挑戦させてもらえるのは、やる気につながります
──トギーさん自身はなにが成長したと思いますか?
トギー : やっぱり人に任せられるようになったことだと思います。いまの新体制になって、最初の頃から課題にしてきたことではあったんです。でもなかなか上手くできなくて、やっとできたと思えたのがZepp Hanedaでのライヴだったのかもしれないですね。あとはパフォーマンスの面だと、空間を考えて前の曲の流れから歌い方を考えられるようになりました。
──今まではそういうことを考えられる余裕がなかった?
トギー : なかったですね。嫌な記憶が出てきちゃって、上手く歌えない曲があったんですけど、やっと回復しました。まあ1年前から引きずりすぎなんですけど。
──なるほど。
トギー : この前、とある大尊敬しているアーティストの方とおしゃべりする機会があったんです。「レコーディングで毎回泣いてしまうメンバーがいるんですけど、いつくらいに自分は上手く歌えるなと思えるんですか」と質問したら、「10年くらい経ったら、歌いたい歌が歌えるようになるよ」と言っていたんです。その人が10年かかるなら、加入して半年のイコが泣いてしまうのはしょうがないし、私にもできることはあるなと思いました。イコにも「上手く歌えていたから信じればいいんだよ」ということを話したらすごく楽になっていたようでした。3年くらい経ったらやめてしまう人も多いと思うんですけど、3年なんてあっという間だなと思えるようになりましたね。

──BiSHが解散して、体感していることはありますか?
トギー : BiSHに頼りすぎていたなと思います。WACKはいま、どのグループかが支えないといけないし、BiSがそうなれるようにならなきゃと痛感しました。新時代と呼んでいただいているうちに、BiSは頑張らないといけないですね。
──先日11月には、フルカワユタカ(DOPING PANDA)さんが作詞/作曲/プロデュースを担当したシングル『LAZY DANCE』がリリースされました。この表題曲“LAZY DANCE”はどんな曲になりましたか?
トギー : 前回の“イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム”とは打って変わってメンバーの生の声が出ている曲だなと思います。たくさん加工するのもかっこいいですけど、みんながもっている声を生かそうとしてくれたが嬉しかったです。だからこそ、歌がもっと上手くならないとなと気が引き締まりましたね。楽曲はDOPING PANDAのテイストに寄せてくれたと思うんです。だからDOPING PANDAのファンの方にも刺さると思います。
──フルカワさんは、BiSのどんな新しい部分を引き出してくれましたか?
トギー : 2曲ともハモリをメンバーがやったんですけど、それははじめての挑戦でした。“LAZY DANCE”のサビはナノとヒューガーでハモっています。切り替えは難しいですけど、ハモりって楽しいじゃないですか。新しいことに挑戦させてもらえるのは、やっぱりやる気につながります。カップリングの“なまえをよんで”でも、ナノとヒューガー、トギーとイコがハモっています。
──なるほど。やっぱりハモりは難しい?
トギー : 難しいですね。1回ハモった後に戻れなくなっちゃいました。でもハモりができるのはBiSにとっての武器になると思います。
──これは歌詞もフルカワさんが担当しているんですよね。
トギー : そうです。全くBiSのことを調べずに書いてくださったらしいです。バンドとアイドルは違うものだけど、共通するものがあるから通じ合えたのかなと思いますね。
