INTERVIEW : プー・ルイ(PIGGS)
野音前にメンバー一人一人の話を聞いて、たくさんの難しい出来事や失敗、葛藤などを語ってもらった。これら全部を持って野音に挑む! 大寒波襲来! 伝説しか起こらない! PIGGSの野音は、絶対に見逃したらダメなライブってやつ。
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
自分がいわゆる「アイドル」として見られているとあんまり思ってなかった
──PIGGSは昨年2022年からメジャーデビューに向けて、TikTokで『#まじ無理ゲーチャレンジ』をやったりと様々なことをしていました。いま振り返ってみて、いかがですか?
プー・ルイ : 正直なところ、いろいろと出し方を間違えてしまったところがあるなと思いましたね。まず、TikTokで「#まじ無理ゲーチャレンジ」を走らせていたときに、単純にライブのオファーが少なかったのとツアーの準備と楽曲制作をしていたこともあって、ライヴをあんまりできていなかったんですよ。だから、外から見たらTikTokをやるためにライブをしていないように見えてしまって、浮ついているように見えてしまったのかなと。その点をきちんと考慮して普段以上にイベントにいっぱい出ていたら、もっと違う見られ方をしていたのかもしれないなって。
──なるほど。
プー・ルイ : でも、TikTokも私たちにとっては意味のあることだったんですよ。あれをやったことで、個人の武器がそれぞれ見つかったし。例えば、CHIYO-Pが大食いの企画で日本テレビの「世界仰天ニュース」に出られたのも、実は「#まじ無理ゲーチャレンジ」のTikTokがきっかけだったんですよ。本来私たちがやりたいことは、こういう新規の方を増やすための施策もライヴも両方走らせるってことだったんですけど、そこを見せれなかったことは反省点でした。
──そんななか、昨年12月12日YouTubeチャンネル『ピグスハウス』開設と男性スタッフ、イナチャンの同居を発表して、ファンを驚かせました。その後、イナチャンとの同居を解消しましたが、渦中のプー・ルイさんは、あれをどういう風に受け止めたんですか。
プー・ルイ : 私はこれまでの自分の活動のなかで、ディスられることに対する耐性はついてるんですけど、そういうものとはまた違う「もっとメンバーのことを考えて欲しい」みたいな反応がかなりあったんです。そこが個人的には少し辛かったです。信頼されていないように感じてしまったというか・・・。ただ確かに私たちの中ではもうすでに納得したことであっても、ぶーちゃんズからしたらイナチャンは知らない人だし、確かに男性スタッフが同居することに対して、説明が足りなかったなと思ったんです。だから、その翌日にはこの件について、ちゃんと説明する動画を出すことにしました。
──これまでの活動を知っている人からすると、それから「やっぱり同居はやめます」という方向に行くのがレアだなと思ったんです。
プー・ルイ : 私は、ファンのみんなが嫌だって言っても自分が本当にやりたいと思ったら絶対に突き通すんですけど、今回はそうじゃなかった。同居をやめようと思った理由は、ぶーちゃんズの意見は参考にはしたんですけど、YouTube企画の方針が変わったからというのが大きくて。最初は編集する必要が少ないVlogっぽいものを週3、4で上げるための同居だったんですけど、企画を話し合っていくなかで、もっと編集が凝ったバラエティっぽいものにしようということになっていって。なので慣れるまでは本数が少なくてもクオリティの高いものをと考えていたんです。ただ最初が想定外の反応だったので。それを覆すというか、認めてもらうには、私たちの想定よりも重い負荷がイナチャンにかかることになってしまって…。そういうことも含め現実的に続けることが可能かをチーム内で話した結果、同居は解消しましょうということになりました。イナチャンには申し訳ないことをしてしまいました。
──編集の方針が理由だったんですね。
プー・ルイ : あと、私は自分がいわゆる「アイドル」として見られているとあんまり思ってなかったんです。私はBiS時代の全裸MVではじまって、それから10年ぐらい「こんなのアイドルじゃない」って言われてきたアイドル人生だったんですよ。だから別に男の人と同居しても、大丈夫だろうって思っちゃった。そこは大きな誤差でした。こういう反応がくるまでは、例えばもし、PIGGSのメンバーが恋愛リアリティーショーに出たとしたら、「それ、おもしろいじゃん」って個人的には思っていたんですけど、多分いまそういうことが起きたら、ぶーちゃんズは複雑な気持ちになってくれる。今回の件で、「PIGGSをちゃんとアイドルとして見てくれてるんだ」って認識ができたことは、大きな学びでしたね。でも本当に出たいと思った時には出ちゃうとは思いますけど(笑)。そこは今から謝っておきます。