見え方としてはデザイナーなんですけど、それ以上の存在ですね
──METTYさんはどんなイメージでPIGGSのデザインを作り上げようと思ったんですか?
METTY : メッセージとストーリーで「なんでこんなデザインになったか」というのをいかに滲ませるかを考えました。それにプラスして「わかりやすいもの」をテーマにPIGGSのデザインを作り上げようかなと考えて。あとは、Ryan.Bのかっこいい曲とプー・ルイのがむしゃら頑固野郎な感じをうまくパッケージングするのが僕の役割かなと思って、キャッチーなものを表現したくてブタになったんです。
──PIGGSは名前が先に決まったんですよね?
プー・ルイ : 名前が先ですね。METTYと何日も話し合って決めました。めちゃめちゃ迷走して名前を出し合って1回HOLICになったもんね。
METTY : プー・ルイは「名前はなんでもあれ、言っていればかっこよくなるから」と言っていたんですけど、僕は納得していなくて。最終的に新たにゼロから考え直してPIGGSという名前が生まれた。プー・ルイだからこその説得力のあるグループにするのがいいと思ってたので、ブタってワードは使った方がいいんじゃないかなと思って。
──なるほど。ロゴはどういうメッセージが込められているのでしょうか?
METTY : ロゴは、「ブタに生まれたとしても、努力をすれば何にでもなれる」っていう光を見せられるグループになってほしいという想いを込めて、化粧をしたブタちゃんになりました。たとえば、ブタが鳥を好きになっちゃった。そして鳥はパンクが好きって言っているから、ブタだったとしてもパンクの姿になればいいじゃんみたいなテーマがあって。あと、ブタは好きになった鳥に打ち抜かれているから「PIGGS」の「P」と「S」は落ちる雷みたいにしました。PIGGSもいろんな人を打ち抜く存在になってほしいですね。
──衣装作りも昔からやっていたんですか?
METTY : 衣装を作ったのはPIGGSがはじめてでした。たとえかっこ悪くて完成度が低いとしても、名前の時から一緒に考えている僕が作った方が伝わると思って衣装も作っています。
プー・ルイ : 最初は大変だったよね。手を上げたら袖が全部バーっと下がって「これだとライヴできないね」って話して、WACKの衣装を見返したんですよ。そしたらリブがあるってことに気が付いて。このリブは大事なんだとか、半袖にするなら硬い生地で作らないと柔らかい生地だと全部落ちちゃうとか気づいてね。
──プー・ルイさんから見てMETTYさんはどういう存在ですか?
プー・ルイ : 見え方としてはデザイナーなんですけど、それ以上の存在ですね。ほぼ一緒にやってくれています。なにが伝えたいのかとか、こうしたらどういう反応がくるんだよとか私に足りないところを会議で埋めてくれるので、すごく頼もしいです。
METTY : メンバーとして稼働しつつ社長業務もやりつつ、プロデュースしているプー・ルイさんを見ていると、「これじゃ本人が倒れてしまうから助けなきゃ」って思ったので、できることは参加するようにしたって感じですね。
──METTYさんから見て、プー・ルイさん以外のメンバーはどういう風に見えていますか?
METTY : みんな頑張れる子たちだなって思っています。「自分は最大限のパワーが出るパスを死ぬ気で出すから、ゴールを決めるのは任せた」といつも本人たちに言っています。まだまだ発展途上なんですけど、みんなどんどん強くなっていて任せられる存在だなと思って見ています。
──METTYさんは、いまのPIGGSでここはもっと頑張って欲しいと思っている部分はありますか?
METTY : メンバーの覚悟ですね。「人に勇気を与えたり、死のうと思っている人が生きようと思える存在になろう」って思って僕はやっているし、アーティストにはそうあってほしい。それって弱い自分を倒して強くなって、また自分を倒して勝っていくっていうプー・ルイ自身がやってきたようなことだと思うんですけど、それはすごく大変なことだし辛くなっちゃうこともあると思うから、やっぱりそこは心配。でも辛いときに手を差し伸べてあげることはできるけど、それをやっちゃうとそこでは成長できないとも思っていて。崖から落ちている人に縄を垂らして助けるんじゃなくて、「そっちに石があるからそれで登ってきて」って言って登ってこれたら本人は強くなれると思うんです。厳しくしないと成長しないし、厳しくしすぎて辛くなっちゃうのも避けたいから難しいです。