2012年のロックを変えるのは、京都出身の4人組tricotだ!!

中嶋イッキュウ(Vo/Gt)、キダ モティフォ(Gt/Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba/Cho)、komaki♂(Drums)によって結成されたtricot。東京での自主企画をSOLD OUTさせたり、「ARABAKI ROCK FEST.12.」にも出演するなど、日に日に注目度が高まっています。そんな彼女たちの2ndミニ・アルバムがついにリリース!! ライヴを観て一目惚れしたOTOTOY編集部の西澤が、それ以降の東京でのライヴに全て足を運び、満を持してインタビューを決行。OTOTOYが自信を持って大大大プッシュいたします!

tricot / 小学生と宇宙

展開の予測できないスリリングな楽曲、かつ耳から離れない中毒性の高いサウンド、力強くも可憐で繊細なヴォーカル。その3つが絶妙にマッチし唯一無二の世界観を生み出したtricotの2ndミニ・アルバム。

【価格】
単曲 : 200円 / まとめ購入 : 1200円

1. G.N.S / 2. 夢見がちな少女、舞い上がる、空へ / 3. しちならべ / 4. ひと飲みで / 5. フレミング / 6. MATSURI

tricotの爆裂PV集

tricot INTERVIEW

初めてtricotのライヴを見たときの衝撃は、今でもよく覚えている。満員御礼で汗っぽいライヴ・ハウスのステージに登場した彼女たちは、緊張するわけでも、リラックスするわけでもなく、まったく僕の与り知らない感覚を持ってライヴを始めた。あまりにも軽やかなステップで、エッジーな尖ったきっさきで切り進んでいく痛快さと未知の感覚。彼女たちには天性の才能がある。そして彼女たちが何よりも優れているのは、その才能を活かすためにこのメンバーを集めた野性の勘だ。バンドのダイナミズムは、このバンドにすべて詰め込まれている。そう言いきってしまえるくらいtricotは新しい感覚を自然に実現している。

今回、メンバー4人に話を聞いてみて、思いの他大人しいことに驚いた。彼女たちは「tricot movie」という動画シリーズを定期的にYouTubeにあげている。それがシュールすぎておもしろい。それだけに、少し緊張しながら笑顔で話をしてくれるギャップが意外だった。もしかしたら、そうした日常の様子との反動がライヴを勢いのあるものにしているのかもしれない。とにかく、自分たちの感覚を信じて全力でやりきる。非常にシンプルではあるが、彼女たちが信じている感覚は正真正銘の本物である。彼女たちから目を離さないでほしい。

インタビュー&文 : 西澤裕郎 取材写真 : 藤森沙羅
取材協力 : 渋谷 7th FLOOR

本気でぶつかっていける状態が出来てきた

——もともと、キダさんと中嶋さんは高校の軽音の先輩後輩だったんですよね。

中嶋イッキュウ(以下、中嶋) : 先輩は周りからもギターがうまいって騒がれていた憧れの人でした。一方、私は落ちぶれたヴォーカリストだったので、バンドを一緒にやりたいとは思っていたんですけど、私が組めるような人じゃないと思って、何も触れずに卒業したんです。そしたら、まさか先輩が私を誘ってくれて。でも、そのときは私が他の人とバンドをしていて、先輩が私に断わられるという事件があったんです(笑)。

——あはははは。

中嶋 : それから一年後くらいに私のバンドが解散して、しばらく修行の意味でソロでやろうと思ったので、「よかったらサポートでやってくれませんか?」ってお願いしたんです。サポートでやってもらっているうちに、一緒にバンドをやりたい気持ちがふつふつと湧いてきて、「私、バンドやりたいんですよ」ってライヴの打ち上げでポロッと言ったら、「私もいくちゃんとやりたい」って言ってくれて。ここを逃したらいかんと思って、次の日にマクドに集合して、やろうって始まったのがtricotです。

左から、ヒロミ・ヒロヒロ、キダ モティフォ、中嶋イッキュウ

——キダさんは、なぜ中嶋さんに声をかけたんですか。

キダ モティフォ(以下、キダ) : 高校のときからヘタクソだったんですけど、なんかいいなと思うとこがあって。

——いいなっていうのは、人柄なども含めてということですか。

キダ : そうですね。ブログとかmixiとかの言葉のチョイスがすごく好きで。なかなか、うまく言えないんですけど…。

——キダさんとヒロミさんは、tricotを始める前に組んでいたバンドで一緒のメンバーだったんですよね。

ヒロミ・ヒロヒロ(以下、ヒロミ) : もともと、私が高校からやっていた3ピースのギャルバンのライヴに来てくれていて、mixiを伝って「バンドでベース弾いてくれへん?」ってメッセージが来たんです。私もいろんなものに挑戦してみたかったので、「じゃあやる」って言って、インスト・バンドをやることになったんです。それでしばらく活動していたら、「いくちゃんと真剣にバンドをやりたいんやけど、ヒロミちゃんにベース弾いて欲しい」ってメールで言われて、じゃあやるーって。
中嶋 : 振り回されてばっかやね(笑)。

——ドラムは2ヶ月で7人も変わったということで、なかなか決まらなかったようですね。そんな中、komaki♂さんが正式加入するに至った決め手は何だったんでしょう?

中嶋 : もともとの友だちじゃなくて、自分からやりたいって言ってきてくれた唯一の人だったんです。なので、しばらくお手合わせって感じでスタジオに入って、ライヴをしていくうちにですね。

komaki♂

——komaki♂さんは、どうしてtricotに声をかけようと思ったのでしょう。

komaki♂ : それまで色んなバンドを掛け持ちでやっていたんですけど、もっと飛び出た音楽がやりたかったんです。友だち伝いに「ドラムを探しているいいバンドおるで」ってことを言われて、まだ3人だった頃のtricotの音源をmyspaceで聴いたら、絶対やりたいと思って。僕から無理矢理「やらしてくれ!」みたいな感じでお願いしました。

——それで実際に4人でやってみたときの手応えがあったわけですね。

ヒロミ : 上手いのはめっちゃ上手いなとは思ったんですけど、プライドが高そうな人が入ってきたなあと。
中嶋 : それまでのサポートの人は、ふにゃっとした男子か女子かって感じだったので、「俺出来るんやで」みたいな感じでスタジオに入ってきて…。3人はけっこう人見知りやし、「恐っ!」みたいな感じで、なかなか自分たちを出せへん日々が続きました。

——あはははは。でも、回数を重ねるうちに馴染んできたと。

中嶋 : ボロが出てきたんです。
komaki♂ : ボロが出て怒られて、日々叱られる日々に変わって…。

——(笑)。komaki♂さんは、実際に叩いてみてどうでしたか?

komaki♂ : 音源でもそうやったんですけど、キダのギターにすごい惹かれて、こいつすげえって思いました。男とか女とか関係なしに、音源もスタジオの音も含めて、サウンド面でグッときたんですよね。

——tricot movieなどを見ていても、3人の仲はかなり濃密じゃないですか。その中に飛び込んでいって、すんなりとけ込めたのかなって余計な心配をしてしまったんですが。

komaki♂ : 取材とかでは、格好つけて「そんなことないです」とか言えたらいいんですけど、人同士だからぶつかるところもあるし。でも、一ヶ月間で一緒にいる時間が丸20日間とかもしょっちゅうあるので、音作りや曲作り、サウンド面でも本気でぶつかっていける状態が出来てきたと思います。それって言葉にもできないし、目にも見えないんですけど、ちょっとずつ濃くなっている感じはしていて。

——音で会話できるようになってきたってことですね。

komaki♂ : ライヴでお客さんや自分たちを120%満足させられたら、小さいところの悩みとか関係ないと思いますし。
中嶋 : なんか、お悩み相談みたいになっているな(笑)。
キダ : …ごめん、あんま聞いてへんかった。
komaki♂ : おーい(汗)。

やっぱお前らもかっこいいと思うかって

——あははははは。でも、komaki♂さんがいるからtricotは締まっている感じはあると思いますよ。全員が女の子というより、かえってバランスがいいなって気がするんです。

中嶋 : 確かに、私たちみたいな感じの女の人がもう一人いて、ドラマーだったらバラバラだったかも。

——他のインタビューで、影響を受けたバンドとしてtoeとかナンバーガールをあげてますよね。tricotがおもしろいのは、tricot movieで自分たちの身を粉にした映像を流したりし、ライヴのMCで赤裸々なことを言っている点で。オルタナティヴなロックをしながら、かっこいい面以外のことをやるっていうのは、僕の世代なんかから見ると異質なんですよね。

キダ : あくまで音楽的な影響であって、中身は普通のお笑い大好きな女の子なので。
中嶋 : 憧れたとしても、真似したいわけではないし。見た目とか音楽もマネはしたくないっていう気持ちはあります。
ヒロミ : YouTubeは素の自分たちって感じやし。
中嶋 : そうそう。戦略的にっていうよりは、いい映像が撮れたし、UPしてみるかって。

——今、PVなどの映像と一緒に音楽を見たり、ライヴを体験したり、音楽を楽しむ環境が実に豊かになってきていると思うんですね。tricotは、それを戦略的でなく、ごく自然に取り込んでいるバンドだなと思って。よく知り合いに、tricot movieを見せるんですけど、一笑いしたあとにtricotのアルバムを流すと、すごく反応がいいんですよ。

ヒロミ : でも嫌いな人もいるやろうけどね。そういうのは一切無視な感じで、好きなようにやっているだけなんです。
中嶋 : 人にどう思われるかっていうのはあんまり考えずに、自分がおもしろいってことをやっています。自己満みたいな感じですよね。

——あれだけの表現をしているのに、今日話してみたら、人見知りな部分もあるというのが意外すぎて、質問が飛んでしまいました(汗)。

一同 : 笑。

——そのギャップが意外だなっていうか、新鮮ですよね。

キダ : 言葉にしていうのは苦手なんです。ああいう(tricot movie)表現のほうが好きです。
ヒロミ : 表現できているのかはわからんけど。
キダ : 中身がないからね(笑)。
ヒロミ : そう。中身がない方がテンションがあがっちゃう。
中嶋 : しょうもないことを全力でやるのがすごく楽しいんです。

——じゃあ、tricotは誰に向けて音楽をやっていると思いますか。

中嶋 : まずはメンバーですね。私はメンバーが一番納得できる音楽で、かっこいいと思える音楽を一生やりたいです。

——お話を聞くかぎり、曲作りはかなり感覚的に行われているんじゃないかと思ったんですが、いかがですか。

中嶋 : そうですね。誰かが最初から最後まで作ってくるっていうのはないですね。

——その感覚を信じて4人はtricotをやってきているわけですよね。実際に東京での自主企画がSOLD OUTしたり、「ARABAKI ROCK FEST.12.」に出演したりと、周りもザワザワしてきていますよね。そういう意味での環境も変わってきていると思うんですけど、それに対してはどう感じていますか。

中嶋 : 私らがかっこいいと思っているように、やっぱお前らもそう思うかって。

外部の声を聞かずに自分たちのスタイルだけでやってみたい

——それって、つまり自分たちの音楽に自信があるってことですよね。歌詞を聴いていると、よっぽど大人にイヤなイメージがあるのかなって思ってしまったんですが(笑)。

中嶋 : (笑)。メロディとかもそうなんですけど、ぼーっとどこかを散歩しているとか、チャリを漕いでいるとか、寝る前の布団とかでぽっと浮かんだりすることが多いんです。何で今出てくるのかわからないときに出てきたりとかして、急いでメモをするので。悩んでいてふさぎ込んでいるときに出てくるわけじゃなくて、何にも考えていないときに出てくるんです。

——あと、ライヴに行くたびにメジャーの関係者とかが、すごく増えていますよね。これだけ注目を浴びている中でメジャーでやらずに、自分たちのレーベルBAKURETSU RECORDSでやっているのはなぜですか?

中嶋 : 結成一年にも満たないころに、興味を持って見にきて下さった方もいたんですけど、何も分からずメジャーに入っても、今の私たちではすぐに消えちゃうんやろうなって思って。もうちょっと自分たちでしっかりして、私たちが私たちとして認められてからでもいいかなと思っていて。

——そこで一歩踏みとどまって、自分たちでやろうと思えたのはなぜなんでしょう。

中嶋 : 自分たちに自信があるからですね。私たちだったらいけるやろっていうのがあって。変に色づけされるよりは、行けるところまでこのメンバーで行きたいんです。

——行けるところっていうのは大きなステージでやるってこと?

中嶋 : それもそうですけど、内面的にも音楽的にももっと突き詰めたい。外部の声を聞かずに自分たちのスタイルだけでやってみたいんです。
komaki♂ : 今は、やりたい放題ですからね。
中嶋 : twitterでも言いたい放題できますし(笑)。

——そういえば、本作の1曲目「G.N.S」の仮タイトルは「U.N.K」で、UNKOの略だったそうですね(笑)。

中嶋 : そうなんです(笑)。多分ある程度好き放題させてもらえないと、いいところも削れていっちゃうような気がするんです。なので、自分たちで自由にできて満足できるようになってからでもいいかなと思って。

——tricotのスタイルを認めてもらってからでも遅くないですからね。

中嶋 : 認められたら、何をやってもそれがtricotだってなると思うんで。今は、それダメやろってことばかりやっちゃっているだろうから(笑)。

——じゃあ、自分たちでやれる可能性はまだまだあると実感しているわけですね。

中嶋 : そうですね。まだまだ一部でしかないと思います。

——これから、どういう音楽をやりたいか理想像は見えていますか。

中嶋 : これがやりたいっていうよりは、もっと違う曲をやりたいなとか、もっといい曲が出来るんやろうなっていう感じで、欲みたいなものが湧き出ています!

LIVE SUCHEDULE

レコ発ライヴ
2012/5/11(金) 京都 MOJO
2012/5/24(木) 新宿 LOFT

tricot “小学生と行く!SPACE TOUR 2012 梅雨”
2012/6/2(土) 宮城・仙台 PARK SQUARE
2012/6/3(日) 岩手・盛岡 club change
2012/6/5(火) 新潟・新潟 CLUB RIVERST
2012/6/7(木) 北海道・札幌 SPIRITUAL LOUNGE
2012/6/9(土) 香川・高松 DIME
2012/6/12(火) 福岡・福岡 graf
2012/6/13(水) 広島・広島 ナミキジャンクション
2012/6/15(金) 石川・金沢 vanvanV4
2012/6/16(土) 大阪・江坂 MUSE
2012/6/17(日) 愛知・名古屋 CLUB Zion

tricot ワンマン・ライヴ
2012年9月21日(金)下北沢SHELTER
開場 / 開演 : 19:00 / 19:30
オールスタンディング

LIVE REPORT

2012年4月8日@下北沢SHELTER「爆祭-BAKUSAI-vol.4」

tricotが、2012年4月8日に下北沢SHELTERで行った自主企画「爆祭-BAKUSAI-vol.4」の様子をレポート。当日の熱気、そして彼女たちを取り巻く状況をリアルに感じてください。

tricot MOVIE BEST SELECTION (by OTOTOY)

PROFILE

tricot

「このメンバーなら凄い事が出来る(絶対)!」と確信し、それまでの各々のバンド活動を終え、2010年9月1日、中嶋イッキュウ(Vo/Gt)、キダ モティフォ(Gt/Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba/Cho)の3人でtricotを結成。2011年5月にサポート・メンバーであったkomaki♂(Drums)が正式加入。

展開の予測できない独特でスリリングな楽曲、それでいて耳から離れない中毒性の高いサウンドに、力強くも可憐で繊細なヴォーカルが絶妙にマッチし唯一無二の世界観を生み出している。ライヴでは見た目から想像出来る範囲を大きく超えた激しいパフォーマンスを披露し、リスナーはもちろん、ライヴ・ハウス関係者などからも絶賛されている。

>>tricot official HP

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インタヴュー

ハッピー・グルーヴ満載バンド、TENDOUJI──新EP『BUBBLE POPS』を配信開始
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丸みをおびたメロウなサイケデリア──注目のバンド、Thank You Cream
・2018年04月11日・【2週間先行ハイレゾ配信】丸みを帯びた白昼夢のサイケデリア──注目のバンド、Thank You Cream登場! ゆるっとしたグルーヴにハマる丸みを帯びたロウビート、どこか浮世離れしたヴォーカルがふらりと現れては白昼夢のような情景を朴訥と唱えて消える──デビュー作となった2017年1月リリースの「Creamy」から2年、Thank You Creamから待望のフル・アルバムをリリースする。リリースはインディ・ロックの牙城〈KiliKiliVilla〉から。新たな「日本語詞」という武器を手に、中毒性の高い脱力感とでも言うべきサウンドがアルバム全体を覆っている。OTOTOYでは本作をCDリリースより、2週間先行でハイレゾ配信を行う。 2週間先行ハイレゾ独占配信Thank You Cream / Thank You Cream(24bit/48kHz)'【Track List】01. オブシディアン02. その扉03. 友達の家04. 見えない05. デューイ06. 向かいのわたし07. セレモニー08. カチャペット09. 何もない丘10. ばらばら11. 土地【配信形態 / 価格】''24bit/48kHz
by 河村 祐介
筆者について
西澤 裕郎 (西澤 裕郎)

1982 年生まれ。ファンジン『StoryWriter』編集長。http://storywriter-magazine.com/