思いっきり変に間違えるから直しがいがある
──新メンバーが2人同時加入で、同期がいるというのも心強いですよね。
ワニャ+:安心感があります。
ユイノン:1人じゃなくてよかったって思います。
──2人が入ったことで、パフォーマンス面での変化はありますか。
タマネ:お客さんから見ても、親しみやすさメーターがちょっとずつ上がっているんじゃないかなと思うんです。メンバー全員でライブ前に確認して、ウェルカムな態度でステージに立つと、今日のライブ良かったねって言ってもらうことが多い。あと、2人とも飲み込みがいいので、苦労したこともあまりなくて。ワニャ+は元々経験があったし、ユイノンもフラダンスの経験がベースになっていてまた違うダンスではあるけど、すぐ飲み込んで吸収してくれるから。(ユイノンを見て)……あれ、違うって顔してる?
ミミミユ:私が振り付けを2人に教えているんですけど、ワニャはめちゃくちゃ容量が良いから早くて。全員で振り入れした時も、みーの次ぐらいに早いから教えやすい。
ワニャ+:違うんです! 覚えれないから、家で9割くらい覚えるんです。
ミミミユ:でもユイノンは覚えが悪い。だけど、思い切りがいい。間違えるところも思いっきり変に間違えるから直しがいがある。
一同:(笑)
ミミミユ:それとともに自主練をめちゃくちゃやってくる子だから、成長著しいです。
ユイノン:フラダンスと違って、ステップがすごく難しくて。
タマネ:ジャズヒップホップとか、ハウスとかの要素もあるからね。
ユイノン:ガチなダンサーの体の使い方が必要だからついていけない部分もあって。でも、ライブではすごく感情的に楽しくできてるから、ついていけなくてもついていった気になってます。もっと表現方法を身につければ、グループ自体が広がっていくと思うのでもっとがんばりたいです。
ワニャ+:私もずっとミュージカルっぽいのやってたりしていたので、ここまで激しいダンスはやったことがなくて。あと、全員で1個のものを作る意識が強いダンス構成になっている曲が他のグループよりあると思っていて。アイドルっぽい振り付けとか、可愛く見せるみたいなものより、この人を支えに行くとか造形が綺麗なものを表現しているものが結構あって。全員で1つのバラを表現したり。大変だけど楽しいです。
──ミシェルのレイヴといえば、ブラジルさんが何かに憑依したように一心不乱に踊り狂うのも印象的です。パフォーマンス中はどんな感覚でいるんでしょう。

ブラジル:ちょっと前まではお客さんを無視して曲に入り込むみたいなパフォーマンスをしていたんですけど、それはダメだという意識がパフォーマンスの面でもあって、最近はずっと理性があります。
タマネ:ほんとか(笑)?
ブラジル:お客さんに対して魅せるっていうのもそうだし、メンバーとのコミュニケーションも気をつけています。入り込みすぎないように。自分が楽しむんじゃなくて、人を楽しませるパフォーマンスに切り替えました。
──それはなにかきっかけがあったんですか。
ブラジル:去年の夏ぐらいに田中さんから、外に向けたパフォーマンスをしなきゃダメだってことを言われて。で、少しずつ変えていった感じです。ただ、私は人が苦手なので、理性を保つと、しんどくて。それに耐えられるようになるまで時間がかかりました。
──人が苦手というのは、そこにメンバーも含まれる?
ブラジル:そうですね。今でもあまり目を見れない。それこそ前まではライブ中、一切目が合わないレベルだったんですけど、最近はすごく頑張って。対峙した時の振り付けとか頑張って見ながらパフォーマンスできています。
タマネ:たまに見て変顔とかしてくれるもんね。
──レーレさんは、パフォーマンスの変化を感じますか。

レーレ:私は逆に入り込めなくなった時期があって。冷静すぎるというか。それで悩んでいたことはありました。2020年にリリースした『ALICE』の辺りは全員が物語に入り込むようになっていたんですけど。今は、さっきタマネが言ってた親しみやすさをライブで感じてもらえるようにしてて。前まで自分ではレイヴ中に表情豊かではない方だと思っていたんですよ。あまり笑ってなかったかなと、クールだねって言われる事も多かったので。
タマネ:そうなの?
レーレ:曲調にもよるんですけど、全然笑ってないなって結構自分でも自覚してる時があって。最近はアイドルらしさを逆にステージでわかりやすくしようと意識していて。笑顔が自然と増えてきて、最近めちゃくちゃ笑顔だよねってファンから言われることが増えました。だんだん「アイドルらしさ」が出てきたというか。
──そして、「ミシェルなりの”オズの魔法使い”」を描く三部作シングル作品の第一弾『OZ one』がリリースされました。新メンバー2人にとっては初めてのミシェル作品です。
ユイノン:今までサブスクでのリリースは経験してきたんですけど、CDは人生初めてで。頑張るぞ!って感じがすごいありました。私はCDを集めるのが趣味なので。
ワニャ+:私は、みんなと声質が違いすぎるので、ミシェルのワニャとしての歌い方を模索しながらのレコーディングで、すごく難しかったです。「Tornado」は割と自分の声そのまま歌うみたいな感じでできたんですけど、「Emerald」の語りかける喋り口調のセリフだったり、シュッってしゃくりあげる歌い方をしたことがなくて。デモが来てから3日後とかにレコーディングだったので、めっちゃ大変でした。
──新曲2曲が加わったことで、表現の幅だったり色にも変化があったんじゃないですか。
タマネ:『ALICE』は1人の女の子が彷徨い歩きいろんな人に出会って最終的に自分の力でって感じだったけど、オズは出会った仲間と一緒に進んでいく感じの物語なので、私的にはそういうものをレイヴでも見せられたらいいなと思っていて。表現的にも幅が広がったと思うんです。ワニャも言っていたとおり、しゃくり上げるみたいなギミックがあったり、たくさんの感情を含めた歌い方だったり踊り方だったりがすごくできるので、この先もっと表現の幅が広がるんじゃないかなって感じています。
──ミミミユさんも隣で頷いてましたけど、表現が広がった感触はありますか。
ミミミユ:あります。特に「Emerald」には、今までになかったような可愛い感じが入ってるので、そういう私たちをお見せしていきたいです。