ベストアルバムくらいの集大成感
——どれくらいの時期から仲良くなっていったんですか?
紗倉:2017、8年くらいから一気に手を取り合えるようになった気がする(笑)。
小島:そうだね。一緒にいる時間が必然的に増えたからかな。最近は移動中でもずっと話してます。プライベートの話とかもするようになってからは、より協力し合うようになりましたね。
紗倉:でも実はお互いがどんなふうに自分のことを伝えたらいいかわからない時期もありました。スタッフさんも交えて、おとフラをどうしていくか話したこともあったし。大事な話のときはみんなが参加してみんなが直接言う習慣をつけてきた10年だったなと思いますね。そのおかけで、こじちゃんとの距離も縮まったし、お互い何考えているのかなんとなくわかるし… わかるよね?
小島:わかるよ!
紗倉:良かった! あと、スタッフさんが親のように接してくれるんですよ(笑)。「それぞれが可能な限りできることをやっていこう」と言ってくれたので、それがありがたかったなと。
小島:どんなにライヴで間違えたとしても、「今日、何点でしたか?」って聞きにいくと大体高得点出してくれるんですよ。いつも褒めてくれるから、「今度はその期待に応えられるように頑張ろう」と思えましたね。
紗倉:でも私たちが上手くできたと思ったライヴの後に点数を聞いたら、「70点」って言われたことあるよね(笑)。
——それは、「気を引き締めてね」というスタッフさんからの優しさなんじゃないですか(笑)。
小島:そうかもしれないです。そのときは、ちゃんと70点だった理由も納得できるように説明してくれました。飴と鞭がすごく絶妙だし、ちゃんと見てくれているんだなと思います。

——さて2024年2月14日にはファースト・アルバム『OTOTOY FRIDAY』がリリースされますが、今作はおふたりにとって、どんな作品になりましたか?
紗倉:全部が神曲です。アルバムを作ることは、ずっと掲げてきた目標だったんです。だから「もう本当にアルバムを出せるくらいの曲数が集まったんだ」という喜びがあります。
小島:やっと夢が叶いましたね。ベストアルバムくらいの集大成感がありますね。
——先日“レモンキャンディー”が配信リリースされましたが、この曲は映画監督の今泉力哉さんが作詞、パソコン音楽クラブが作曲を担当しています。
紗倉:初めて聴いたときに、とても爽やかで今までにないようなテイストだなと思いました。歌詞は梶井基次郎さんの小説「檸檬」になぞられています。読み返すたびに新たな一面が見えるなと思います。
小島:これはテンポが早くて結構難しいんですよ。でもその軽やかな感じが可愛いですね。
——“レモンキャンディー”はいつ頃できたものなんですか?
紗倉:実は3年前くらいにはできていたんです。今泉さんもいつ出るんだろうと気にしていたみたいです(笑)。
小島:私たちからしても「やっと世に……」という感じで嬉しかったです。他にも“幽霊部員”はライヴでは3、4年くらい前から披露していました。
——結構温めましたね(笑)。
小島:でも温めた分、とても好きな曲です。コロナ禍に入ってからは活動が止まっていた時期もあって。それで、寝かしていた楽曲があるんです。
——おとフラの曲は、この曲に限らずメロディーが必ずしもわかりやすいわけではないですよね。
紗倉:そうなんですよ。“東京”という曲も、歌う部分のリズムが違って、聴くと一瞬困惑するんです。
小島:「東京」はレコーディング中に、トリプルファイヤーの鳥居(真道)さんがキーボードを取り出して、元々の仮歌とは違うテイストにしてくれたんですよ。そのアレンジのおかげで、より耳に残る曲になったのかもしれないです。
