【予約受付中】失敗なのかもしれない部分こそ愛しいーーそれでも世界が続くなら、意図的に閉じて一発同室録音した5thアルバムを配信開始
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2013年9月のメジャー・デビューより10ヶ月の間に、2作のフル・アルバムとシングル、ミニ・アルバムをリリースしてきた孤高のロック・バンド、それでも世界が続くならが、メジャー3作目のフル・アルバムをリリース。ドラマー栗原の右手骨折という危機的状況の中、骨折したまま片手でレコーディングを敢行、あえて一発同室録音で記録するという前代未聞の作品に。ヴォーカル・篠塚将行が自身の内面に向かい合った歌詞世界とピークを振り切るほどの音圧はまさに圧巻。OTOTOYでは本作を予約受付するとともに、過去作を一挙配信スタート。そして、篠塚にインタヴューで迫った。真摯な音楽が必要とされている人に届くことを願って。
5月13日の配信開始に先駆けて、予約注文をスタート!!
それでも世界が続くなら / 僕は透明になりたかった
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 270円 / まとめ購入 2,160円
※ファイル形式について
【Track List】
1. 晴れた日の教室 / 2. 思考停止 / 3. 響かない部屋 / 4. リサイクル / 5. 解離と労働 / 6. 分裂 / 7. 小さな虐待 / 8. 早朝 / 9. どうでもいい / 10. 自殺志願者とプラットホーム / 11. 聞こえない声
※まとめ購入いただいた方には、特典動画が同梱でついてきます。内容は現在調整中のため、決定次第お知らせいたします。
予約受付中!
この作品は、5月13日(水)00:00の配信開始に先駆けて、予約注文を受付中です。配信開始と同時に、ご登録のメール・アドレスおよびOTOTOY内メッセージに、アルバム音源のダウンロードURLをお送りいたします。
予約注文について、詳しくはこちら。
それでも世界が続くなら『僕は透明になりたかった』トレーラーそれでも世界が続くなら『僕は透明になりたかった』トレーラー
それでも世界が続くなら、初めての定期webラジオ番組がスタート!!
それでも世界が続くなら webラジオ番組「深夜学級」
初回放送日時 : 2015年5月6日(水)22時頃〜
(※以後、ほぼ毎週日曜日、たぶん22時頃〜)
パーソナリティー : 菅澤“ガースー”智史(それでも世界が続くなら)
ゲスト : 篠塚将行(それでも世界が続くなら)
放送チャンネル : TV♭
協力 : OTOTOY
毎回リスナーより一般公募したテーマの中から、毎回まったく意外じゃないゲストを迎えて、出来るだけ生放送で送る、ゆるくてリスナーが気軽に参加できる内容となる予定。第1回は「テーマ」がテーマ。今、どんなテーマを話せばいいのかをリスナーと共に考える。楽器機材の話、いじめ、病気、バンド・シーンの裏話など、テーマは自由。テーマは随時募集なので、番組ハッシュタグ“#深夜学級”を付けて、テーマや初回放送の案をつぶやいて、皆で番組に参加しよう。
それでも世界が続くならのカタログを一挙配信スタート!!
それでも世界が続くなら / 僕は君に武器を渡したい
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 270円 / まとめ購入 2,376円
【Track List】
1. シーソーと消えない歌 / 2. 一般意味論とアリストテレス / 3. ウェルテルの苦悩 / 4. 鮮やかに変われ / 5. 参加賞 / 6. パンの耳 / 7. 水色の反撃 / 8. 痛くない / 9. 焼却炉 / 10. テセウスの夜 / 11. 夜を越えろ / 12. スパロウ / 13. カイン
それでも世界が続くなら / 明日は君に会いに行くから
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 399円 / まとめ購入 1,134円
【Track List】
1. 5分後のアンチテーゼ / 2. 消えた星の行方 / 3. 蝶と少女の関係 / 4. 平行線 / 5. 君の嫌いな世界 / 6. 成長痛
それでも世界が続くなら / 僕らのミュージック
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 399円 / まとめ購入 810円
【Track List】
1. 僕らのミュージック / 2. エスと自覚症状 / 3. 不燃ごみの日 / 4. 片方だけの靴
それでも世界が続くなら / もう君はいい人じゃなくていい
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 399円 / まとめ購入 2,160円
【Track List】
1. 優しくない歌 / 2. 明日のハッピーエンド / 3. 僕らのミュージック / 4. 無自覚なプラットホーム / 5. 水たまりの成分 / 6. 普通の歌 / 7. 優先席 / 8. 白紙の地図 / 9. サウンドチェック / 10. 奇跡 / 11. 無罪と罰 / 12. 自己嫌悪のターミナル / 13. 2月11日
INTERVIEW : 篠塚将行(それでも世界が続くなら)
心の底から彼らの音楽を必要としている人がいる。それは僕がここで語るよりも、それでも世界が続くならのAmazonレビューを見れば、彼らの音楽がどれだけの人に深く求められるのかがわかる。不特定多数の人に気に入ってもらうことなんて考えていない。それよりも、届くべき人にどれだけ真摯に届くのか。ここまで愚直で真摯でむき出しのバンドを観たことがない。
インタヴュー内でも語っているように、ヴォーカルの篠塚将行は激しいいじめを経験している。それだけに、そのつらさを誰よりもよく知っている。同じような思いをもった人たちに届くよう音楽を作ってきた彼が、本作ではそうした対象さえもできるだけ考えずに曲を作ろうと務めた。それは、そうすることでより伝わるという確信の裏返しでもあり、その音楽の強度を高めるための必要事項でもあった。彼らが作り上げた5作目のアルバムについて篠塚に話を訊いた。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
コミュニケーション能力の高さ低さとかあんまり気にならなくなりました
ーー篠塚さんが音楽に深く触れるようになったきっかけってなんだったんですか?
篠塚将行(以下、篠塚) : 音楽に詳しい友達っているじゃないですか? 僕は不登校で、学校に行ったとしても音楽室とかでテストを受けていたんですけど、いじめられていようが馬鹿にされていようが、あんまり気にしないやつが1人だけいてくれて、そいつがいろいろ教えてくれましたね。
ーー学校に行ってない時間は何をしていることが多かったんですか?
篠塚 : ずっとギターを弾いていました。片親の母親が教師で、日中は家におじいちゃんとおばあちゃんしかいなかったので、心配をかけたくないし、いじめられていることも言えなくて、学校に行ったことにしてミスタードーナツにいることが多かったです。
ーーミスタードーナツでは何を?
篠塚 : 夜に作った曲の歌詞を書き起こしてました。ほとんど歌詞とメロディのシンプルなものなんですけど、紙に書き起こして、ここは変だなとか、ここはこれだけでいいやとか、1人でコーヒーを飲みながらずっとまとめる作業をしていました。
ーー頭で考えるより、わりと瞬発力で出てくることが多いってことですか?
篠塚 : そういうふうに努めてしている感じですかね。うまくいえないんですけど、僕は根が生真面目で常識にとらわれちゃうタイプなんですよ。もともとメロディだけを作ってギターのコードを弾いて、後から歌詞を書いていたんですけど、ある時地元のライヴハウスのPAの人と店長さんに「お前の歌って机の上で書いてるのが見える」って言われて。僕は器用じゃないので、机で書いていると机で書いてる歌詞になっちゃうんです。歌を聴くだけで見える人には見えるんだと思ったら、嘘がつけないのが悪い方向に見えている状況だと思って。だから、同時に作るしかないっていうか、自分で縛りを作ってやるようになったんですよね。
ーー最近はいろいろ経験を積まれて空気を読むことができるようになったっていうことをインタヴューでおっしゃってましたけど、もともとそういう部分もあった、ということですか?
篠塚 : もともとこういう人間だった気がしますけどね。いじめられると特に相手に合わせないと基本殴られる回数が増えるので。合わせることが上手にできていないからイラッとさせるんでしょうけど。基本的に、相手に同調していくのが僕の場合は上手じゃないから。いじめられてたときから癖になっていた同調するっていう部分が、いまになって完成してきてしまったのかもしれません。あんまりいいことじゃないんですけど、もはや自分では興味がなくなってしまった。コミュニケーション能力の高さ低さとかあんまり気にならくなりました。
僕が影響されてしまうものを意図的に閉じていく必要があった
ーーそれを踏まえると、作品作りって基本的に自分が生み出すもので、相手がいるわけじゃないじゃないですか。作品に向かい合う時はなにを考えて作っていくんでしょう。
篠塚 : これは、レコード会社でインタヴューしているなかで話すことじゃないかもしれないんですけど、昔から商業ベースの考え方があまり好きじゃないんですよ。自分の好きな音楽くらい、ある意味、媚びた商業ベース的な考えをできるだけ排除したいんですよね。だから、曲を作る時は努めて他人のことを考えないようにするというか、特に想像ができない誰かのことは脳内から消そうとしているんです。今回に関していったら、完全にそれも閉じたっていうか。
ーー想像できる人のことさえ考えない?
篠塚 : もちろん、まったくのなしにはできないと思うんですよ。例えば影響された音楽は? ってよくインタヴューでされる質問を例にして言えば、嫌いなバンドや興味のなかったバンドでも、聴いている時点で脳裏に焼き付いてしまうことってあるじゃないですか。自分は基本的に他人に影響受けやすいタイプなんですよね。それによって自分がブレてしまうのがいやなんで、今回はできるだけ閉じたかったんです。そもそも、今作の内容は、ファンレターをもらったことがきっかけだったんですよ。ファンレターをくれた子は、今まで親にも言わなかったような閉じた感情を書いてきてくれて、僕はそれを読んだとき、すごくライヴしてるなって思ったんですよね。それを僕ができているのかな? と思ったとき、相手の顔色が少なからず入ってる時点でできていないと思ったんです。もっと自分の本質や原風景だけでだけで出来る限り純度を高めた作品を作りたい。それがきっかけで今に至るんですよね。
ーーファンレターの純度の高さは、篠塚さん1人に向けて書かれた分、受け止めるには大きすぎる強さを持っている可能性もあると思います。そうしたエネルギーは、楽曲にも影響を与えていると思いますか。
篠塚 : あると思いますね。変な話ですけど、できる限り対等でいたかったからこそ排除しようと思ったんですよ。自分が思ってることを歌にするって恐いことじゃないですか? 文章でもなんでもそうですけど、例えば(記者に向かって)あなたが記事を書くときって言葉を選びますよね? 自分が「ふざけんなよ、死ねよ」と思ったとしても、死ねよとは書かない。もちろん記事を書く人はそうあるべきだと思うんですよ。でも今回、僕はそこから出たかったんですよね。僕が彼らと対等になるには、より商業ベース的な要素や、僕が影響されてしまうものを意図的に閉じていく必要があったんです。
ーー実際に閉じようとしたり排除しようとしても、これまでの習慣は簡単に変わらないですよね。それをどうやって閉じていったんでしょう?
篠塚 : 例えば、アドラー心理とかでは、ライフワークを変えるには今までかかった半分の時間がかかるって言われてるんですよ。変な話、僕がそういうアルバム作ろうとしたところで、閉じきったと言い切るのは簡単かもしれないですけど、まあ嘘ですよね。それに、もしかしたら僕が閉じたことによって対等じゃなくなるかもしれないし、本当にやってみなきゃわからなかった。単純にライヴに来てくれた人とか、インタヴューを読んでくれた人もそうですし、ファンレターをくれた人もそうですし、もちろんこう話してくれる人も、スタッフも、一緒にバンドやってくれる奴らもそうだし、まあ皆と僕が対等になる方法を探していた。相手が望んでいることを察知して空気呼んで演じるのは楽ですし、上辺でいれれば案外話せるねってなっちゃうんですけど、それはしたくなかった。
ーーそういう気持ちを歌詞にも落とし込んだ?
篠塚 : う~ん、わかんないな。一聴したら僕の歌って単純に暗い歌だと思うんですよ。昨今、バンドもアイドルも含めて相対的には音楽って明るくなっていると思うんですよ。別に僕も暗いものを作ろうとしてる訳じゃないんですけど、確かに暗いよなって思うんですよね。僕はあまり自分の感情みたいなものは信用してないというか、信用しない方がいいと思っていて。
ーー自分の感覚を信用しないというのは、どういうことですか?
篠塚 : 感情って一過性のものじゃないですか。長期的に虐められて、慢性的なストレスがある場合は話が別なんですけど、例えば今日めっちゃ楽しいとか、今日すげー嫌なことがあったとか、すごく不愉快だとか、そういう感情をあまり信用していないんですよね。僕は音楽のことしか言えないですけど、文章を書くのとか、曲を作るのって、その時は別に楽しくはないですよね? 少なくとも、すっげー楽しいとかにはならない。
ーーたしかに、やっている最中はそうならないですね。
篠塚 : でも、やりたいから音楽をやっていて、できるところまで突き詰めたい。一時の感情に左右されすぎると、ちょっと快楽主義的な方向に行ってしまう気がするんですよ。あまりにも感情的にものを書くと、後で恥ずかしかったこともあるので。昔書いた手紙とか、自分で読むと恥ずかしくなるじゃないですか。それが嫌だったので、できるだけ簡単な言葉で、本当にあったことを1つのドキュメンタリーに起こす、記録するってことをしたかった。今、レコーディングって言葉を聞いたら、ほとんどの人が、作品を作るための素材を録るイメージだと思うんですよ。僕は、空気感も含めて記録として残していくことをしたかったんです。
誰かから見れば失敗なのかもしれない部分こそ愛しい
ーーそういう意味じゃ、今回は同室一発録音ということで、ヴォーカル以外は一発録りなんですよね。
篠塚 : 本当はヴォーカルも一発録りをしようと思ったんですけど、ライヴ・レコーディングみたいに思われるのが嫌で避けたんです。アイツらライヴ録音だからって除外されたくなかったっていうか。別に同時にも録れたんですけど、スタジオでライヴ録音した音源って区分けをされる気がしたんですよ。スタジオ・レコーディングのアルバムとわけられちゃったら、僕としては意味がなくて、どっちかっていうとレコーディングのあり方を疑問視しているっていう自分たちの気持ちも残しておきたかった。提示的な部分も入れておきたかったんですよね。
ーー疑問視ってのは楽器ごとにレコーディングして素材を録るっていうそれでいいのか? ってことですか?
篠塚 : それはそれでいいと思うんですよ。僕そもそもエレクトロニカも好きですし、知り合いにもいるので。だけど、レコーディングって聞いた時に、そっちが浮かんじゃうってことが比率的に多いこと自体おかしいなと思うんですよね。素材として録って、繋いでいくことは駄目とは思わないんですけど、例えばロック・バンドとかがそれをすると、バンドで練習する必要はないし、演奏する必要ってなくなるんですよね。音楽が作りたいと思ってバンドを組んだ人たちにとって、あんまり意味がない気がする。演奏する技術とか練習することの意義、ライヴすることの意義がどんどん低下していくと思うんですよ。
ーーそういうこだわりの中レコーディングされた本作ですが、ピークわってるんじゃないかってくらい音がでかくて驚きました。
篠塚 : その辺の話、したいですね。エンジニアさんといろいろ話した時に、最初アナログで録った方がバンドのやりたい方向が分かりやすいんじゃないか? って提案されたんですよ。で、話し合っていくうちに「どっちの方がエグい音なんですか?」って質問して。アナログで録った方が1発録りっぽくてキャラクター的に成立するから、それっぽくなるんけど、デジタルでやった方が固くて鉄の音がするって言われて。そこから鉄の音を録りたいって話になって、じゃあデジタルでアナログのような録り方をしよう。今の文明だったり機器だったりを使って、昔みたいな手法で録るってことになったんです。テープで録音するとピークの頭は丸くなるんですけど、デジタルはピークが一気につくんですよね。その話を一緒にエンジニアさんとした時に「わかった。俺が怒られればいいね」って。
ーーあはははは。
篠塚 : レコード会社って、クオリティーをキープするのが仕事だから、止めるのは当然なんですよ。でもエンジニアさんに「個人的にどっちの方が好きですか?」って訊いたら、「俺は潰れてる方が好き」って。そしたらメモに「怒られるようなレコーディング」って書き出して。そうして録ったので、言われたみたいにピークついてますよね。
ーーあと、1つ1つの音も太いですよね。今回ドラムの栗原さんが骨折した状態で録ったということで、1つ1つ音を大きくしたんですか?
篠塚 : いや、そこは関係なかったですね。むしろ逆というか、片手でやってると当然手数が少ないじゃないですか。しかも、ハイハット側の手が折れたので、スネアの手で頑張ってハイハットを叩いてるんですよ。だから、最初は遠慮してアンプの目盛をちょっと下げたんですよ。でも、その日のスタジオが終わったころには、皆でかくなってましたね。遠慮したら駄目だって思ったんですよ。ドラミング的に、はっきりと言ってしまえば、叩けないんですよ。本人片手でも叩くとは言ってたんですけど、できるわけなかったんですよね。そんな状態で気を遣っていたら、他のパートが駄目になっていくんです。アンサンブルも駄目になっていくし、気を遣いあったら終わりだってことで、みんな気付いたら音量を上げていた。気を遣ったら友達としても終わりだし、一緒にバンドやっている人間としても、音楽を作っている仲間としても、終わりだなと思ったんです。今思えばひどい話なんですけどね。ずっと大きい音を出していたら、ドラムもごまかせるじゃないですか? でも、Aメロになった時とかギターがスッと抜けるんですよね。ドラムを叩けないのに、ドラムとベースだけのアレンジにするとか、一緒に音出してごまかしてあげればいいのにしないんですよね。誰も気遣わないが行き過ぎてるというか。
ーーつくづく、よく録りましたよね。
篠塚 : そうですね。レコード会社の人も、ドラムを2つ重ねればいいんじゃないかとか、録った音を並べて修正すればいいんじゃないかとか、クオリティーをキープするために最初提案ありましたけど、まあ完全に全部無視しました。
ーーほぼいじってないと?
篠塚 : 逆に、ほとんどいじれないんですよ。全員が同じブースにアンプとか入れちゃったんで。ドラムに向けてアンプを3台並べて、3台同時にドラムに向けて音を出していたんですよ。普通は壁に向けるんですけど、ドラムのマイクにむしろ入れている。僕のギターのフェーダーを上げていないにも関わらず、ドラムのマイクにギターの音が爆音で入っているから、もういじれないんですよね。
ーーOTOTOYでもライヴ・レコーディングをすることが多いんですけど、基本いじれませんよって言うとみんな怖がりますよね。それを考えると直すことを考えて、マルチで録りたがる人が多い。
篠塚 : みんな、本当にそう言うんですよ。もちろん、決してそれが悪いわけではないんですよ。音楽的にそうあるべきっていう人もいますし、ライヴなのにオートチューンで歌を修正しながらやってる人もいるじゃないですか。はじめて聞いた時、衝撃が走ったんですけど、それでクオリティーが上がるっていう発想の人もいるんですね。さっきも言いましたけど、僕はライヴハウスの店員で、元々がライヴとバンドって発想に特化した人間だと思うんです。自分で演奏できないのに、CDもライヴも動画にする時も、修正してなんとかするって、なんていうんですかね… 行き着く先ってどうなるんですかね。ドラムでいったら、ハイハットの音を1発叩いて、スネア、バスドラの音も叩いて、あとは並べるだけで打ち込んでOKになっちゃわないかって。ジャンルにもよるんですけど基本的には好きじゃないんですよね。どっちかっていうと、歪んでいることのかっこよさっていうか、人間と機械の違いというか、完璧じゃない愛しさだったり、リズムキープしているつもりが、あまりにも気持ちが入って前のめりになっちゃう感じとか、そういう人間にしかできない、誰かから見れば不正解、誰かから見れば失敗なのかもしれない部分こそ愛しいと思うんです。そういうバンドがなくならないでほしい。僕らのやり方がすごく素晴らしいとは言い難いんですけど、でもこういう考え方や方法論もあるよねっていう選択肢があっていいと思うんですよね。
LIVE SCHEDULE
それでも世界が続くなら ワンマン・ツアー「半透明な帰宅」
2015年6月20日(土)@愛知・名古屋MUSIC FARM
2015年6月21日(日)@大阪・天王寺Fireloop
2015年6月23日(火)@福岡・福岡Queblick
2015年7月1日(水)@東京・下北沢CLUB Que
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PROFILE
それでも世界が続くなら
2011年1月、現メンバーで「それでも世界が続くなら」としての活動を開始。
Vocal,Guitar 篠塚 将行 / Drums 栗原 則雄 / Bass 琢磨 章悟 / Guitar 菅澤 智史