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INTERVIEW : nicora ray ark
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インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影: 大橋祐希
nicora ray arkはchiyonoちゃんありきで作っていった
──nicora ray arkというプロジェクトがはじまった経緯について教えてください。
齊藤州一(以下、齊藤) : 2020年頃、amiinAの活動が終わる直前くらいに、ライヴハウスのイベントでchiyonoちゃんに会った時に、上京するって話を聞いたんですよ。それで「せっかく東京に来るんだったら、一緒に音楽をやってみようか」って話になったんです。そのあと「どういう活動をやりたい?」って聞いたら、「自分がチアリーダーをやっていた時みたいに、めちゃくちゃ厳しい環境のなかで、ギリギリになりながらも頑張りたい」みたいな意思表示をしてくれたんです。そこからグループの構想を練っていきました。
chiyono : 当時はそういう気持ちでしたね。自分と戦わないといけないし、そうじゃないと東京ではやっていけないと思っていました。
──nicora ray arkの音楽性は、chiyonoさんがやっている3776とはかなりベクトルが違いますよね。音楽性はどういう風に決めていったんですか。
齊藤 : 僕はamiinAのような雰囲気のものも大好きなんですけど、うるさいのも元々大好きだから、いつかはそういうグループをやりたいなと思っていました。そこであるとき、神バンドのメンバーたちと会って「こういう活動をやりたいんだけど」って話したんです。それで今回のレコーディングにも参加してもらっている、ベースのBOHちゃんの繋がりで、ゆよゆっぺさんという、ボカロPの作家さんを紹介してもらいました。その後、ゆよゆっぺさんといろいろやりとりをしてデモを作ってもらったんですけど、その楽曲がすごく良くて。chiyonoちゃんにも聴いてもらったら「なんだこれは!? やばい!」って反応が返ってきたので、音の方向性はそこから定まっていきましたね。
chiyono : はじめて聴くようなジャンルの曲だったのでびっくりしたんですけど、かっこよかったです。
齊藤 : 実はamiもその時からすでに参加してほしいって話になっていたんです。僕が「chiyonoちゃんのそばにいてほしい」みたいな感じのことを言ったと思う。
ami : 言ってましたね。ちぃちゃん(chiyono)とは小学6年生とか中1の時からの付き合いなので、快諾しました。
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──そんなに前から共演してたんですね。
ami : そうですね。アイドルの現場でその頃から共演していました。
──齊藤さんはなぜamiさんをメンバーに加えようと思ったんですか?
齊藤 : chiyonoちゃんにメインで歌ってもらう構想だったので、音楽的なパフォーマンスとしてamiの力が欲しかったんです。
──ということは、齊藤さんの中でchiyonoさんが活動の軸であることは最初から決まっていた?
齊藤 : 決まっていました。amiinAをamiありきで考えていたように、nicora ray arkはchiyonoちゃんありきで作っていったんです。
chiyono : 最初は「グループやるよ」って誘われていたから、私も何人かメンバーがいるなかの一員として活動すると思ってました。でも気づいたら真ん中に立たされていました(笑)。
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──手元の資料を読むと、nicora ray arkは「icon と Animals で構成されたパフォーマンスユニット。icon chiyono がメインボーカル。Animals は最大4人でダンス&ボーカルを担当」とあるんですが、これはどういうこと?
齊藤 : イメージとして、iconであるchiyonoという存在は、コロナ禍以降の混沌とした世界に遣わされた子なんですよ。Animalsはiconに対して守ったり一緒に戦ったりする式神のイメージです。光というより、ポジティブな闇の力で混沌感や閉塞感みたいなものを、共に突き破っていくイメージです。
──なるほど。なぜ、このようなコンセプトにしようと?
齊藤 : amiinAをやっている時から、いろんなグループの流れがあるなかで、自分たちがやっていく動き方を変えなきゃいけないと思っていたんです。nicora ray arkとして、ここでもう一回新しいことをやるのであれば、別の戦い方をしたいという想いが根本にありました。それで考えたのが、世界と戦うアイコンがいてそれを守る動物たちです。Animalsのメンバーはサポートを入れてシャッフルしたり、ライヴのコンセプトによって変えてもいいかなと思っています。
──chiyonoさんとamiさんは基本固定で、それ以外が変わる可能性があるということですね。
齊藤 : ありますね。もし今後メンバーとして誰か決まればもうひとり固定でも良いかもしれない。今後はAnimalsだけの曲があってもいいかなとも思っています。
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