テラシマユフのゆるキャラ大解剖 vol.12 (インタビュー&文 : テラシマユフ)
INTERVIEW : カパル
まずはカパルのプロフィールを御覧ください。
名前 カパル
種族 河童(カッパ)
性別 ♂でも♀でもない
所属 (公財)志木市文化スポーツ振興公社 公式キャラクター
歴史
2000年(平成12年)
志木市民会館パルシティ職員の卓上メモ用紙にて誕生。「公社のキャラクターとかあったらイイよね。志木市には河童の民話があるしよくね?」と社内で話していたこともあり、偶然、理事長(当時)の目にふれ、公式キャラに採用。
2001年
公社広報誌「Sacaso」が発刊され、2(秋)号誌にて名前を公募。多数の応募の中から“かっぱ”の「か・ぱ」と市民会館の愛称“パルシティ”の「パ・ル」を掛け合わせた【カパル】が当選される。3(冬)号誌にて「カパル」襲名披露。しかし、3号発行後、突如、休(廃)刊となり関係者内外で“幻の広報誌”とされる。襲名後、誌面での更なる活躍を期待されるも、その広報誌の存在自体がなくなり、以後、公社HP、名刺、封筒等にヒッソリと印刷されるに留まり、社内でもカパルの存在、名前すら忘れかけられていた。
2011年6月
Twitterの市民会館公式アカウントでの「そういえばウチにもキャラがいるんだよ」との画像をあげてのつぶやきから、その中途半端にキモチ悪いフォルムや生立ちの闇黒史から極一部のマニアに注目され、ノリで“カパル親善大使”を名乗る人たちが誕生するなどのムーブメントが起こる。この動きをキッカケにカパル公式アカウント( @shiki_kapal )が開設される。しかし、公社公式に関わらずヲタク色の強い趣味ツイートばかりが多く公式らしからぬ発言が全体の9割以上を占める
9月30日
Twitterフォロワー数を急速に伸ばし、また昨今のゆるキャラブームもあり、10年の時を経て三次元化し、地上に光臨。
11月21日
郷土志木市や埼玉の魅力を広くPRする「ゆる玉応援団」団員№70に埼玉県知事より任命される。
12月26日
すまいるエフエム(コミュニティFM放送局)の夕方看板番組「おかえりスマイル」へ喋れないことを承知で、スペシャルゲストとしてオファーを受け、ラジオ出演するという快挙を遂げる。
2012年5月9日
埼玉新聞社からの取材を受け地域欄に大きく掲載される。
5月21日
志木市を代表し健康長寿埼玉プロジェクト事業の「けんこう大使」に埼玉県知事より任命を受ける。
8月30日
「カパル体操 ~1234! カパルだお!!~」が完成し、志木市役所にて記者発表を行う。
以後、様々なイベント等へ精力的に出没を続ける。
(以上公式HPより)
カパル誕生秘話
公式ホームページより引用した「歴史」をご覧いただければおわかりの通り、2000年、まだ「ゆるキャラ」という呼称が一般的でなかった頃、当時のパルシティ職員(現館長)の山口太郎さんが、「公社のマスコットキャラクターがいたらいいかも!」と裏紙にデザインされた河童のキャラクター、それがカパルでした。山口さんは日光江戸村のニャンまげをイメージしてデザインされたそうです(実はニャンまげは「元祖ゆるキャラ」としてみうらじゅん氏も注目していたキャラさんなのです)。なかなかに独特なルックスで、お昼休みに4〜5人で盛り上がっていたところ、理事長(当時)の目に止まり即採用、あっという間に広報誌に登場することが決まりました。ところが、第二号で名前を公募し、第三号で決定、発表したはよいものの、そこで広報誌が休刊となってしまい、カパルも活動の場を失ってしまいました。
その後は公社で働く職員さんの名刺等にこっそり登場する程度だったカパル。ところが、時は流れて2011年、公社のアカウントで「昔こんなのがいたんだよ」と紹介したところ、フォロワーさんの食いつきがすごかったんだそうな!
あまりの人気にカパル専用アカウントが作られると、フォロワー数はぐんぐん増加。「〜だお」といったいわゆる2ちゃん用語を使用したり、プロフィールに「変態は褒め言葉」と記載されていたりと、個性的で自由なツイートが大人気となりました。
この時カパルがお手本にしたのは、当時からTwitterで絶大な人気を誇っていた、北海道長万部市の非公式ゆるキャラ・まんべくん(現 てるひこ)。ただしあくまで公社のゆるキャラとして活動する以上、まんべくんのような「炎上」が起こってはいけないということで(あれはあれでとてもインパクトがありましたが…)、政治や宗教に関するツイートはご法度。けれどそれ以外の事柄に関しては、カパルが自由につぶやいているそうです。SNSを使ったファンとの密な交流って、なんだかアイドルとも関連しているような…。
東京スカイツリー開業1周年記念イベント「ご当地キャラクターフェスティバル in すみだ」のステージにて愛嬌を振りまくカパル氏♡
三次元化だお!
さて、ネット上での人気、知名度が上がるにつれ、「カパルにはどこで会えるの?」という声が多くなっていきました。そこで、「ならば三次元化を…」と、有明ガタゴロウちゃんのいうところの「魂の入れ物」、いわゆる「きぐるみ」が出来上がりました。この時スタッフの皆様が意識されたのは、「カパルが自分で動ける状態で三次元化してあげる」こと。「自力で普通の扉を通れるように」というのが条件だったそうです。「カパルは見た目が可愛くないので、面白いパフォーマンスでみんなを楽しませられたら、と思ったのです」と山口さん。そういえば、インタビューの間、山口さんは何度も「カパルは見た目が可愛くないので…」とおっしゃっていました… いや可愛いですよ! 私は大好きだお! た、たしかに、「正統派」とはまたちょっと違う可愛さなのかもしれないけど… っ(汗)。でも、そういう独特の魅力をスタッフの皆様がちゃんと理解してあげて、プロデュースしてあげたからこそ、今のカパルの人気があるのだと思います。山口さんいわく、「見た目だけでは本当に可愛い子たちにはかなわない。そういう子たちはただ立っているだけでも人が寄ってきてくれるけれど、カパルはそうじゃないから、パフォーマンスやSNS、現場での交流を通じて皆さんに好きになってもらえたら、と思っています」とのことです。
ところで、実際に会った時もSNSでのやりとりそのままできるというのはとても魅力的ですよね。カパルは話せないけれど、「この前リプした〇〇だよー」「いつもTwitter見てるよ」といった言葉にジェスチャーで反応してくれます。ネットを介しての関係が、直接の交流に繋がる… それって、ファンにとってはすごく嬉しいことだと思うのです。
しかもこの構図、なんだかやっぱり、アイドルとファンの関係にも似ていませんか? 普段、ブログやTwitterを通して交流していた研究員さんと、握手会で「この前こんなこと書いてくれましたよね」ってお話する感覚に似ているのかな―って! 私も、ずっとSNSだけでやり取りしていた研究員さんと実際にお会いできると、「本物だ―!」ってテンション上がるもん!
神対応接触
そしてもうひとつ、カパルが特に大切にしているのが握手やハグなどの「接触」。イベント会場で、カパルはたくさんのファンひとりひとりの手を両手で包み込みしっかり握手、親しげにハグしてくれます。こうした心のこもった対応は、ファンにはとても嬉しいもの。私もこれでメロメロになった1人です。アイドル用語でいう「神対応」ってやつですね! アイドルの握手会(BiSはハグ会もありますが)において、ファンの心をがっちり掴む接し方を「神対応」と評し、そのような対応ができる某国民的アイドルグループの柏◯由紀さんなどが「握手会の女王」と呼ばれていますが、カパルはまさにゆるキャラ界のゆ◯りん!?
そんなカパルのお手本は、岐阜県柳ヶ瀬商店街のゆるキャラ・やなな。やななはパフォーマンス、接触、すべてが魅力的で、ファン一人一人を大切にしてくれる、とってもあたたかくて、プロ意識の高いゆるキャラさんでした。今年3月に多くのファン、ゆるキャラ仲間に惜しまれながら引退。今でも「姐さん」として慕われています。カパルもやななが大好きで、柳ヶ瀬でのイベント時、ステージ上で婚姻届に署名しちゃったんだとか! 「夫 : やながせいこ 妻 : カパル」… カパルはついに「やななの嫁」になったんだお! … 性別不明だもんね、そういうのも有りだよね(笑)。
カパルとやななが特に親密になったのは2012年11月、同じ志木市のゆるキャラ「カッピー」、「あらちゃん」とカパルが協力して主催した『志木市民祭』に、ゲストとしてやななを招いたことがきっかけでした。このイベントは、カパルが初めて運営として関わったイベント。「パフォーマンスが面白い子を集めて、ステージで魅せよう!」という狙いのもと、やななを始め、北海道のゆるキャラさんでギター演奏が得意な「アックマ」、「コアックマ」、渋谷区でお花を植える運動を頑張っている「くもっくる」ちゃんなど、大きく動けるキャラクターさんを中心に招待し、ゆるキャラどうしのコラボ企画を発表したそうです(ちなみにテラシマはこの「コラボ企画」に弱いのです… キャラどうしが仲良さそうに絡んでいるの見ると「はぅー♡」ってなってしまいます)。
カパルの所属する『志木市文化スポーツ振興公社』が運営する施設の中には『パルシティホール』という立派なホールがあり、そこではもともと舞台などが多く公演されていたため、スタッフさんたちも自然と「ショーとしてみて楽しめるもの」を目指されるようになったそうです。
そして、この『志木市民祭』をきっかけとしてやななと絆を深めたことが、3月9日に行われたあの伝説のイベント、『やななの卒業式in関東』に繋がったのです! 3月末日に引退が決まっていたやなな。当日は地元、岐阜県柳ヶ瀬商店街で大規模なイベントが予定されていましたが、全国で活躍していたやななには関東にも多くのファン、そしてゆるキャラ友達がいます。当日柳ヶ瀬まで足を運べない人でもやななをお祝いできるように、と開催がされたのがこの『やななの卒業式in関東』。会場は、「パルシティホールを使うお!」というカパルの提案により、志木に決まりました。
このイベントには私も参加させていただいたのですが、キャラクターとのグリーティングのみならず、ホールのステージでのパフォーマンスタイム、屋外に設置されたステージでのPRタイムなど、各キャラの個性が光る演出が多く見られました。たとえば、カパルややななを始め、「動けるゆるキャラ」達は、各キャラのテーマソングに合わせて踊ったり、楽器を演奏したり。土偶のゆるキャラ、ペッカリーちゃんがまさかの美声を響かせるなど、衝撃的なプログラムも用意されていました。それぞれのキャラクターさんの特技を生かした、すごく素敵なステージでした! そして私もちゃっかりステージに上がらせていただき、『カパル体操』を踊らせていただいたのでした…♪(YouTube見てね♪)
ところで、「動けないゆるキャラ」さん達はどうしたらいいの? 当日は、手を上げたり、ステップを踏んだりすることが難しいゆるキャラさんも多く参加していました。彼らの見せ場は、なんと「ジャスチャーゲーム」! 思うように動けないながら、一生懸命ジェスチャーするみんなの姿に萌えました…「動けない」ことを逆手に取った大胆なプログラム! 一本取られたお!
ファンの支え
ところで、こうしたイベントでは各キャラさんの「グッズ販売」が行われます。カパル物販も缶バッチやストラップ、手ぬぐい等充実したラインナップ。実はこうしたカパルグッズ、もともとはカパル側からお願いしたのではなく、製作会社さんからの「カパルグッズを作らせてください」というラブコールにより実現したもの… すごい! 「売れるかわかんないよ…?」と渋るカパルスタッフの皆さんを、製作会社の方は実際にサンプルまで作って説得、「そんなに言ってくれるなら…」とゴーサインを出したところ、これが大人気! 山口さんの感想は「買う人いたんだ― ってびっくりしました!」ゆ、ゆるいコメント…
先ほど「一緒に踊らせていただいた…」とご紹介した『カパル体操』も、実はカパル側から制作お願いしたわけではなく、「カパルのテーマソングってないんですか?」「実はないんですよ」「なら私が作ります!」といった流れで、カパルファンのアーティストさん達が協力して作ってくださったものなんだそうです。カパルの人気、人望(河童望?)がうかがえるエピソードですね。
このように、カパルは最初からかっちりとした戦略があって売りだしたキャラクターではなく、ファンの要望に応えて徐々に活動の幅を広げていって今に至る… というキャラクターさんなのだそうです。
「たしかにカパルが三次元化した頃はゆるキャラブームが熱を帯びてきた時期ですが、だからといってブームに乗っかるつもりは全くなかったんです」と山口さん。私個人の感想ですが、その『狙ってなさ』が成功の秘訣なのかもしれないな、と思います。これだけゆるキャラ界が盛り上がっている今、正直、人気キャラの二番煎じ、三番煎じ的なデザイン、設定でキャラクターが量産されている感が否めません。もちろんキャラさん自身に罪はないのですが、そういう子達は自身のコンセプトや活動方針が曖昧で、なかなか自分を上手にPRできないままでいるようにみえて… それってすごくもったいないし、寂しいことだなって思うのです…。アイドル同様、やっぱりファンあってのゆるキャラだと思うので、上手に自分をPRしてできるだけたくさんの方に知ってもらい、愛してもらえたら嬉しいですよね。カパルはブームを変に意識しすぎず独自の路線を突っ走り、一方でまんべくんややなななど先輩キャラのいいところを上手に取り入れることができました。それは、「あのキャラみたいに自分が売れるためにどうしたらいいか」ではなく、「あのキャラみたいにみんなを楽しませるにはどうしたらいいか」を考え続けた結果。自分よりもファンのことを考えて行動してきたら、いつの間にか自分も人気者になっていた… それってとっても素敵なことだと思います。
仲良しのゆるキャラさん
さて、そんなカパルにはファンのみならず、仲良しのゆるキャラさんもたくさんいます。たとえば、初めて参加したゆるキャライベントで知り合い、その後いろんなキャラさんと仲良くなるきっかけを作ってくれたというおしなり商店街振興組合「おしなりくん」。そして、彼を通じて知り合った千葉県佐倉市の「カムロちゃん」や成田市の「うなりくん」、『コレキャラ』で共演している秋田県「ニャジロウ」、渋谷フラワープロジェクト「くもっくる」、佐賀県「有明ガタゴロウ」、千葉県船橋市「ふなっしー」、「カッパのコタロウ」、おして先程から何度もお名前をあげている「やなな」… などなど。
みんなと共演するとき、カパルは「2番手、3番手でいい」、「はしっこでいい」と言います。だからライバルはいません。ステージ上でも、目立つポジションは他のキャラさんに譲り、自分は他のキャラさんに絡みに行ったり、さらには他のキャラさんのファンに絡みに行ったり、少しもじっとしていません。これは、カパルが「自分が誰かと誰かをつなぐバーター的な存在になれたら」と考えているからだそうです。山口さんいわく「三枚目」なカパルは、主役というよりも、あじのある名脇役、その役を通してみんながつながっていくような存在が似合うというのです。
それは志木のPRに関しても同じこと。カパルが有名になって終わり、ではなく、カパルが誰かと志木を繋ぐ存在になってほしい。カパルをきっかけに志木を訪れてくださる市外の方はもちろん、市民の方との繋がりをより強固にしていくことも大切です。たとえば『カパル体操』は市内各地の幼稚園で園児たちが踊っています。子どもたちが親になった時、自分の子どもにまた『カパル体操』を教える… なんてことが起きたら素敵ですよね。市民の方々を「志木」というふるさとに繋ぐ役割も果たしているカパルはやっぱりゆるキャラの鑑だ―!
志木の魅力
そんなカパルのふるさと、「志木」の魅力について改めて伺ってみると、「市内を三本の川が走り、カッパ伝説の多く残る場所。昔は川が運河として使われ、周辺は宿場町として栄えていました。今でも当時からの自然豊かな風景、そして昔ながらの人情が残る街です。けれど、池袋から電車で15〜20分という利便性も兼ね備えており、駅前などは開発され、都会的な雰囲気です。古いものと新しいものが入り混じった田園都市、自然と人間が共存している場所ですので、ぜひ遊びにいらしてください」と山口さん。私も「やななの卒業式in関東」の際、志木に伺いましたが、都内からそんなに離れていないにもかかわらず、のんびりとして落ち着いた雰囲気だったのが印象的でした。イベントには地元のお惣菜屋さんやお弁当屋さんも出店していて(コロッケとチャーハンと春巻き食べたお! 食べ過ぎだお!)、昔ながらの地元に密着したお店が多いのかな、と思ったことを覚えています。会場となったパルシティホールもとっても充実した施設で、文化にも力を入れてらっしゃるのかな、なんて… とにもかくにも素敵なところ! ぜひ足を運んでみてくださいー♪
ゆるキャラブーム
さて、最終回のゲストをカパルをお願いしたのは、今までたくさんお世話になったことに加え、どうしてもカパルに聞きたいこの質問があったから、ということも大きな理由の一つでした。今までご紹介してきた通り、カパルは誕生から10年以上のキャリアを持っていますし(その大半は単に「放置」されていただけ、と本人は謙遜するのですが…)、三次元化してからの活動の様子を、あくまで一ファンとしてですが追わせていただくと、なんだかすごく客観的というか、落ち着いているというか…「ファンが喜んでくれることが第一」という意識ゆえなのか、このゆるキャラブームにいい意味でがっつりついていかず、自分の魅せ方、そして共演キャラさんの魅せ方をすごくわかって動いてらっしゃる感じがして… 偉そうにすみません。でもね、この間「ご当地キャラクターフェスティバル in すみだ」で偶然お会いしたカパルファンの方も、「カパルがいてくれると締まる」っておっしゃっていたんだよ! ルックス的にもそうだし、イベントを進行する上でも、常に空気を読んで反応してくれるカパルはとっても大切な役割を果たしてくれてるんだなって思うのです。
だから、そんなカパルが今後のゆるキャラ界についてどう考えているのか、ずばり聞いてみたかったの!
大ブレイクしたかわいい「ひこにゃん」に始まって(ゆるキャラ界では『ひこにゃん以前』、『ひこにゃん以後』という時代区分があるほどの影響力!)、キモかわいい「せんとくん」、経済効果抜群で新しいビジネスモデルを築き上げた『くまモン』、そしてまさかのしゃべるゆるキャラ『ふなっしー』… めまぐるしく移り変わるゆるキャラ界。
山口さんは「ふなっしーも言っていますが、このブームはまもなく落ち着くでしょう。ですから乗るところはうまく乗りつつ、ブームに左右されずに活動できるよう、長い目で見てカパルを育てていきたいです。ブームが去っても街で見かけた人に『カパルだ!』って気づいてもらえる、覚えていてもらえるキャラでありたい。もともとカパルはコンセプトありきのゆるキャラではなく、要望とともに変わってきたゆるキャラですし、いずれ代替わりということもあるかもしれません。その時々にファンの方がどんなものを求めて下さっているのかしっかり見極め、なるべくお応えしていきたいと思っています」とお話してくださいました。やはり「ファンありき」という考え方は一貫しているのだなぁ…! 本当にファン思いなゆるキャラさん、そしてスタッフさんで、お話を伺ってとても感動してしまいました(もはやお仕事であることを忘れ一ファンとして聞いてしまっていました…)。そんなカパルだもん、ブームうんぬんでなくいつまでも多くのファンに愛されながら活躍してくれるに違いない! そう確信しました! そして、今頑張っている全国のゆるキャラさんたちも、きっとそれぞれがそれぞれのファンを大切に活動されていることと思います。今のような、過剰なまでに熱を持ったブームはやがて過ぎ去ってしまっても、ゆるキャラさん達がそういう気持ちで活動し続けてくださる限り、あたたかい連鎖は続いていくでしょう。ゆるキャラは不滅だって思いました! ゆるキャラ is not DEADです! わー!
今後についてアドバイスだお!
最後に、毎回ゲストのキャラさんに伺っていた質問にも、カパルに代わって山口さんが答えてくださいました。…ずばり、カパルのような愛されキャラになるにはどうしたらよいでしょうか?
「やりたいこと、これ! と思うことを一生懸命やり続けることが大切なんじゃないでしょうか? そしてなによりファンありきなので、支えてくれる人が笑顔になってくれるように、ということを1番に考えて行動することだと思います。アイドルさんもそうですが、ゆるキャラって、いってしまえば「娯楽」。なくても生きていけるものなんです。でも、これがあると、喜怒哀楽、いろんな人間らしい感情が生まれ、人間らしい生活ができる。我々がやっていることはそういう『娯楽』に関わることなのですから、『人を少しでも楽しくしよう』と思って行動することが1番です。有名になったり、お金持ちになったり、そういうことは結果として後からついてくるものであって、最初からそこだけ目指すのは違うんじゃないかな。と思います」
… ありがたいお言葉、本当に感謝です。おっしゃるとおりだなって思いました。「娯楽」という言葉には「楽しい」という字が入っています。誰かを楽しませる、それが「娯楽」に関わる存在としてのゆるキャラの、そしてアイドルの使命なんだなって、改めて感じました。以前、私の尊敬しているライターさんがおっしゃっていてすごく心に残ったお話があるのですが、なんだかそれを思い出しました。「人の気持ちを、怒らせたり悲しませたりする方向に動かすのは簡単。人が道で死んでたら無条件で目が行くでしょう? でも、楽しいこと、人を笑顔にすることで注目してもらうのは難しい。けど、難しいからこそ尊いんだよ」。そんなお話だったように思います。大好きなカパルのスタッフさんから同じ内容のお話を聞くことができて、「あーやっぱりカパル好きだ―!」って、改めて惚れ直しちゃいました!
私も、カパルのような気持ちを忘れず、誰かの笑顔の素となれるように、また頑張っていきたいと思います! それが、ゆるキャラ、そしてアイドルを愛する者として目指すべき道なんだなって、改めて感じました。
というわけで! この連載は今回でおしまいです。今まで本当にありがとうございました! ゲスト出演してくださったゆるキャラの皆様、お話を聞かせてくださったスタッフの皆様、そしてこんなゆるキャラヲタクが好き勝手書いている記事にお付き合いいただいた読者の皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました!
またどこかのゆるキャラ現場でお会いしましょう! ばいばーい(゜ω゜)♪
おまけ
「やななの卒業式in関東」でBiS研究員の「やっち」さんが撮影してくださった映像です。ステージの楽しい雰囲気がが伝わると思いますので、ぜひご覧ください♪ やっちさんありがとうございます!
… あれ、ちょっと待って、映ってるの私ばっかりじゃないですか(笑)! す、筋金入りのゆふぃすとさんだな…ありがとうございます、とっても嬉しいです、嬉しいんですけれども(笑)! 今回の記事の主役はカパルなので、読者の皆様には、カパルが踊っている様子もぜひ観ていただきたいのです! というわけで、YouTubeにあがっておりますこちらも御覧ください!
いかがですか、カパルの軽やかな身のこなし! このパフォーマンス、ぜひぜひ生で体感して欲しいんだお! というわけで! みんなカパルのイベントに遊びに行くんだおー!
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vol.1 「ゆるキャラ」って何?
vol.2 うなりくん(成田市)
vol.3 ふっかちゃん(深谷市)
vol.4 ササダンゴン(新潟市)
vol.5 いしおさん(桜川市)
vol.6 有明ガタゴロウちゃん(有明海)
vol.7 バリィさん(今治市)
vol.8 チーバくん(千葉県)
vol.9 「ゆるキャラまつり」レポート
vol.10 「ゆるキャラサミット」レポート
vol.11 ふにゃもらけ、大崎一番太郎