横浜アリーナには立たないといけない感覚はあります
──今後の話になりますが、4月19日の3周年記念のライヴ以降、プー・ルイさんは少し活動をお休みするんですよね。
プー・ルイ : そうですね。1ヶ月くらいお休みします。それから私以外の4人でツアーを回ってもらって、ファイナルの5月27日の〈WWW X〉で復帰します。休む理由は私が喉を壊してしまったからです。野音のゲネのときから声帯が腫れてしまって、そのまま回復が追いつかなくて、ポリープの子どもみたいなものができてしまいました。そこで思い切って休みをもらって、早く回復しようと決めました。
──プー・ルイさん以外の4人は不安なんじゃないですか?
プー・ルイ : 不安そうでした。今もすごく嫌みたいです。でもそれも問題だと思うんですよ。誰が抜けても同じ不安じゃないといけないはずなんですけど、私が抜けることに対しては、特にすごく不安になっている感じがします。
──4人に期待していることはありますか?
プー・ルイ : とにかく4人だけで話せるようになってほしいと思いますね。この期間の間は、技術よりも意識や覚悟を高めていってほしいです。いまは4人では喧嘩のひとつも解決できないんですよ。この機会にちゃんとコミュニケーションが取れるようになってほしい。それができるようになることが自信につながると思うんです。
──休むことに対する恐れはないですか。
プー・ルイ : 申し訳ない気持ちはありますけど、恐れはないですね。4人には旅をさせたいと思っていたし、私も客観的にPIGGSを見ることが必要だと思っていたんです。この機会にプロデュースに専念しつつ、今後についても考えたいです。
──実際プー・ルイさん的には、PIGGSの計画は順調に進んでいるんですか?
プー・ルイ : 全然順調じゃないですよ。本当はもっと、わーって売れたかったです。細かいことを失敗した感覚はありますし、昨年2022年は本当に学びの年でした。でも失敗したからこそ、自分たちが大切にしたい軸がなんなのかわかった感じもあるんです。その軸をしっかりしたものにしようと思っています。
──なるほど。
プー・ルイ : でも失敗するからって挑戦しない方がまずいとは思っているんです。軸は大事にするけど挑戦はし続けたい。これからも失敗はするかもしれないですけど、恐れずに攻めていきたいと思います。
──いま、プー・ルイさんが抱いている野望はどんなことですか。
プー・ルイ : やっぱり私は売れたいですね。この前、2期BiSのゴ・ジーラ(現、Ayana)がやっているKASVEというバンドとの対バンのイベントに出たんですよ。その日はライヴを見ながらいろんなことを考えていたんですけど、売れることを目指さない音楽の楽しみ方というものがあるんだなって気づいたんですよ。確かにそういうスタイルに憧れる部分もあったし、音楽ってそうあるべきだよなって思うんです。でも自分がその立場になったとしたら、楽しいとは思えない気がするんです。多分すぐ飽きちゃう。やっぱり私にとっての音楽活動は、売れなければ意味がないことなんだなと。そのとき改めて、私は売れたいと思いました。
──なるほど。
プー・ルイ : 「売れるって何なんだろう」って考えたんですけど、そのなかで絶対超えたいものが明確にあったんです。それは、自分がかつてやっていた旧BiSなんですよね。旧BiSでやっていたよりもっと売れて、自分が知らないところまで行きたいと思いました。でもそのためにはどうしたらいいのか、悩みがつきません。でもやっぱり旧BiS解散ライヴの地である、横浜アリーナには立たないといけない感覚はあります。そのためには、まだまだ頑張ることが必要ですね。