渡辺さんに「お披露目は幕張だから」って
──翌年の〈WACK合宿オーディション2022〉にも参加したんですよね。
ヒューガー : すでにそのときには、もう諦められなくなっていたんです。合宿の募集がはじまったらすぐ応募したんですけど、そのときは書類で落ちたんですよ。それですごく悔しい思いをしていたんですけど、合宿の直前に「合宿前日に全員面接を行います」という渡辺さんのツイートを見たんです。HPには「今まで書類審査で落ちてしまった方、面接で落ちてしまった方も不問」と書いてあったので、いてもたってもいられなくなりましたね。必要なものを全部用意して、受かったときのためにキャリーバックに荷物を詰めて、夜行バスに乗って大阪から東京に行きました。面接のとき、「今年も来る?」って言ってもらったので、そのまま合宿に行くことになりました。
──2022年の合宿はどこまで行ったんですか?
ヒューガー : 2022年は4日目で脱落しました。あのときはすごくビビってたんです。「また失敗するんちゃうか」とか「アカンって思われるんちゃうか」とか去年のトラウマがありました。そういう負の感情のせいで、なにをするにも奥手になっていたんだと思います。
──2022年の合宿は本当にレベルが高かったですよね。
ヒューガー : 当時オーディションを受けていたASPのチーチーさんと一緒のチームになったんですけど、「私と一緒でいいんですか?」みたいなレベルでした。参加者の方には、すごく刺激をもらいました。
──合宿が終わってから、ヒューガーさんはどうしていたんですか?
ヒューガー : 3月の合宿が終わって数ヶ月後に上京しました。それもWACKに物理的に近づこうと思って引っ越してきました(笑)。そのあと、夏に〈WACK合同オーディション2022 in SUMMER〉のお知らせをTwitterで見て、「これは、4度目のチャンスや!」と思って応募しました。面接では「お前しつこいな(笑)」って言われました。自分でも、しつこいと思います(笑)。
──結果が伝えられたときはどうでしたか。
ヒューガー : 当時は生きた心地がしないまま、日々を過ごしてました。しばらくして渡辺さんから「BiSにどうかと思ってるんだけど」って電話がかかってきました。「これは夢かな?」と思うぐらい嬉しかったです。電話を受けたのは道端だったんですけど、「ありがとうございます!」ってお辞儀しました。周りの人からしたら、完全に変な人だったと思います。
──ヒューガーさんは、いつからBiSに入りたいと思ったの?
ヒューガー : 2021年の合宿のとき、元BiSのチャントモンキーさんと同じチームになって、BiSのこれまでのことを教えていただいたんです。「BiSはこういうふうに頑張ってきて、だからステージに立つときもこうしてるよ。だから、このオーディションもこういうふうに自信を持ってやったらいいと思うよ」とかを教えてもらって、「BiSってかっこいいな」と思ったのが最初のきっかけです。そういうことがあったから、BiSとASPの合同オーディションのときも、「私はBiSがいいです」と伝えていました。
──2022年11月23日に幕張メッセイベントホールで開催されたWACK所属アーティスト(BiS 、ASP、ExWHYZ、GANG PARADE、豆柴の大群)によるライヴイベント〈Even without BiSH, this is WACK〉がヒューガーさんのお披露目の日になりました。あの日のライヴはどうでしたか?
ヒューガー : 実は「BiSでどうかな?」って合格の電話があったタイミングで、渡辺さんに「お披露目は幕張だから」って言われたんですよ。あのときは本当に驚かされました。でも、「そこで私はやらせてもらえるんや」って思ってからは、もうやるしかなかったです。新体制でのパフォーマンス自体がはじめてでしたし、幕張という会場も大きかったので本当に緊張しました。反省点はたくさんあったんですけど、ひとついいところを言うなら、歌詞を間違えなかったことぐらいです(笑)。