3776“歳時記”シリーズついに完結!──渋谷WWWでのワンマン・ライヴをハイレゾ音源で配信開始!
これまで、徹底されたコンセプトのもと伝説的なライヴを披露してきた富士山のご当地アイドル、3776(みななろ)。2019年8月15日(木)に渋谷WWWにて行われたワンマン・ライヴ〈盆と正月が一緒に来るよ! ~歳時記・完結編〉のライヴ音源がいよいよ配信スタート。約4年ぶりにリリースしたフル・アルバム『歳時記』をひっさげて、満員のオーディエンスの前で展開したこの日の3776ワールドは、まさしく過去最大級のものでした。ノンストップで繰り広げられたこの日のライヴを、思う存分味わってもらうために、OTOTOYでは当日の様子をライヴレポートと共に24bit/96kHzのハイレゾ音源でお届けします。ライヴに足を運んだ人も、そうでない人も、あの一夜をぜひお楽しみください!
写真 : 大橋祐希
過去最大級の3776ワールドが展開! WWWライヴ音源、配信スタート!
約4年ぶりのフル・アルバム『歳時記』もハイレゾ配信中!
LIVE REPORT : 〈盆と正月が一緒に来るよ! ~歳時記・完結編 〉@ 渋谷WWW
文 : 松崎陸
〈日付と時間と音楽の融合〉をコンセプトに、富士山ご当地アイドル3776が、2019年8月15日(木)に渋谷WWWにてワンマンライブを行った。約4年ぶりにリリースした『歳時記』は、これまでの歳時記シリーズの集大成という作品になっている。今回のライヴもまた、これまでの歳時記シリーズの楽曲を詰め込んだ、まさに“完結編”にふさわしい、有終の美を飾るパフォーマンスだった。
当日のライヴの構成は、8月15日から1日も欠かすことなく唱える日付と音楽に乗りながら、1年間の季節を夏、秋、冬、春、そして夏へと巡る、時間旅行のようなものだ。その季節にマッチした楽曲と3776井出ちよののパフォーマンス、そして流れ続ける日付を身体で感じると、1年間をたった1時間で体感したような心地になり、不思議な感覚を味わった。
また、ライヴには井出ちよののほか、プロデューサー石田のDJが初披露された。DJプレイと井出ちよののパフォーマンスが共鳴し合い、会場を3776の世界へと完全に染め上げていた。終演後の鳴り止まない歓声、拍手がそれを物語っていたように思う。
本番前、僕が話を聞くと井出ちよのは栄養剤を致死量飲んで、体調が良いと公言していたが、マネージャーによると、本番前の別のインタヴューでは、体調が悪いと言っていたらしい。今回が歳時記シリーズの最終章で、一層に気合が入っていたのだろう。しかし、そんな様子を微塵も感じさせない圧巻のパフォーマンスだった。
まずは「盆唄音頭」の始まりとともに井出ちよのが登場。楽しげな夏祭りの空気に会場はあっという間に温まり、そして本ライヴのコンセプトを伝えるため、十二支についての説明が行われた。この布石を打ったところで、次第に会場は薄暗くなり、ここからオーディエンスは何か途方もない世界へと引き込まれていったのだった。
続いて「月の光」が流れると、不穏で幻想的な空気が会場を包んだ。月明かりの微かな輝きと少し肌寒くなった秋の心地を運び、ノイジーで疾走感のある「まなこ雲」を経て、篠笛の音が会場に流れてくる。「祭りという文化に、もっとたくさん触れてみてください」というMCのもと、「秋祭り」が披露される。曲の終盤にちよのが不在となったが、照明が切り替わり、石田のDJがエレクトリックな祭りを見事に表現していたように思う。会場のヴォルテージは、年末の忙しさのように、急速に高まっていった。
祝祭を彷彿させる、「メリークリスマス&ハッピーニューイヤー」で力強い歌声で響かせ、その後に神聖な空気をまとった「正月はええもんだ」に合わせて踊る姿は圧巻だった。続いてポップ・チューンの「2037年のバレンタイン」で明るさを取り戻すが、衣替えのためちよのが不在に。再びDJ石田のみで「春が来た」を披露。
続く「しゅんみん」は目前に春の暖かさが迫るも、まだ少し肌寒い春の様子を、虚ろげに「眠い」という言葉を繰り返しつぶやいて表現する。次の「さくらさくら」はまさに、あっという間に散ってしまう儚くも美しい桜だった。ここまでの会場は幻想的な世界に包まれていたようだったが、ここからのパフォーマンスは一気に加速していった。アップテンポで激しく繰り広げられるキラー・チューン「八十八夜」に観客はこれから始まる夏に胸を高鳴らすように身体を揺らしていた。
ここでちよのが、「夏まで時間があるので、即興曲でもやりますか!」と高らかに宣言。“8月”をテーマに、セミの鳴き声の真似やボイス・パーカッション披露したり、「かき氷食べたあとに舌を見せないでほしい」とプライベートな悩みを打ちあけていた。即興曲の最後は「未来は見たくない」と叫び、観客もちよのの言葉に応え、大合唱が起きる。高校卒業を控える、未来への不安や今の幸せを素直に吐き出した言葉が、会場全体をより強固に結んでいく姿に胸を打たれた。そして、またしても衣替えのため、ちよのが不在に。会場もそれに合わせて微かに薄暗さを増し、石田のDJがじわじわと近づく夏の予感を感じさせていた。
ちよのがステージに帰ってきて、いよいよ2回目の夏がやってくる。ボールが弾むようなリズムで、無邪気な「ほたる来い」を歌いあげ、次の最新曲「リピーター」へと繋げる。この曲の会場の盛り上がりはこの日の中でも凄まじいものだった。情熱的な歌声と躍動感溢れる音楽に、その場にいた全ての人が虜になっていたのだろう。最後に「盆唄音頭」へと、時間を一周したところで本編が終了。鳴り止まない拍手と歓声、間違いなく最終章にふさわしいライヴだった。
歳時記シリーズはこれにて完結だが、これから新たに始まる3776には期待せずにはいられない。3776は一体どんな進化を遂げていくのだろうか。3776の〈未来〉を楽しみにしていようと思う。
〈セットリスト〉
01. 盆唄音頭
02. (十二支と日付)
03. 月の光
04. まなこ雲
05. 秋祭り
06. メリークリスマス&ハッピーニューイヤー
07. 正月はええもんだ
08. 2037年のバレンタイン
09. (春がきた)
10. しゅんみん
11. さくらさくら
12. 八十八夜
13. 即興曲
14. ほたる来い
15. リピーター
16. 盆唄音頭
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編集 : 伊達恭平
これまでの3776ワンマン・ライヴの様子もOTOTOYにて掲載中!
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PROFILE
3776
富士山ご当地アイドル3776。3776の読み方は、「みななろ」。3776は、富士山の標高。2013年6月22日、富士山世界遺産登録と同時にオリジナル曲『私の世界遺産』で本格デビュー。活動拠点は富士山のふもと静岡県富士宮市。
季節ごとにその姿を変える富士山を、画像で切り取っていくかのように、いくつかのスタイルが共存する3776。最もポピュラーなスタイルは、井出ちよののソロ・ユニット・スタイル。
【公式HP】
http://m3776.com
【公式ツイッター】
https://twitter.com/minanaro3776