一対一で夢中で遊べる新津由衣ワールドを
──“暴露”でここまで赤裸々に自分のことを書いたのはなぜだったんですか?
新津 : 光さんが「プライベートのことだから判断は任せるけど、由衣ちゃんのその経験に勇気づけられる人もいると思うよ」というアドバイスがあったんです。言葉にする不安や恥ずかしさはあったけど、作る音楽やファンの方に正直なシンガーソングライターでいたい!と感じて歌詞に取り入れました。そうしたら試聴会のときにファンの方から、「私も同じような経験をしたから励まされた」と言っていただけて、救われた気持ちになりましたね。
──良い話ですね。
新津 : エンターテインメントとはいえ、歌う心の本質は本当のものでありたいという強い思いがあって。飾っただけのもので消費されてしまう音楽ではなくて、生き様を歌にして歌い続けられるアーティストになることが目標です。
──そうした出来事を乗り越えて、新津さんは先日結婚を発表しました。結婚しようと思ったきっかけはなんでしょうか?
新津 : 実家に戻って、新津由衣の音楽には、家族の愛情が欠かせないと思えたことは大きなきっかけですね。そう考えるなかで、良いご縁があったのであまり悩まずに決断することができました。これからの人生はますます、音楽活動や創作に専念していきます!

──おめでとうございます! そして5月4、5日には、ヘッドフォンライブ2024〈傑作展〉が開催されますね。このヘッドフォンライブとはどういうライヴなんでしょう?
新津 : お客様も演者も会場全員がワイヤレスヘッドフォンを着用しながら、ライブを行います。客席とステージの境界線がない会場で、妄想の新津美術館を作って、その中をみんなで練り歩きながら生の音楽を楽しむという、没入体験型ライブです。
──ヘッドフォンライブという形式をとった理由はなんですか?
新津 : ヘッドフォンで音楽を聴くと、一対一感がより、ありますよね。以前Neat’sで〈星空ヘッドフォンフェス〉という野外でのヘッドフォンライブを開催しましたが、目の前の生演奏が自分の耳に直接聴こえてくるって、五感が研ぎ澄まされるような不思議な体験になるんです。誰もが「傑作だ!」と思えるライブをしたかったので、なかなか出来ない音楽体験を届けたいと思いました。
──このヘッドフォンライブという特殊な形式の魅力はどういうところにありますか?
新津 : ライヴって客席で観るものと思いがちなんですが、そんな感覚を打ち壊してステージ上に参加する気持ちで楽しめると思います。ダイレクトに私の生声が届くのでお客様とより近い距離で繋がりたいし、私のお部屋に遊びにくる感覚でいてほしいなと思っています。
──「独奏」と「合奏」ではどのように違いがあるんですか?
新津 : セットリストも衣装も編成も違うんです。1日目の「独奏」では主にNeat'sの楽曲を中心に、私が独奏で鍵盤やエレキやトイピアノやオムニコードなどいろんな楽器を駆使しながら歌う、1人オーケストラのようなライヴです。私の制作部屋を覗いているような感じになりますね。2日目は、部屋から外に出て「新津由衣」になっていく物語をお見せできると思います。こちらは光さんejiちゃん、という私が信頼を寄せるミュージシャンのお二人をお迎えして、みんなで公園で遊ぶように音楽を奏でます。この「合奏」の方は、お客様と一緒に作ることを大切にしたいので、バイノーラルマイクでみんなにも声をもらったり、参加することを楽しんでもらえるライヴにしたいと思っています。

──なるほど! 新感覚のライヴになりそうですね。
新津 : 私もお客様の中を練り歩きながら歌うのははじめての試みなので楽しみです! ヘッドフォンライブだと、普通のライヴでは聴こえない息遣いも感じられますし、ヘッドフォンを外すと私のアカペラが聴けるので、それを聴くのもよしです。
──最後に、今後の展望について教えてください。
新津 : 今すごく創作意欲が湧いているので、新曲もどんどん作っていきたいですね。Neat’s〜新津由衣で13年、RYTHEMで20年と、生きることと音楽活動が密接になってきてとても幸せです。一時歌手をもう続けられないと弱気になるときもありましたけど、きっと私は辞められないんだろうなと思います。新津由衣という活動は、幼少期に、家族に喜んでほしいという一心で、手作りディズニーランドごっこをして夢中で遊んだことと、今でも同じ世界の延長線上にあるなと。アーティストとして最前線を目指しながら、アイデアの源泉は子どもが「ごっこ遊び」をするように夢中な心でありたいなと思っています。作品を一緒に作って下さるクリエイターさんや、ファンの皆様と一対一で夢中で遊べる新津由衣ワールドを作っていきたいですね。

編集 : 西田健
まさに『傑作』な最新アルバム!
特典として、新津由衣直筆の手書き歌詞カードブックレットが付属します。
LIVE INFORMATION
新津由衣ヘッドフォンライブ2024「傑作展」

5月4日(土祝)
【独奏】Neat's Bedroom Orchestra
<昼公演> 14:00 / 14:30
<夜公演> 17:30 / 18:00
5月5日(日祝)
【合奏】~傑作展~ Trio ensemble
<昼公演> 14:00 / 14:30
<夜公演> 17:30 / 18:00
出演:新津由衣、Gt.石崎光(Day2)、Key.eji(Day2)
会場:
MATERIAL(アートギャラリー) 東京都杉並区高円寺南4丁目4−11(高円寺駅から徒歩5分)
チケット:
■一般チケット"WHITE" ¥8,000(税込)
■キッズチケット"PURE WHITE" ¥4,000(税込)
※全自由席(ステージと客席の境界線がありません)
※ワイヤレスヘッドフォンをお一人様一台お貸出します。
※ドレスコードは「白」です。白い服や小物などを一つ身につけてご参加下さい。
詳細はこちら
https://tiget.net/users/1175395
新津由衣 & Neat's ディスコグラフィー
PROFILE : 新津由衣

新津由衣(Neat’s) / RYTHEM YUI :シンガーソングライター/アーティスト/昭和音楽大学講師
2003年にシンガーソングライターユニットRYTHEMのYUIとして高校生でメジャーデビューし、
アニメやドラマなど数々のタイアップ曲をお茶の間に届ける。
その後ソロプロジェクトNeat'sを立ち上げ、作詞作曲編曲・アートワークデザイン・MV監督・流通を全てDIYで行い、独自の世界観を追求する。長編の絵本制作や星空ヘッドフォンライブ、人形劇場での絵本朗読ライブ開催など、音楽の枠を飛び越えた多彩な表現が話題となる。
2017年にアーティスト名を「新津由衣」に改名し、自身の活動に加えて外部アーティストのプロデュースや楽曲提供、昭和音楽大学サウンドプロデュースコースの講師も担当。RYTHEMとしてのデビュー20周年も迎え、活動の幅を広げている。
最新アルバム「傑作」を引っさげ、2024年5月4日〜5日には「傑作展」と題した2DAYSワンマンライブが決まっている。
ギャラリー空間を美術館に見立て、客席とステージの境をなくし、ワイヤレスヘッドフォンを介して観客に歌声を届けるという試みの、没入体験型ライブを開催予定。
【公式HP】
https://www.neatsyui.com/
【公式X】
https://twitter.com/Neatsyui