INTERVIEW : SHELLME(PIGGS)

2023年も、迷走しながらも爆進することが確定な言葉群を、SHELLMEの口から聴くことができた。メジャーデビューをし、“負けんなBABY”を発表し、野音を埋め、そして次の一手もその先も、PIGGSはPIGGSらしく進む。楽しみで仕方がない!!!
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
みんな実は練習しているんですよ
──先日1月29日、PIGGSは日比谷野外大音楽堂でワンマン・ライヴ〈全身全霊!燃える豚魂ツアーファイナル〜焼豚大解放〜〉を開催しました。この日はSHELLMEさんにとってどんなライヴでしたか?
SHELLME : はじまってすぐにお客さんがいっぱいの景色が見えて、すごく感動しました。本当に楽しかったし、こんなに素敵な会場でライヴをさせてもらえることが嬉しかった。最高の1日でした。でも個人的な話で言うと、自分の存在がすごく小さく思える瞬間があったんですよね。いつも自信満々でライヴをしていたんですけど、野音では、ふとしたときに「自分ってなんかちっぽけだな」と感じたんです。
──それははじめての感覚だったんですか?
SHELLME : そうですね。野音がはじめてです。終わった後にいろいろ考えたんですけど、自分という存在が、野音という場所にまだ似合っていなかったのかなって思ったんです。以前フラワーカンパニーズさんのライヴを野音に見に行ったときは、みなさんすごくかっこよかったし似合っていたんですよ。でも自分はそうじゃなかった気がして…。もちろん楽しかったし、またやりたいんです。でも反省するべき部分もいろいろ見つかりましたし、前向きな気持ちで、まだまだ努力が足りないと思いましたね。
──反省点は、技術的な部分と気持ちの部分でいうとどっちなんですか?
SHELLME : 両方です。歌もダンスも気持ちも、もっと高いレベルまで持っていきたいです。野音でライヴをするまで、自分はやれていると思っていたんですよ。でもそれは周りからしたら“できている風”なだけであって、ばっちりやれていたわけではないし、意識が100パーセント変わっていたわけでもなかったんです。野音のときに、自分のことが小さいなって感覚があったのは、私自身が「このままだとダメだな」って感じていたんだと思います。

──自分が変わるイメージは、具体的に出てきているの?
SHELLME : 野音の後から自分のパフォーマンスについて、すごく考えるようになったんですよ。PIGGSはライヴで、メンバーみんなが熱い気持ちをぶつけるんです。私はそこが足りなかったような気もしていて。実際、野音のライヴを見に来てくれた友達から、「“負けんなBABY”は、SHELLMEより他のメンバーの方が似合ってる」って言われたんですよ。私はそれで落ち込んじゃって…。もっとちゃんと“負けんなBABY”みたいな熱い曲でも、気持ちが伝わるパフォーマンスができるようになりたい。そして、さらに自分なりの良さを見つけないと、自分はダメになってしまうなと感じました。
──なるほど。実際、いっぱい練習してるんじゃないの?
SHELLME : はい。私も含め、みんなちゃんと個人でスタジオにはいったり、ボイトレに行ったりしてるんですよ。でも私は、もっと考えてやらないとダメだなって。
──PIGGSは、TikToKやYouTubeではあんまり頑張って練習している様子を見せないね。
SHELLME : そうですね。でもカメラに映ってないところでは、何時間もスタジオにはいるし、みんな実は練習しているんですよ。メンバーそれぞれ負けず嫌いだから、グループとして動く以外にも知らないところでしっかり頑張っているんです。
