POP、個別インタヴュー・ユメノユア編「POPは自分の中ですごい大事な存在だから」
「キング・オブ・ポジティヴ」をテーマに掲げるPOPにおいて、「悩める子羊担当」というキャッチフレーズを冠しているのが、ユメノユアである。Twitterなどでも発信しているように、気持ちの波が大きくあり、それによって精神的にも体調的にも辛くなってしまうことがある。筆者自身、カミヤサキが活動休止中の4人時代にライヴ後つらそうにしている姿は何回かみかけたし、今年2月のO-Eastでのライヴ後、バックヤードで階段にうずくまって苦しみに耐えている姿に遭遇したりもした。その反面、POP活動初期からDJとして活動をしたり、最後まで対バン相手のライヴを観ていたり、アイドル・ソングに限らず音楽への関心をもっとも表に出していたのもユメノだった。
そんなユメノユアが作詞を担当した前シングル『Happy Lucky Kirakira Lucky』には、ユメノの頭の中が少なからず描かれている。〈いまのとこすべて忘れちゃおう 音を感じよう〉。インタヴュー内でも語っているように、音楽を聴いている間は無になることができる。そして、それが刹那的だということは同曲のなかでも描かれている。ユメノユアは音楽の持っている魔法を身をもって強く感じている。だからこそ、POPとしてステージで歌い踊っている瞬間は、ネガティヴさが想像できないくらい明るく激しく、まるで魔法にかかったかのように輝いている。
しゃべることは得意じゃないと言いながらも、本インタヴューでは自分の気持ちを丁寧に話してくれた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希
POPの2ndシングルを配信スタート!
POP / QUEEN OF POP
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV、AAC、mp3 単曲 200円 / まとめ 800円
【Track List】
1. QUEEN OF POP
2. 走る!!
3. QUEEN OF POP(inst)
4. 走る!!(inst)
つらくなると周りの人が全員敵に見える
ーーデビューから約9ヶ月経ちましたけど、ユアちゃん自身、いまのPOPをどう感じていますか?
ユメノユア(以下、ユア) : 最初の頃は本当に必死で、とりあえずこなすことで精一杯だったんですけど、(100kmマラソンを経て)サキちゃんが戻ってきてからグループの色も変わったし、前よりも一つ一つのことを意識しようと考えながら仕事をできるようになってきて、ちょっとずつ活動の幅が増えているのかなと思っています。
ーーこの間のO-Eastでのライヴ(2016年2月23日(火)〈IDOLidge Carnival-アイドリッジカーニバル-〉)のあと、楽屋裏で階段に座り込んでぐったりしていたのに驚いたんですけど、今もわりと体調が崩れてしまうことがあるんですか。
ユア : たまに、ああいうふうに苦しくなっちゃって…。
ーー気持ちの波みたいなものも結構ある?
ユア : 気持ちの波はあるんですけど、ライヴには切り替えができるように変わってきていて。前は不安な感じが出ちゃったりもしてたと思うんですけど、切り替えられるようになってきたと思います。
ーー「悩める子羊担当」って言うキャッチ・フレーズはユアちゃんが自分で考えたものなんですか?
ユア : メンバーかな、たぶん。
ーーステージ上では、毎回すごく直向きで笑顔あふれるパフォーマンスをしているから、終わったあとつらそうな時もあったりするから、余計びっくりするんですよね。もともと、ユアちゃんは自分のことを、どんな性格だと思いますか?
ユア : 簡単に言ったら、すごくネガティヴだし、暗いし、すべてのことをマイナスに捉えてしまうというか。人から言われたこととか、自分でしたこととか、全部が平均よりもマイナスに捉えてしまうから、たぶん落ち込んだりとかつらくなっちゃうことが多いのかなって。
ーーPOPに入る入らない関係なく、そういう傾向があったんですか?
ユア : ありました。
ーーなんでなんでしょうね。
ユア : (笑)。なんででしょうね。やっぱり育ってきた環境とかが影響してるんじゃないかな。
ーーそういう部分を変えたい気持ちもあったりする?
ユア : たぶん、これが完全にポジティヴになるのは難しいと思うんですけど、日常生活に支障がない程度になりたいなって思います。
ーー今は支障がある?
ユア : つらくなると周りの人が全員敵に見える。普通に話していても、話したりなくなっちゃったり、人に会いたくなくなっちゃうから。
ーーそういう状態でメンバーと会うときはどんな感じなんですか?
ユア : 練習のときとかはめっぽうしゃべらないし、あんまり目を見て話せなくなったりすることがあるのかなって、最近思いました(笑)。
求めてくださるオタクの方たちがいることがすごく嬉しくて
ーーそんなユアちゃんがオーディションを受けてPOPに入ったということは、人生においてもかなり大きな出来事ですよね。かなりポジティヴな動きだと思うんですけど、この動きができたのは何かきっかけだったんでしょう。
ユア : 今までは、平凡なというか普通に生活をしてたんですけど、社会人になるってなった時に自分のことをすごく考えて。もともとアイドルが好きで、アイドルさんのイベントにもよく行っていたので、憧れはあったんですよ。でも、憧れていただけで受からないだろうなとも思っていたし、いまやっている勉強だったりをとことんやらなきゃなと思っていて。それが一区切りしたあとでチャレンジしてダメだったらそれはいいと思うんですけど、目の前のことをしないでっていうのはダメだと思ったので、普通に社会人として働こうと思っていたんです。でも、アイドルはAKBさんとかモーニング娘。さんとか、若い10代の子とかがやってるイメージが強かったから、今じゃないとできないこともあると思って、思い切って受けてみたんです。それで受からなかったら、他になにかしようと思って、とりあえず受ける決心をしました。
ーー実際にアイドルとして活動してみてどうですか?
ユア : いろいろ自分の性格の問題もあるから、辛いと思うことはたくさんあるんですけど、ライヴもすごく楽しいし、求めてくださるオタクの方たちがいることがすごく嬉しくて。誰かに必要とされてるというか、好きって思ってもらえることがすごく嬉しいから、アイドルになってよかったなって思います。
ーーユアちゃんは、POPとしての活動と並行して、自分から発信することもわりと早くからやっていましたよね。DJユメノユアはどういうきっかけではじめたんですか?
ユア : もともとアイドルも好きだったんですけど、ロックが特にすごく好きで。ライヴに行っていたときとかに、友だちからDJイベントに誘われてたりもしていて、そこで知り合う人もいたのと、自分の言葉を使って好きな音楽を伝えるのが苦手なんですよ。でも、自分の好きな音楽をみんなに知ってもらえたら嬉しいなと思うし、そのバンドが好きって言ってくれたり、初めて聴いたけどいいなと思ってくれたら嬉しいし。だから自分からやりたいなって思ってはじめたんです。
ーーちなみに、音楽にのめりこんだきっかけになった曲だったり、グループだったりバンドって誰なんでしょう?
ユア : たぶん1番最初のきっかけはflumpoolさんかな。学生の頃、auのCMで曲が流れていて、かっこいいなと思って。そこから、いろんなバンドとかをYouTubeで観たり、ライヴに行くようになったんです。
ーー自分でバンドをやろうとか思ったことはありますか?
ユア : 学生の時に、本当にちょっとだけなんですけど、文化祭の時にやってました。ギター・ヴォーカルでした。
ーーそうしたロックと並行して、アイドルも好きだったと。
ユア : 1番最初に観たアイドルさんがでんぱ組.incさんなんです。ファッションのイベントに出演されていて、そこで観てかわいいなと思って。それがきっかけでかわいい女の子が好きになり、他のアイドルさんとかも観たりするようになりました。
ユメノユアとしてはマイナス思考なんですよ(笑)
ーーユアさんはインスタグラムも更新されていますけど、それはどういうきっかけではじめたんですか。
ユア : Twitterでフォロワーさんの数がいっぱいいると、それだけ発信力があるし、多いほうがいいじゃないですか? それに加えて、インスタグラムとかでも発信していったら、そこで見つけてくれる人もいるかもしれないなと思って。1人でも2人でも興味を持ってくれる人がいるかもしれないので、やろうと思ってはじめました。
ーーわりとネガティヴに捉えてしまうってことを言っていましたけど、自分で行動を起こして、いろいろ変えていこうっていうところも多いですよね。
ユア : うーん。POPは自分の中ですごい大事な存在だから、もっと大きいところでライヴしたりとかもしたいし、もっと知ってほしいなという気持ちがすごく強いんです。だから、それに関してはすごくポジティヴというか、自分のできることはなんだろうって考えるんです。でも、ユメノユアとしてはマイナス思考なんですよ(笑)。
ーーユアちゃん自身が思う、ユメノユアの1番の強みってどんな部分だと思いますか?
ユア : オタクの人とか見ていて、守ってあげなきゃじゃないけど、ある意味ネガティヴな部分を心配したりとか気にかけてくれる部分が大きいのかなと思うので、そこまでマイナスなことを言うのがまったく悪いことじゃないのかと思っていて。ネガティヴだったり弱そうな部分は、ある意味他のメンバーにはないのかな。
ーー前作「Happy Lucky Kirakira Lucky」はユアちゃん作詞ですが、そういう部分がすごく出てるなと思うんですけど、あの歌詞はどういう気持ちで書いたんですか?
ユア : ライヴハウスがすごく好きで、ライヴを観ている間は無になれるというか、そのバンドの音楽で頭の中がいっぱいになる瞬間がいっぱいあったから、POPを見てくれる人たちにもそうなってほしいなっていうのがあって、今このライヴの瞬間を楽しんでほしいなって気持ちで書きました。
ーーライヴを見ているときは無になれるということですけど、POPでライヴしているときはどんな気持ちなんでしょう。
ユア : うーん… でも楽しいです。楽しいけど、体力がないから後半になると踊ることだけに必死になっちゃうタイプです。
ーー初ワンマンではサウナスーツを着て1時間以上歌いきったわけですし、体力がなかったらあれできないんじゃないですか(笑)? サキちゃんの活動休止前と、今の5人体制で変わったこととかってありますか?
ユア : 最初は、サキちゃんがいろいろ「こうしたほうがいい」とかアドバイスをくれて、それに必死についていくだけしかできなかったけど、今はサキちゃんのアドバイスもあるけれど、メンバーもアイデアとかを出せるようになったのかなって。
ーーユアちゃんも、アイデアみたいなものはけっこう出せるようになった?
ユア : ユアは踊りができないから(笑)。踊りの面では全くできないけど… あんまり自分はできてないかもしれない(笑)。
ーーとはいえ、自分はこうしたいとか、POPはこうありたいっていうのはあるわけですよね?
ユア : うーん。
ーー質問を変えると、POPの中でユメノユアはどういう存在でありたいと思いますか?
ユア : POPにいなきゃいけない存在でありたいし… えー、どういう感じですか(笑)? なんて答えたらいいんだろう… なんか、こう見られたいっていうのはあるんですけど、あまりしゃべるのが得意ではないから、影で支える感じがいいなって思います。
ーーDJとかインスタグラムとか、ユアちゃんならではの活動っていうのも活かせたらいいですよね。
ユア : そういうところでもなにかやれたらいいな。難しいですけど。ふふふ。
1人1人がおもしろい存在でありたい
ーー音楽以外には、どういうものが好きですか。
ユア : 食べることが好きです。
ーー手料理の写真がTwitterでもあがってますもんね。
ユア : たまにします。
ーー何が好きですか?
ユア : 基本なんでも食べますね。
ーー嫌いなものはない?
ユア : ゴーヤとかは嫌いなんですけど(笑)。普段食べるものはそんなにないかな。でも偏食だから、これが好きってなったらずっとそれになっちゃう。
ーーちなみに、今は何が好きですか?
ユア : 今はなんだろう… グミの塊。最近はちょっとそれをやめようと思って、ご飯を食べるように心がけてはいます。
ーーPOPを、どんなグループにしていきたいと思いますか?
ユア : 5人それぞれが、それぞれの分野で1番になって5人が目立つというか、1人1人がおもしろい存在でありたいです。
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OTOTOYの定期ライヴ・イベントにPOPが出演!!
nest20周年記念公演 オトトイのススメ! vol.5
日時 : 2016年3月29日(火)@TSUTAYA o-nest
開場 : 18:30 / 開演 : 19:00
料金 : 前売 : 2,800円 / 当日 : 3,300円(1drink別)
出演 : DE DE MOUSE / アカシック / POP
問い合わせ : o-nest
主催・企画制作 : オトトイ株式会社 / ATFIELD.inc.
連絡先 : ticket@ototoy.jp(担当 : 西澤)
>>>特設ページはこちらから
POPの2ndシングルを配信スタート!
POP / QUEEN OF POP
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV、AAC、mp3
【配信価格】
単曲 200円(税込) / まとめ 800円(税込)
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1. QUEEN OF POP
2. 走る!!
3. QUEEN OF POP(inst)
4. 走る!!(inst)