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INTERVIEW : アユニ・D
朝起きてカーテンを開けることを覚えたアユニ・Dは、もう無敵です。過去一にエネルギッシュでポップで、とても楽しそうに喋ってくれたこのインタビューは、105回も続いてきたこのシリーズの象徴的な回となった。北海道から単身出てきて、アユニ・Dは、東京ドームを埋めた! そしていまこんなに輝いている!!!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
写真 : 大橋祐希
倉庫にあるくらいなら誰かの手に渡った方がいい
──ExWHYZにアユニさんが加入&脱退をするエイプリルフール企画がありました。大掛かりな仕掛けでしたが、実際やってみていかがでしたか?
アユニ・D (以下、アユニ):最初は心臓がぎゅっとなりました。自分は事務所の他のグループと関わったことがなかったんです。でもいざExWHYZと深く関わると、彼女たちが可愛らしくて温かったのですごく救われました。BiSHは事務所で先陣をきっている印象がありますけど、自分としては全くそんなことなくて、特に私はグループ内でも末っ子ですし。今回の企画では学ぶことが多かったです。
──MV撮影では、チアガールの衣装も着ていましたよね。
アユニ:最初は死ぬほど嫌でした。でもやるなら舐められたくなかったので、頑張ってみました。でもやってよかったです。
──第2のBiSHを決めるオーディション『BiSH THE NEXT』も進行していますが、状況はいかがですか?
アユニ:楽しくて仕方がないです。
──最初、BiSHのメンバーはそこまでピンときていない印象がありましたが、いまはどうですか?
アユニ:最初は私も「第2のBiSH」を考えるだけで苦しくなることもありました。でも自分たちも「第2のBiS」としてはじまったわけで。私は運よく拾ってもらって、いろんな経験をさせてもらったんです。そう考えると「第2のBiSH」を作ることは当たり前の流れだと企画が始まってから気づきましたね。オーディションを受けにきた候補生と対面したときに、「この人たちは人生を賭けているな」と感じて、卑屈になっている場合じゃないと思いました。候補生たちのがむしゃらな姿にもっと真っ直ぐ向き合わないといけないと思いました。今はもう、未来が楽しみで仕方ないです。私たち自身、候補生からたくさんのことを学んでいます。
──良い機会になりましたね。
アユニ:客観視はできていないですけど、メンバー全員がどんどん真剣に向き合うようになる姿を渡辺さんも感じていたみたいでした。向き合ってみなきゃ気づかないですね。候補生は私たちよりも歌がうまくて、元々ポテンシャルが高い人たちばかりなので、BiSHとはまた違った唯一無二のグループになると思います。
──『BiSH COSTUME BOOK 2015-2023』が発売されたこともあり、改めて衣装にも注目が集まっています。外林健太さんの衣装について、アユニさんはどのように感じていますか?
アユニ:そってぃー(外林)さんが作る衣装はただのモノではなく、ひとりひとりの人間性とかを反映しているものなので、本当に素晴らしいと思います。そってぃーさんは、観察力と察知能力が鋭くて、カルチャーに落とし込む力に長けている方なんですよね。そってぃーさんにしかない能力が衣装や写真に全部出ているので毎回すごいです。そんな人には一生出会わないと思います。
──いまのベストアルバムの衣装もすごく素敵ですよね。
アユニ:これは今までの衣装の生地の破片をつなぎ合わせてくれたものなんですよ。いま、フェスではこの衣装でライヴをしています。もともと靴は用意されていなかったんですけど、私たちが「もっとこの衣装をみてほしい」とわがままを言ってしまったもので、そってぃーさんがライヴ仕様に直してくださいました。この衣装を着れるので、フェスがより楽しいですね。
──自分たちの衣装が清掃員の手に渡っていくことについてはどう思いますか?
アユニ:すごくプラスに捉えています。衣装は誰のものかというと、私たちだけのものではないと思うんです。これから先ずっと倉庫にしまわれて、衣装の存在がなかったことになるのであれば誰かの手に渡って衣装の存在が生きていく方がいいと思っていますね。それでその人の生活が豊かになるのであればいいのかなと。間違いなく汗と涙が染み込んでいるので、衣装が手元に届く人は大事にして欲しいです。