ルー大柴さんのルー語を意識した
──すごいスピード(笑)。2曲目の“卑弥呼”は、「卑弥呼が朝のニュース番組の気象予報士だったら」という曲なんですよね。
ケンモチ : 楽曲的には、ハイパー・ポップっぽいものを作りたかったんです。エレクトロ・ポップにグランジの要素とフューチャー・ベースを掛け合わせたみたいな感じにしたいなと思って、こういう曲調になりました。最近のハイパー・ポップをたくさん聴きながら学んで作ったんですけど、新しいアーティストたちは、音を歪ませたり、最後のミックスでその歪みを取ったりしているみたいなんですよね。そういうがおもしろいなと。
──「邪馬台国に大雨警報」という歌詞から、ドロップに入るのがおもしろいですよね。
ケンモチ : 晴れてポカポカ陽気な感じだったのに、ドロップで曲も荒々しくなるので「注意してね」みたいなイメージですね。
──「卑弥呼が天気予報士」というテーマはどこから?
ケンモチ : 卑弥呼は、骨を熱して、その割れ目で占いをしていたという説があるんですよ。朝のニュース番組って、お天気コーナーもあるけど、占いのコーナーも人気じゃないですか。雨乞いや祈祷もやっていたみたいだし、朝の情報番組がぴったりだなと思ってこういう歌詞になりました。
詩羽 : これはライヴでやっていて楽しいし遊びやすい曲ですね。ドロップの部分も動きやすいですし。お客さんでも「卑弥呼好きなんですよね」という人が多くて、みんなに好かれる曲なのかもしれないですね。
ケンモチ : この間のイベントで、ODD Foot Worksのメンバーがみんなで「卑弥呼最高ですね!」って言ってくれたんですよ。やっぱりミュージシャンに言われるとより嬉しいですね。
──4曲目の“一寸法師”は、歌詞を読むとSMAPとか嵐っぽい印象を受けます。
ケンモチ : 王道のアイドルソングを作りたいなと思ったんですよ。これは光GENJIみたいな架空の男性ボーカルグループ、「一寸暴威」をイメージして作りました。JO1さんのMVを見ていて、汗をキラキラさせながら爽やかに歌って踊っているのが、すごくいいなと思ったんですよね。詩羽には、途中のラップの部分を「ここはリーダーっぽい感じで」とか、「ここはどっしり系の筋肉質の感じで」って5人分のメンバーのイメージで声色を変えて歌い分けてもらいました。
詩羽 : レコーディングでは、5人分のトラックを歌い分けるって言われたから、「この人はどういう人ですか?」ってイメージを追求しました。 歌い分けするんだったら、どういう性格なのか理解できると、歌い方が変わってくると思いますし。あとは、「熱くてホット さわやかクール」とか、そういう変な歌詞を真面目にかっこよく歌えるかが大事なのかなと思って歌いました。
ケンモチ : ここはルー大柴さんのルー語を意識したんですよ。「毎日エブリデイ We have 持ってる」とか、なんの意味もない言葉をちゃんとかっこよくやってるところがいいのかなと。笑い関係なく真面目にやってるからこそのおもしろさ。そこにリスペクトがないと成り立たない曲ですね。どれだけ真剣に、このよくわからない歌詞をわかっているふうに歌えるかを意識してもらいました。
──続いて“モヤイ”ですが、これはもしかしてラブソングですか?
ケンモチ : よくお気づきで。渋谷のモヤイ像って、マッチングアプリの待ち合わせスポットとして使われているみたいなんですよね。そこで出会ったカップルが、ゆくゆくはいい感じになるといいですねっていう曲です。モヤイ像的にはイースター島からはるばる来て、神々しい見た目をしながら、バス停の前にいるという哀愁がすごくいいなと。
──曲についてはどういうイメージで作られたんですか?
ケンモチ : 実は結構古くからあった曲なんですよ。ひとりでジュークとかフットワークの曲をたくさん作っていた時期があって、その名残がある曲ですね。
──男声のボイスサンプルもどこか違和感があって良いですよね。
ケンモチ : こういうのがカンパネラっぽいかなと思って入れました。ああいうボイスサンプルとかって絶対ほかの人使わないかなと思いますし。
──サビはしっかり歌モノでキャッチーですね。
ケンモチ : サビは中学校とか小学校の校歌みたいに、甲子園とかで歌われるような合唱できる曲にしたいなと思っていて。ちゃんと感情を乗っけて歌えるようなメロディーで、力強さを感じる曲にしました。でも、その力強さの裏側には、モヤイの哀愁も乗せています。
詩羽 : ライヴでは、みんなで手を挙げてもらって感情を込めて歌っています。いつかみんなで合唱したい曲ですね。
──6月22日からは〈対バンツアー2022~Neo poem~〉がはじまります。どんなツアーになりそうですか。
詩羽 : ツアーというもの自体がはじめてなんですよね。いままでイベントにお誘いいただいて各地に行くことはあったんですけど、自分たちの企画では本当にはじめてです。いろんな地方の人たちにも顔を覚えてもらいたいし、一緒に楽しみたいです。毎回毎回、お客さんの印象に残るライヴにしたいです。
──ケンモチさんも帯同されるんですか?
ケンモチ : そうですね。詩羽になってからは、これまでは全部行っています。エフェクトをかけたりして、音源と違う所を出すスタイルで、カンパネラらしい事をやっていこうって感じですね。
詩羽 : どこでどう変わっていくか、はじまるまでなにも知らないんですよ。だから「あれ?なんか変わったぞ?」みたいなことも時々あります。でもそういうところも楽しんでほしいですね。
編集 : 西田健
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LIVE INFORMATION
水曜日のカンパネラ LIVE TOUR 2022 「Neo poem」
【対バンツアー】
6/22(水)F.A.D YOKOHAMA
6/26(日)名古屋 CLUB UPSET
7/2(土)仙台 CLUB JUNK BOX
7/15(金)福岡 The Voodoo Lounge
7/17(日)岡山 ペパーランド
7/18(月祝)大阪 Shangri-La
7/29(金)札幌 mole
7/31(日)沖縄 Output
【初ワンマンLIVE】
8/3(水)恵比寿 LIQUIDROOM
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PROFILE:水曜日のカンパネラ
【詩羽】
アーティスト。2001 年生まれ、東京出身。
2021年9月、知人の紹介から面談を受け、水曜日のカンパネラの二代目・主演&歌唱担当として加入。
高校卒業後、ストリートスナップなど個人でのモデル活動を行い、音楽と言葉と時間と私をテーマにInstagram に詩と写真を投稿しながら自己表現を模索している。
■水曜日のカンパネラオフィシャルHP
http://www.wed-camp.com/
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https://twitter.com/wed_camp