kurayamisakaの快進撃を年表でたどる──フジロック出演、ファースト・アルバム・リリース、単独ツアーへ
フクダリュウジ(Gt.)、阿左美倫平(Ba.)、清水正太郎(Gt.)、堀田庸輔(Dr.)、内藤さち(Vo./Gt.)
2022年3月2日、kurayamisakaの物語はTwitter(X)のあの投稿から始まった。テキストもなく、動画だけがアップロードされたそのポストは、瞬く間にバンドマンや早耳リスナーの間で話題となり、〈下北沢近松〉での初ライブは異例の超満員に。以降、2023年にEP『kimi wo omotteiru』を発表し、2024年には〈FUJI ROCK FESTIVAL '24〉ROOKIE A GO-GO STAGEに出演。Homecomingsやリーガルリリーといった憧れのバンドとも共演を重ね、快進撃を続けてきた。この記事では、彼らが歩んできた軌跡、そして初のフル・アルバム『kurayamisaka yori ai wo komete』のリリースまでを年表形式で振り返る。さらには予定されている単独ツアーの意気込みも訊いた。なお、掲載されるメンバーのコメントはすべて、この企画のために録り下ろされたものとなる。
▼『kurayamisaka yori ai wo komete』全曲解説! 清水正太郎(Gt.)インタビュー
数々の“憧れ”が結晶化、圧倒的強度を放つファースト・アルバム
撮影 : 西村満
2021年
2021年12月
kurayamisaka結成
2022年
2022年3月2日
突如Xに「farewell」の動画がアップロードされる
- あの日の深夜に音源が完成したんです。本当にいいと思えるものができたので、我慢できずそのまま投稿しました。どんどんリツイート数が伸びていって、ただただびっくりしました。(内藤さち)(Vo./Gt.)
- 情報を一切出さないまま、Xで最初に投稿したのが「farewell」でした。正体が僕らだと知らずに友達が反応してくれるのを見るのが嬉しかったですね。(清水正太郎)(Gt.)
- 「なんだこのバンドは?!」と思ってもらえたのは、コロナ禍でさまざまな制限があったことへの反動も大きかったのかもしれません。特に、自分で音楽を掘るタイプの若い層が反応してくれた印象があって、思うように遊べなかった子たちのエネルギーが音楽に向かったのかなと思います。(堀田庸輔)(Dr.)
2022年3月16日
「farewell」のMV公開
2022年8月29日
初ライブ
会場:下北沢近松
共演:the scented、the slow films、國、ongia
- 清水がめちゃくちゃ緊張していたのを覚えています。自分以上に緊張しているのを見て、逆に自分は少し落ち着きました(笑)。(フクダリュウジ)(Gt.)
- 初ライブでバンドの正体も明かされていない状況なのに、フロアがパンパンで、その状況のありえなさにガチガチになりました。唇が真っ青になりましたね。(清水)
2022年9月18日
「last dance」のMV公開
2022年10月2日
ファースト・ミニ・アルバム『kimi wo omotteiru』CD発売
- 当時、僕と清水はルームシェアをしていて、清水と内藤と僕でよく遊んでいました。「仲良い友達5人組」という関係性を記録した作品になったと思います。(阿左美倫平)(Ba.)
- この時はAI的な機械的な歌い方をしていたのに、今聴き返すと不思議と伸びやかで、ゆったりとした時間が流れているように感じます。当時の私は無職で、その無職特有の余裕が反映されているのかもしれません。あの時でなければ録れなかった歌だったと思います。(内藤)
- 内藤のボーカルの良さを改めて感じました。特に“cinema paradiso”のサビ、「伝え切れたことなんて」の「つた」が好きすぎて、いまだにリピートして聴いています。(堀田)
『kimi wo omotteiru』から現在までの変化
- リファレンスにする曲が増えました。この3年間では特にMUSEが再燃して、ドミニク・ハワードのプレイスタイルに寄ってきました。(堀田)
- プレベへのこだわりがずっとあって、ベースの機材や音作りは5〜6年変えていません。その分、演奏にも筋が通っていると思います。(阿左美)
- この3年間で自分の軸ができました。AIっぽさのあった歌声から、温かみのあるボーカルへ変化し、幅も広がりました。(内藤)
2022年10月2日
kurayamisaka ファースト・ミニ・アルバム リリース・パーティー“kurayami saka tte doko?”開催
会場:下北沢近松
共演:colormal、 Pygmy I’m cricket、TTUD、Highlight、ニャホ(バンドセット)
2022年11月2日
ファースト・ミニ・アルバム『kimi wo omotteiru』配信開始
2023年
2023年3月18日
「evegreen/modify Youth」リリース
※元々はせだいの楽曲で、せだいのボーカルを務める佐久間ゲンソウが手がけた。本来は、佐久間が過去に内藤と清水と組んでいた別のバンドのために作ったもので、せだい活動時にリリースされた。しかし、当初は佐久間自身があまり満足していなかったようで、清水がkurayamisakaとして活動するにあたりアレンジを加え、改めてリリースされた。
2023年3月20日
「evergreen」のリリック・ビデオ公開
2023年3月25日
〈kurayami saka tte doko ? #2〉開催
会場:下北沢近道
共演:SACOYANS、Clematis
2023年3月31日
〈SYNCHRONICITY'23〉O-nest出演
2023年9月11日
〈kurayami saka tte doko? #3〉開催
会場:横須賀かぼちゃ屋
共演:Fallsheeps、I have a hurt、the bercedes menz