INTERVIEW : BIBI

インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
自己肯定感が低いのは、悪いことだけじゃないんだなって
──先日PIGGSは、全国ツアー〈BANG A GONG TOUR〉のツアーファイナル公演をもって、プー・ルイさんがグループを脱退すること、そして新グループを発足させることを発表しました。BIBIさんのいまの心境としてはいかがですか?
BIBI:いまはもっと「PIGGSは自分たちのグループだ」という意識で頑張るべきだと思っています。PIGGSって客観的に見たら、「プーちゃんが作った、プーちゃんのグループ」として見られていると思うんですよ。加入前は私もそう思っていました。でもこれまで2年間活動してきて、「PIGGSは自分たちのグループだ」という意識が芽生えてきました。これからは、もっとそういう自覚を持つことが大切だなと感じています。
──プー・ルイさんのインタビューによると、プー・ルイさんとメンバーの間ですれ違いが生まれて、それから今回のPIGGSの今後に関する話が出てきたんですよね。その話が出てきたとき、BIBIさんはどういう風にそれを受け止めていたんですか。
BIBI:いろいろと話し合っていくなかで、本当に「解散」という話まで出ていたんです。そのときは「どうしよう、助けてー!」って気持ちでいっぱいでした。そんな中でプーちゃんから「私がPIGGSを抜けます」と言われたときは、本当に「え?そんなことある?」って衝撃を受けました。だってプーちゃんが作ったグループだから。びっくりして、正直そのときの自分の気持ちを覚えてないくらい。

──そこからどう考えを整理したんですか。
BIBI:プーちゃんから「6人じゃなきゃ嫌だとかじゃなくて、自分がPIGGSをやりたいのか、それだけを考えて」と言われたんです。その時に「自分はPIGGSをやりたいんだ」って直感的に思いました。もしかしたら、ここで「6人じゃなきゃやりたくない」と駄々をこねたら、プーちゃんが残ってくれるかもしれない、みたいな期待もよぎったりしたんです。でも落ち着いて考えたら、それでは解決しない。自分の気持ちは「やる」しかなかったです。
──最終的にはプー・ルイさんが脱退するという形になりましたが、そこはどう納得していったんですか?
BIBI:5人で毎日電話で話しながら徐々に納得していった感じです。最初はSHELLME、BAN-BAN、KINCHANの3人が中心になって「5人でやっていけるのか」みたいな話をしてくれました。私はそういうときあんまり話せないんですけど、みんなの話を聞くうちに、自分の中でPIGGSとしてアイドルをやりたい気持ちが、だんだん強くなっていきました。

──PIGGSの今後について発表してからのライブはどうでしたか?
BIBI:最初はやっぱりしんどかったです。Xで「今日は元気なかったな」って書いてる人を見ると、「そりゃそうだよな」って思ってしまいました。特典会でも「一緒に頑張ろうね」って言ってもらえるのはすごく嬉しいんですけど、「もっとこっちから力を与えたいのに」って。私がPIGGSでやりたいのは「私もうダメかも…」って落ち込んでいる人が、「この子を見てたら頑張れる」って思える存在になることなのに。まだ自分は応援してもらっている側だなって感じて、そこが情けなかったです。
──それは今も続いてますか?
BIBI:少しずつ回復してきました。私はパフォーマンスの面でも自信がなくて、ボイトレの先生に「苦手なら苦手って言えばいい。できないのが恥ずかしいと思わなくていい」って言ってもらったんです。だから「ダンスできない女ができるようになるまで」くらいのノリでいいのかなって思えてきました。それに私、電車乗るのも落ち着かなくて、「誰かの邪魔になってないかな」とか思って降りちゃうくらい、自己肯定感が低いんです。でもXでは「可愛いでしょ」って言ったり、両極端なんですよ。そういうところがあるから哲学をやってみたり、文章を書いてみたりしてきたんだと思うんです。自己肯定感が低いのは、悪いことだけじゃないんだなって最近思えるようになりました。
