たまにサビを歌うとすごい感激されちゃう
──アユニさんは“Beginning, End and Beginning”と“STAR”の2曲。
モモコ : これはみんな言ってると思いますけど、やっぱり「道玄坂のワンルームから」(“Beginning, End and Beginning”)っていう。
──道玄坂のワンルームは覚えてらっしゃるんですか?
モモコ : 覚えてますね。そこで最初の宇宙人のアー写も撮りましたし(笑)。すごいせっまいところで撮ったな、そのあとに下のカフェでなんか話したなーとか。
──でもアユニさんはそれを知らないでしょ?みんなでワンルームのこと話したりするんですか?
モモコ : 話さないですね。新メンバーで、事務所も広いところになってるのにそこを書いてくれるっていうのは、BiSHを大切に思ってくれてるんだなって、すごい嬉しかった。
──“STAR”はどうですか。
モモコ : “STAR”は、ライヴでやるとイントロが流れるだけでいつもお客さんとの空気感が一気に和やかになるので、すごく不思議な曲だなって思います。あと振り付けでメンバーと手を繋ぐんですけど、それもいまの時代の人との距離感を繋ぎ止めてくれる曲だなって。
──モモコさんは誰と繋いでましたっけ?
モモコ : チッチです。向き合って笑い合う、手を振り合うっていう振りもあったりして、最初どういう顔をしていいのかなって思ったんですけど、いまはチッチが笑ってくれると笑うし、ドキドキしながら向き合ってます(笑)。
──“STAR”は、モモコさんが2サビじゃないですか。感激しましたよ。
モモコ : みんな感激してくれてて申し訳なかったりしました。サビは結構… 本当は1サビがよかったですね(笑)。
──あ、そうなんですか!
モモコ : 私、2サビは結構歌ってる曲あるんですよ。“Story Brighter”とかいろいろ。でも勝手にサビを歌ってないことになってて、たまにサビを歌うとすごい感激されちゃうんです(笑)。
──ははは(笑)。でもあれはグッときましたよ。
モモコ :「何者にもなれない僕叫ぶ」って歌詞がレコーディングのときの心境とすごいリンクしていて。そのときもちょうど自分にはなにがあるんだ? みたいなことを考えてた時期で、「なんにもないんだったら叫んで伝えるしかない」って感じでしたね。感情がのってレコーディングに挑めたので、そのときの声が収録されてよかったです。
──BiSHのモモコグミカンパニーは何者かになれたと思いますか?
モモコ : この曲に関しては素の自分をさらけ出して歌った感じですけど、BiSHのモモコグミカンパニーは、モモコグミカンパニーにはなれてると思います。お客さんがいるので。昔は全然、もうすごい歌うのも不安でしたし、「誰も自分のこと好きじゃない」って思っていたので。
──そんなことないですよ。
モモコ : そのときは本当に思ってて(笑)。自分に自信がなくて、「このなかで誰も好きじゃなくてかわいそうだから」みたいな、そういう推されかたをしてるのかなって、すっごいひねくれた考え方をしてた時期があって。舞台に立っても「ひとりぼっちだ」って思って歌ってたんです。でもいまはその感覚はないですね。ちゃんとモモコグミカンパニーをみてくれて、好きになってくれて、応援してくれてるんだっていうのがひしひし伝わってくるので、モモコグミカンパニーにはなれたと思います。
──また活動が活発になり始めていますが、モモコさんとしてはどのように進んでいきたいですか。
モモコ : 全力で突っ走るっていうのもありますけど、BiSHのなかじゃないと暴れまわれないっていうのはすごくあるので、どんどん新しいこともして、全部を塗り替える一年にしたいですね。いままでの固定概念、新メンバーとかオリジナル・メンバーとか、それぞれの関係性とか、そういうのを総ざらいするんじゃなくて、新しい関係性を育みたいと思うし、あと「この子がこんなにいっぱい歌うんだ」とかあってもいいと思うし、BiSHを壊してまた作り直したいっていうのはありますね。
──まさに“GOiNG TO DESTRUCTiON”じゃないですか。
モモコ : 自分のなかで、「これは自分はできない」とか「自分はこんな人だ」っていうのを全部一旦壊して、もう一回向き直ってみたいと思います。
編集 : 西田健
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