです。それってもったいないじゃないですか? 鹿児島では芋焼酎にもしているわけですし、芋とビールを掛け算してみたらどうなるだろう? というところから誕生したのが「紅赤」というビールなんです。

ーーそれぞれタイプの違うビールで、飲み比べをする楽しみもありますよね。
朝霧 : ビールの楽しさとか価値を感じていただくには、選んで楽しむという要素が欠かせなかったんです。僕は音楽を聴くのもとても好きで、ジャズもロックもソウルも好き。時にはテクノも好きだし、色々選んで聴くことが楽しいじゃないですか。本当はビールも同じで選ぶことがすごく楽しいところなので、5種類同時に発売することにしたんです。あとは、コンビニに行くと新商品があったら数ヶ月したらなくなっていて、また別の商品が出てくるじゃないですか。ああいうのはやめようよと。使い捨てみたいなことを僕はやりたくなかったんです。
コエドビールとdaikanyama O'KOK、代官山王国の関係性とは?
ーー和知さんは、どうしてご自身の店にコエドビールを取り入れることに決めたんでしょう。

和知良介(以下、和知) : 現在のコエドビールになる前のブランドを系列のバーで扱っていたんですけど、リニューアルの前に一度取り扱いがなくなってしまって、しばらく離れていたんです。そしたらお客様から、あの時のビールがリニューアルして出ましたよって紹介していただき、コエドビールを飲みに通うようになって。そのころ僕は近くのお店でシェフをしていたんですけど「美味しいですね」って話をオーナーとしていたら「ビールも料理も美味しいお店をやろうよ」って話をもちかけていただき、六本木にGOSHIKIというお店を立ち上げたんです。それで、コエドビール5種類と、それに合う料理を出すビアレストランっていう形で始めました。
朝霧 : バーじゃないのがポイントなんですよ。バーっていうと飲むところじゃないですか? GOSHIKIさんはレストランで、ビールに食事を合わせるのと、食事にビールを合わせる両方の面があるんですよね。
ーーコエドビールに合う料理というのはどういうものなんですか?
和知 : 例えば、メインで取り上げられるのがフィッシュ・アンド・チップスなんですけど、チープで油っぽいしビールに合わせるけどそんなに美味しいものではないってイメージもあると思うんですよ。でも、せっかく素晴らしいコエドビールを扱っているので、フィッシュ・アンド・チップスをもっといいものに昇華しようということで「世界一おいしいフィッシュ・アンド・チップス」というメニューにしたんです。毎日築地から新鮮な真鯛を仕入れて、フィッシュ・アンド・チップスに仕上げていました。衣にコエドビールの「瑠璃」を使い、ちょっとハーブを効かせる。単純なフィッシュ・アンド・チップスではなくレストランの料理としてのフィッシュ・アンド・チップスに仕上げています。そういう料理がいろいろあります。


ーーそのお店に多治見さんが通いつめて、胃袋を完全にがしっと掴まれたと(笑)。
多治見 : お腹が空いたらとりあえずGOSHIKIに行っていました(笑)。2年間くらい入り浸ってましたかね。その後のある日、代官山王国が本拠地にしていたレストランが閉店することになってしまって、そのお店のオーナーさんから「自分たちでやってみたら?」と冗談半分に言われたのを本気にして、「よしやるか!」ってなって(笑)。最も僕の胃袋をつかんでた料理人の和知さんに「料理で音楽がもっとたのしくなる、音楽でご飯がもっと美味しくなるようなお店をつくりたい! シェフをやってくれませんか?」と声をかけたら、「そんな面白そうなことならやりたい!」と言ってもらって。
ーー相当な熱意だったんですね。代官山王国というバンドは、どうやって結成されたんでしょう。

多治見 : もともとは友達夫婦から「今度結婚するから、アコーディオンとギターとかと一緒にヴァイオリンを弾いてほしいんだよね」と言われたのがきっかけなんです。たまたまその1ヶ月前に、オムニバス形式のイベントに、ピアノとアコーディオンのデュオが出演していてFacebookで友達になっていたので、「一緒にやってみませんかー?」というメールをして。ついでにギターもいませんかって言ったら大学のジャズ研の同級生いるからやりましょうということになったんです。その結婚式が代官山だったんですよ。式自体もコンセプチュアルで、ふわふわ王国という架空の王国の王様のところに王女が嫁いでくっていうストーリーで(笑)、僕らはふわふわ王国の音楽隊でっていう感じで結成したんです。結婚式が終わってスタッフの打ち上げとして行ったお店が、今のO'KOKがある場所に昔あったお店で、そこのオーナーからたまにライヴをやってほしいって言われて定期的に活動するに至ったんです。ふわふわをとって代官山王国にしようってことになり、活動がスタートしました。

ーー結成当初から、ヴァイオリンとアコーディオンとギターという編成で、現在のような音楽を奏でていたんでしょうか。
藤井琢也(以下、藤井) : もともと僕と祖父江(太丞)が同じ大学のジャズ研究会出身で、卒業してからも一緒にジャズをやったりオリジナルをやったりしていたんです。そのとき多治見はジャズは全然だったんですけど。
多治見 : 僕はアイリッシュとかの民族音楽系や人力エレクトロニカみたいな音楽をやっていました。結婚式でアイリッシュをやってほしいって注文をもらっていたので、アイリッシュの楽譜だったり音源を持ち寄って3人でやり始めたんです。
架空の国の民族音楽になりたいってことは常に思っています
ーーO'KOKではビールやお酒を飲みながら演奏を楽しむという空間が出来上がっていますけど、朝霧さんからするとビールと音楽の相性ってどう考えているんでしょう。
朝霧 : 食(しょく)って五感で楽しむものなんですよ。目で見て、香りを嗅いで、口に入れて、料理を作るときの包丁の音を聴いたり、そういうところも含めて五感すべてで楽しむものだと思うんです。音楽を聴いていると情感が増幅されることってあるじゃないですか。そういう意味で、音楽とアルコールは友達だと思うんですよね。僕は小さいライヴハウスが好きなんですけど、残念だけどあまりいいお酒がなくて。美味しいお酒があって、目の前で上質な音楽とパフォーマンスがあったら最上だよなって思っていて。音楽とビール、ビールと音楽は一体なのかなって思います。
ーー代官山王国がO'KOKでライヴをするときのスタイルは、30分の演奏と、30分の歓談タイムの3セットで約3時間のステージじゃないですか? 料理を出すタイミングというのも、演奏にあわせているところがあるんでしょうか。
和知 : 正直、ライヴが19時スタートだと、19時に合わせてお客さまがくるので余裕が一切ないんです(笑)。飲み物に関しては、タイミングを見て聞きにいったりはできるんですけど、料理は最初に前菜から始まって、冷たいもの、あったかいもの、メインとパスタくらいまで1番最初にオーダーをいただいて、お待たせしないように順番に作っていくって感じです。みなさまから料理が遅いなと思わないように気を遣って出すようにしています。
ーー代官山王国が演奏で場を作っていくのと同時に、和知さんは料理で盛り上げていくという戦いをされてるわけですよね。
和知 : なので、ライヴがある日はすごく難しいですね。お店としてはお客様に料理を楽しんでいただきたいって気持ちがあるので、はじめてライヴを見に来たお客様にもご飯を食べていただいて、ライヴじゃない時にも来ていただけるよう、一生懸命試しながらやっています。
ーーライヴ中はあまりしゃべったりオーダーしちゃダメなのかなと思っていたんですけど、普通に歓談しながら聴いていて、その雰囲気がすごくいいなと思ったんですけど自然とああいう雰囲気になるんですか?
藤井:「コンサートではありませんので、お食事やお酒、おしゃべりを楽しみながら、音楽にも耳を傾けてくれたらうれしいです」というようなことをMCで3、4年言い続けてきたので、最近わいわいがやがや食べながらっていうのが浸透してきた感じがしますね。


ーー変な話、自分たちの音楽だけ聴いて欲しい!! みたいなことろ思ったりはしないんですか?
藤井 : そういうことは、あまりないですね。
多治見 : もともとベースになってるのが酒場の音楽なんですよ。ジプシーにしろアイリッシュにしろ生活の中の音楽みたいな感じなので、呼吸とかと一緒の感覚で音楽に触れてほしいなと思っていて、非日常なものとして見られたくない。日常の延長で、今日はちょっとリッチな日常かなくらいのつもりで楽しんでほしいんですよね。
藤井 : あと、なるべく敷居を下げたいんですよ。今日はライヴに行くぞって襟を正すんじゃなくて、美味しいものといい音楽が流れているところに行こうかなぐらいの感じできてほしい。もちろん音楽も聴いて欲しいんですけど、料理も楽しんでほしいし、久しぶりに会った友達と盛り上がってほしい。ライヴを全体で楽しんでもらえればそれが一番いいんじゃないかなと思っています。
ーー代官山王国として音楽的な野心とかはあったりするんですか?
多治見 : バンド名からしてそうですけど、架空の国の民族音楽になりたいってことは常に思っています。アイリッシュ音楽を聴くとアイリッシュだなって分かるじゃないですか? 代官山王国を聴くと、「あ、代官山王国だな」みたいになりたいです。コエドビールを飲むとコエドビールだなって分かると思うように、そんな存在になりたいですね。
RECOMMEND
毎月ライヴを行っているレストランdaikanyama O'KOKの看板メニュー「真鯛のフィッシュアンドチップス」に敬意を表し、『フィッシュアンドチップスたべたい』と題された本作は、聴くとビールが美味しくなると噂のオリジナル楽曲10曲を収録。
>>【検証レポート】代官山王国の音楽で、料理とビールがおいしくなるという噂は本当か?
イギリスの隣の小さな島国、アイルランドの音楽を演奏する3人組、John John Festivalの2作目となるアルバム。フィドル(バイオリン)とギター、アイルランドの太鼓バウロンを使って奏でる音楽は、どこか懐かしく牧歌的。今作には、前作になかった「歌」が10曲中4曲収められており、色彩豊かな作品となっている。
>>John John Festivalへのインタヴュー記事はこちら
Conguero Tres Hoofers / LIVE CTH Ⅱ at Antique the globe(DSD5.6MHz+mp3)
アコースティック・ギター + タップ・ダンス + パーカッションという珍しい編成で〈FUJI ROCK FESTIVAL〉への出演を果たし、世界ツアーも行なう3ピース・バンド、Conguero Tres Hoofers(CTH)のDSDで収録したライヴ音源を配信中。
LIVE SCHEDULE
代官山最強王国〜ライヴ音源発売記念〜
2016年4月16日(土)@ライヴレストラン All in Fun
時間 : OPEN / START : 18:30 / 19:30
料金 : Music Charge : 2,000円 (+2order)
PROFILE
代官山王国
この三人は,情熱的でノスタルジック。
バイオリン + アコーディオン + ギターはもつれあい、音の国境を悠々飛び超す…。
手で持ち歩ける楽器3つで構成される小さな音楽隊は、機動力高く、レストランやライヴハウスから祭にフェスまで何処にでもあらわれ、その身軽さそのままに、国境やジャンルなどあらゆるボーダーをも飛び越す。マヌーシュスウィング、ケルト、ラテン、タンゴ、ブラジリアンなど、世界中の酒とともにある音楽を吸収し続け、独自のサウンドを醸成中。
どこかで聴いたことのあるような懐かしさを感じる音は、聴くものを虜にし、時に繰り広げられる熱いパフォーマンスは、見るものを湧かす。