「RAYがやらなきゃ誰がやるんだ」と思っています
──新体制初のワンマン「#MOD_0」では、kurayamisakaの清水正太郎さんが作詞・作曲・編曲を手がけた楽曲「sagittarius」がパフォーマンスされました。この曲についての印象を聞かせてください。
月海: 2023年頃にkurayamisakaさんの曲を聴いて、プロデューサーの大黒さんに「すごく良いバンドなんですよ」って伝えたら、対バンが叶ったんです。でもその日は体調が悪くて欠席して悔しい思いをしていました。だから今回楽曲提供してもらえることになって、もう本当に嬉しかったですね。
──楽曲自体もすごくkurayamisakaテイストが入っていますよね。
月海: RAYに寄せるのではなく、バンドの色を出してもらいました。だからデモが来た時は、「こんな良い曲、RAYがやっちゃっていいんですか?」って思いました。歌詞もすごく良いですし、シューゲイザーらしさもありつつ、歌謡曲っぽいメロディーもあって、うねる感じがすごく印象的です。私たちを成長させてくれる曲でもあり、RAYを代表する曲になっていくと思っています。

──ここからはプロデューサーの大黒さんにもお話をお伺いしますが、RAYは2026年、どんなテーマで活動していくのでしょうか。
大黒メロン(以下、大黒): 2026年のテーマは「MOD(モッド)」ですね。これは「モディフィケーション」の略で、もともとはPCゲームの文化から来ています。例えば、マリオが本来はこれくらいしかジャンプできないところを、改造してこれぐらいまで飛べるようにするとか、そういう「改造」や「改変」のことを指します。個人の内側で完結している、いわば「幸せな魔改造」みたいなものを密かに楽しむのが「MOD」という概念です。
──なるほど。この「MOD」という考え方は、大黒さんのなかでは、どんな位置づけなのでしょうか。
大黒: 僕の考え方として、完全に新しいものを作るって、もう原理的にあり得ないと思っているんです。「新しいものを作り出した」と言われるものも、実はすでにあるものに「改造」や「改変」を加えただけなんじゃないか、という感覚がすごくあるんですね。
──その「MOD」の概念が、RAYの活動にどうつながっていくのでしょうか。
大黒: RAYは90年代から続くシューゲイザーという音楽文化に、アイドルというフォーマットを掛け合わせた存在なんですけど、これはまさにカルチャーのMOD(改造)だと思うんです。アイドルという形式は、改造を施しやすいジャンルですし、だからこそ、RAYはシューゲイザー以外にも、伝統音楽やテクノ、バンドセットの常識に対する改造を続けてきたんです。そういう意味では、RAYがこれまで掲げてきた「異分野融合」や「越境的表現」も、突き詰めれば「改造行為」だったのかなと。そこで2026年はこの「MOD」というコンセプトを打ち出して、「RAYとは何か」を明確にしたいと思っています。
──「MOD」というテーマに行き着いた、具体的なきっかけは?
大黒: 実は以前とある方に「RAYは個々の取り組みは本当におもしろいけど、全体で何をやろうとしているのかがわからない」と言われて、ハッと気付かされたんです。自分たちがやろうとしていることを、このタイミングで可視化するのは、自分としても興味があるし、案外みんなも興味あるんじゃないかなと。そこで「MOD」というキーワードを前面に出そうと考えました。
──具体的にはどんなことを仕掛けていくんでしょう?
大黒: まず主催対バンイベントについては、バンドとアイドルの垣根を越える〈Destroy the Wall〉シリーズ最新回で、2月22日に戸川純さんとmoreruを招いた3マンイベントを予定しています。これはまさに「MOD」の最たる例ですね。「バンドとアイドルの壁を壊す」が目的のイベントなんですけど、そのためにはしっかり関係性を作ることやコミュニケーションしていくことが大事だと思い、これまでも実践してきました。ただバンドとアイドルが共演するだけではなく、有機的に絡み合っていく状態を作りたいと思っています。
また、バンドセットについても意識的に取り組んでいきます。これまでもいろんな現場で、バンドセットのライブのあとで、「普通のオケのほうが良かった」みたいな声を何度も見てきました。バンドって当たり前ですけど、ライブをやらないと鍛えられないんですよ。アイドルのバンドセットも同じように、継続的にライブを重ねることで初めて価値が生まれると思っているので、〈IDOLBANDSET〉と称した、バンドセットでのアイドルの対バンイベントも1年を通して計画して、新たな価値を作り出そうと考えています。


──なるほど。
大黒: その他にも、既存の「アイドル・リミックス」文化への問題提起として、「#MOD_IDOLRemix」プロジェクトを展開しようと考えています。アイドルのリミックス曲って、ライブで披露されない前提だから、お客さんも聴くモチベーションが上がらないし、音楽としての強度も落ちる。結果的に、リミックスというムーブメント自体が活力を失っていくと思っているんです。だからライブで披露できるアイドルリミックスを作って、それでいて音源だけでも十分に強度があるものができたら、すごくおもしろいんじゃないかと思っていて。その一環として、T.M.PにRAY楽曲のRemixを制作してもらい、3/5にはRAYパート全編T.M.P.Remixバージョンでのライブを開催します。
ほかにも構想段階ではあるのですが、シューゲイザーの金字塔であるmy bloody valentineの『loveless』を、改めてRAYとして研究していくようなことも考えています。2026年のワンマンライブについても目の前の課題やテーマに真っ向からぶつかって演出を作り込むことで、来てくれた人をあっと言わせるような、すごいものを見せたいと考えています。
──メンバーのみなさんは、この「MOD」というコンセプトについて、どのように感じていますか?
内山: RAYは実はいままでずっと「MOD」だったのかなと思うんです。いろんな音楽ジャンルを取り込んでアイドル・ソングとして歌う、ということは他のグループもやっていると思うんですけど、RAYはそれを改めて意思として示していきたいと思っています。バンドセットに力を入れたり、「音楽を武器に遊び尽くす」という姿勢は、RAYにしかできないことだと思っているし、「RAYがやらなきゃ誰がやるんだ」と思っています。結果的に新しいものが生まれて、それを皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。
























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































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