INTERVIEW : プー・ルイ

インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
お互いに制作チームも含めて切磋琢磨できるんじゃないかって
──先日PIGGSは、全国ツアー〈BANG A GONG TOUR〉のツアーファイナルとなる川崎CLUB CITTA'公演をもってプー・ルイさんがグループを脱退すること、そして新グループを発足させることを発表しました。この経緯について改めて聞かせてください。
プー・ルイ:1年半前ぐらいから、メンバーとの関係がちょっとずつ変わり始めてたんですよ。考え方や理想が違ったり、仕事に対する価値観とか人間関係に対する価値観の違いがあって。人間だから、いろんな意見があって当然なんですけど、そういう些細なすれ違いが増えていってました。
──それをどういうふうに解決しようとしたんですか?
プー・ルイ:最初の方はどうにかしようと話し合いをたくさんしたりもしたのですが、それもうまくいかなくてモヤモヤが大きくなって行く日々が続いて。そんな中深い話をしなければ仲良くやれるんだし変に今はぶつからずにやっていけばいいかなって思ったりもして話し合いをしない時期もありました。「このままじゃやばい、動かなきゃ」って思ったのが、今年の2月とか3月ぐらいです。1人で抱え込んでいたので、客観的な意見をもらいたくて、信頼できる人たちにグループの現状について相談してみたりしました。そしたら「話を聞いてるとずっと同じことで悩んでる気がするよ、悩むんじゃなくて解決する方法を考えるのが社長のすべきことなんじゃないの?」って言われて、「私、解決するために動いてなかったんだな」って、ハッとしたんです。そうやって相談するなかで、例えば「ソロ活動をやってみたら?」とか「事務所内にもうひとつ別のグループを作ってみたら?」とか、そういう具体的な提案をしてくれた人もいました。

──その時にどう思ったんですか?
プー・ルイ:「そういう考え方もあるのか」と思いました。私は元々、自分がいないグループには興味がなかったタイプなんですよ。グループをやるときに、プロデューサーとして関わるんだったら、その子の人生に責任を持たないといけないじゃないですか。だから私はPIGGSにもメンバーとして参加するし、「自分がいないとやりたくない」ってずっと思っていたんです。でもその時に初めて、もうひとつグループをプロデュースをすることで客観的に色んなことが見えてPIGGSに活かせることもあるのかもしれないなと思いました。それに、PIGGSのメンバーも事務所内にもう1個グループができたら「負けられない」という気持ちが強くなっていいんじゃないかなって。そこで初めて「プープーランドにグループを新たに作ること」に興味を持ったんですよ。
──つまり今回の脱退の話の前に、まず新グループの構想があったわけですね。
プー・ルイ:そうです。やるやらないは置いといて、「そういう考え方もあるんだ」って、ひらめきをもらったんです。すごくいいアドバイスでした。PIGGSは自分がメンバーとして中に入っちゃってるから、客観的な視点がなくなってしまっていて、そこが問題でもあった。だから、チームが2つになったら、お互いに制作チームも含めて切磋琢磨できるんじゃないかって思ったんです。だから構想としては、私はPIGGSのメンバーとして6人で活動しながら、自分がいない新しいグループのプロデュースもする、という予定でした。

──最初は違ったんですね。
プー・ルイ:はい。最初は新グループに入る予定はありませんでした。PIGGSは「どうしたらみんなでうまくやっていけるか」「6人で足並みを揃えるにはどうしたらいいんだろう」って悩みモードになっちゃっていたのもあって、やるやらないは置いておいて新グループについて考え始めた時は久しぶりにちょっと前向きな気持ちになれたんです。
──そこからプー・ルイさんがPIGGSから脱退するという話になったのは、なぜなんでしょう。
プー・ルイ:3月頃、「このままじゃ良くない」って思ってメンバーと話したんですけど、そこがうまくいかなかったんです。私もメンバーも曲げられない部分があって。これまでメンバーとは一緒に住んでいたし、もう家族みたいな関係になっていて、プライベートの部分と仕事がごっちゃになっていたんです。それはたぶんお互い様なんですけど、私はプロデューサーとして指示を出す立場なのに、その指示が伝わらなくなっていました。最初は素直に聞いてくれて実践してくれてたのに、だんだんそうじゃなくなって焦ってました。
──そこがすれ違いにつながっていったんですね。
プー・ルイ:そこからは、スタッフさんやいろんな人を巻き込んで話をしました。私だけの意見で決められるものではないと思ったから、私以外の人とメンバーとでもたくさん喋ってもらいました。
