
7/28リリースの『こんにちは未来』から先行配信!!
こんにちは未来 / シャビーボーイズ
満を持して放たれる名古屋の純情バンド、 シャビーボーイズの1stミニ・アルバム『こんにちは未来』が7月28日にリリースする。 オトトイでは、彼らの代表曲「空想ワールド」を何処よりも早くフリー・ダウンロードでお届け! この衝撃と共に28日の発売日を待て!
【track list】
1. パンチライダー / 2. over / 3.no title / 4. 空想ワールド / 5. 日々 / 6. サンフランシスコ
「空想ワールド」のフリーダウンロードはこちら(期間 : 7/22〜7/27)
あまりにも繊細な感情で難しい
何度聴いても素直なバンドだなと思う。今も名古屋の大学に在学中の4人と先生(!?)で組まれた5人組シャビーボーイズ。その異色のバンド編成とは裏腹に、鳴らされているのは何の変哲もないロック・ミュージックだし、とりわけ際立った特徴があるようには思えない。それなのに、聴いたあとに何かが残る。それを言葉にしようとしても、あまりに繊細な感情で難しい。分かりやすく言ってみれば、社会的な大人になっていく時に生じる葛藤であり、まったく別のことに挑戦したり、違う場所へ移りゆく際に起こる情感のようなものである。
『こんにちは未来』に収められた6曲の中で、新曲は「no title」だけだ。この曲にはシャビーボーイズの根底に何があって、どのような想いでバンドをしているかが綴られている。少し引用しようと筆をとってみたら、ほとんど書かなければならないことに気がついた。それくらいこの曲には彼らの気持ちが詰め込まれているし、省くことができない密度ある歌詞が描かれている。ヴォーカルの杉本恵祐が書く詞は本当に真っすぐだ。「僕は覚えたてのお気に入りのコードを押さえて何かを変えようとしている」「だけど恐くて/それでも流れる時間の速さに置いてかれて/子どものまんまで/このまんまで生きていきたいと願っている」一聴すると、モラトリアムを引きずった夢見がちな青年風であるけれど、決してそうではなく、現実がどれほど切実でリアルなものかを自覚している。卒業までの砂時計の砂は刻一刻と減っていくし、残りの砂が少なくなっていることも知っている。その時間の少なさに焦りと不安を感じてあがきもするが、無力感を感じたりもしている。「変わりたくて変われなくて/ダメな自分をごまかしている/結局全てはシナリオ通りで明日のない本を読み込むだけ」

この就職氷河期において、若い人は本当にタフにならなければならない。希望職業の上位が公務員というのも、仕方ないのかもしれない。言い方を変えれば、将来に対する閉塞感と諦めがそうした結果を導いているのだろう。明日のない本とは、まさに彼らと同世代の気持ちを代弁している。だからといって杉本は現状を嘆くだけでもないし、誰かのせいにするわけでもない。悩んだ末、ひとつの事実に気がつく。 「だけど僕はそれを破り捨てて不確かな未来をかざしてみる/それは重くもまして軽くもなくて/結局すべては自分だと気づいた」
明日のない本とは、人の書いたものでしかない。どの道を進もうが、結局は自分次第の心持ち次第で満足するかどうかが変わる。この慧眼的なライン以降、杉本がシャビーボーイズの道を選んだ決意が歌われる。それは、一足先大人への葛藤を経験した筆者が聴いても、本当に感慨深くなる詞である。20歳のころに戻ったような気持ちになって、自分は"明日のある本"を更新できているのだろうかと問われているような気持ちにもなる。
始めに、彼らの音楽に目新しさを感じないと書いたけれど、少なくとも彼らは誰かのモノマネをしようとしていない。そこが一番好感を持てるし、最終的にオリジナリティに繋がっていくに違いない。名古屋は、海外ミュージシャンの来日講演を飛ばされることも多く、ロック不毛の地と呼ばれることもあるけれど、フラワー・カンパニーズみたいな誰にも真似できないくらい熱いバンドがいる。独自の色を持ったバンドも数多くいて、それが名古屋の強みでもあるけれど、シャビーボーイズには正面からロック・ミュージックをやり続けてほしい。それだけのポテンシャルは十分に感じられるし、これから杉本が綴っていく歌詞にもとても興味がある。シャビーボーイズが書く"明日のある本"を今から期待している。(text by 西澤裕郎)
素直に歌と詩を響かせる
BABY / ネズミハナビ
文学系ロックの進化形ネズミハナビの1stミニ・アルバム。誰もがドキドキして、うっとりして、グっときて、ニヤリとする。そんな1枚が完成しました。
ボーイズオンザラン / 銀杏BOYZ
2009年2月以降ライブ活動を行わず、バンドとしては表舞台に立つこともないまま沈黙を続けた銀杏BOYZだが、ついにシングル曲として、全くタイプの異なる2曲を完成させた。前作「17才」(オリコン初登場7位)から、約1年振りのリリースとなる今作は映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の主題歌として起用されている。主題歌「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は峯田、チン中村、安孫子、村井のメンバー4人によるむさ苦しいぐらいにストレートな感情が直球勝負で奏でられ、銀杏BOYZならではの中毒性の高い楽曲に仕上がっている。一方2曲目に収録されている「べろちゅー」は唯一無二な峯田の詩世界と、どこか懐かしくも優しいメロディー、そして残酷なまでに生々しい歌声と演奏がドラマチックに紡がれた楽曲だ。ライブ中に骨折、流血、公然猥褻行為が起きるような過剰すぎるバンドのイメージからは想像できないような、万人の心の琴線を震わせる美しいバラードが完成した。
4F / buter buter
下北沢を中心に活動する人間的不協和音スリーピース・バンド、butter butter3枚目のミニ・アルバム。洗練されたメロディ・ラインとスリーピースならではのシンプルで力強いサウンド、そして現実を見据えた上で希望を描く素朴で等身大な優しい歌詞が魅力。前作「clear」から新たな一歩を踏み出した渾身の一枚。
PROFILE
杉本恵祐(Vo), 高津直視(Gt), 坂直貴(Gt), 立松伊知朗(Ba), 渡部信介(Dr)
2005年、シャビーボーイズ結成。名古屋市内のライブ・ハウスを中心にライブ活動を開始。ボーカル杉本恵祐の描くあまりにも日常的で哀愁を帯びた歌詞、そして心をゆさぶる絶大な存在感の歌。それを中心に奏でられる鋭角的かつ幻想的なバンド・サウンドが各方面の音楽関係者から絶賛される。2008年6月は名古屋新栄SiX-DOGにて初のワンマン・ライブを敢行しチケットは即SOLD OUT。1年で4枚の自主音源を発売し、総売上は2000枚を突破する。年末にはell.SIZEで自主企画ライブを超満員の大盛況に終え、同じくellのカウント・ダウン・ライブにも抜擢される。またZIP-FM「FIND OUT」の2月エンディング・テーマに自主制作盤「君への謳」収録の「サンフランシスコ」が使用されるなどシャビーボーイズの知名度は確実に急上昇している。2009年6月に行われた2回目のワンマン・ライブは動員200人超えを記録し、大反響に終えた。2010年3月には東京のネズミハナビと共にツー・マン/ツー・デイズを行い、成長を遂げた。
LIVE SCHEDULE
シャビーボーイズ presents こんにちは未来 TOUR
8/28(土)@心斎橋 soma
open 18:00 / start 18:30
シャビーボーイズ/ネズミハナビ/GrowShip/plane
8/29(日)@名古屋 ell FITS ALL
open 18:00 / start 18:30
シャビーボーイズ/ネズミハナビ/JONNY/etc