自分が自分に甘くしたらもう終わりだと思ってて
──白キャンのメンバーはどうなんですか?
三浦 : ひかるちゃん(麦田ひかる/白キャンを2020年に卒業)と悠子ちゃん(立花悠子/白キャンを2019年に卒業)は壁がないです。友達とグループのメンバーではちょっと違うんじゃないですか?
──SNSが苦手とずっと言ってるじゃないですか。自分のことを出したくないっていうことと関係してるんですかね?
三浦 : 自分を出すことでファンの人も応援したい、支えてあげたいとなると思うけど、自分の考えが現代じゃないのかもしれないですけど、私が弱みとかを発信するのは……。私が好きなモデルさんとか女優さんって、SNSを見てても、病んだとかネガティヴな投稿を見たことがなかったし。Stereo時代もネガティヴなことを発信する子はいなかったし、そういう文化がたぶん自分のなかにあんまりなくて。白キャンに入ってびっくりしたんですよ、「病んだ」とか「もう死にたい」とか「鬱」とか、すごい周りから聞くようになって、最初は戸惑ったし。私がたまに意味深なことをInstagramのストーリーに上げると、全然そういうつもりじゃなくても、すごい深読みして心配してくださる方もいて、なんか申し訳ないなと思っちゃって、やっぱりそういうのを私はするべきではないなとは思いますね。私が病んでるのを見たくてSNSをフォローしてる人は別にいないんじゃないかな。
──自分はそういうスタイルじゃないと。
三浦 : だから「人間らしさがないね」と言われます。もう言われ慣れちゃって。「菜々子ちゃんは強いから自分が応援しなくても大丈夫」とか。青木さんにも「感情あるの?」って言われたことあるんですけど(笑)。だから最初は「私って人間っぽくないんだ? 感情あるけどな?」とか思ってたけど、「まあ、そう見えるんだな」っていう風に一意見として聞き流せるというか、「また言われたなあ」っていう受け取り方ができるようになりました。病んだことを発信したほうが確実にいいって言うんだったら、「わかりました」って言うことを聞くけど(笑)。ツイートや配信をしちゃう子は、自分をさらけ出して、ファンの方と距離ゼロでやって、ファンの方から温かい言葉をもらって、「大丈夫だ」って思いたいのかもしれないけど、私は別にそうしてもらわなくて大丈夫……って思います(笑)。
──健全ですね(笑)。
三浦 : もし本当に自分が病んでしまったときに、ファンの方や周りから何か言われて立ち直れるかって言ったら、そうでもない気がして。自分の心のケアは自分でできるようにならないと。そうやって自分で強くなっていかないと、今まで生きてこれなかった。Stereoは本当に叩かれまくってたんじゃないですか? 炎上して「太平洋を泳いで死ねよ」と書かれて(笑)。やっぱり自分で強くならないとやっていけないと思ってたし。白キャンは、心がちょっと弱ってるときに、何かの拍子で泣いちゃったりとか、レッスン中とかも泣いて出ていっちゃったりとか、よくあるんですけど、私はそれをやったらぶちのめされる環境にいたから、それは絶対にやらないです。私はひとりで泣きます。
──言い切りましたね。
三浦 : だから「白キャンぽくないね」ってめっちゃ言われます(笑)。
──以前のインタビューで、「白キャンぽくない」と言われるという話題で、三浦さんが泣いたことがありましたね。
三浦 : あのときはめちゃめちゃ心を病んでたんですよ。私、あのときインフルエンザだって後で知ったんですけど、心も身体も弱ってたから泣いてしまったっていう黒歴史です(笑)。
──とはいえ、三浦さんは白キャンの歌姫だというのは誰もが認めているし、自信はつきましたか?
三浦 : ううん、ついてないです。むしろ自信は昔のほうがありました。自分に対する自信と自己肯定感をともに年々失くしてしています。自信がつく出来事が何ひとつない。
──たとえばライヴで「今日の歌、良かった」とか、言われると思うんですよ。
三浦 : ありがたいけど、自分がそれに納得してないと自信にはならないです。
──でも、それで自信がなくなっていくのはもったいない話じゃないですか。
三浦 : 白キャンに来たときに、自由でのびのびした印象があって、だからこそ自分がいちばん自分に厳しくしないといけないな、っていうのは入ったときに決めたんですよ。
──自分に厳しすぎるんじゃないですか?
三浦 : よく橋本美桜ちゃんにも言われます(笑)。でも、自分が自分に甘くしたらもう終わりだと思ってて。
──それはしんどくはないですか?
三浦 : うん、しんどいときもありますけど。でも、そういうもんだと思ってるから。
──芸歴が長いからストイックなんですかね?
三浦 : ストイックじゃないと思うんですよ。メンバーそれぞれ何か武器がある中で、自分が何もないってわかってるから、がんばることだけはやらなきゃいけないっていうのをずっと思ってて。
──自分に武器がないというのは思い込みなんじゃないですか? 歌っていう圧倒的なアドバンテージがあるじゃないですか。
三浦 : それはファンの方が勝手に「歌姫」ってつけたから、そういうふうになっちゃってますけど、全然そんなことないし。