初期衝動と録ってみたときの意外性、そのバランス
ーー曲作りの段階で、ある程度メンバーの歌割も考えるんでしょうか?
松隈 : 誰に歌わせたいとか歌詞がどうだからとか関係なく作りますね。誰かが辞めるとか大きな動きがあるとき以外は、基本的に事前には考えないです。歌取りの段階で歌詞をもらって、とりあえず全員に歌わせてみる。初期衝動と録ってみたときの意外性、そのバランスでバーッと決めていきますね。
ーーメンバーの持ち味って、松隈さんの言葉で言うとどうなりますか?
松隈 : まず1番実力があるのはアイナとチッチ。アイナは皆さんが思うようにハスキーヴォイスで超かっこいい。アイナは大体見えますよね。それに対するチッチっていうのが、まあ牛丼で例えると牛肉の下にある白ご飯みたいな。
一同 : (笑)。
松隈 : アイナは牛肉ですよね、あれだけだとくどいじゃないですか?
ーーなるほど。じゃあほかのメンバーも牛丼で紹介してもらわないと(笑)。
松隈 : メンバー怒るかな(笑)?
淳之介 : 福神漬けは?
松隈 : 福神漬けは大体モモコ。
ーー牛丼に福神漬けいらないでしょう(笑)。
淳之介 : 紅ショウガか。
松隈 : ハシヤスメはまさにハシヤスメだし、七味がリンリン。ハグ・ミィはお母さんポジションの味噌汁。
ーーアユニはどこに?
松隈 : アユニはラッキョウみたいな。店によっては「それ誰が入れると?」みたいなのがたまにあるじゃない?
淳之介 : アユニは回転寿司のプリンやメロンみたいな「それとっちゃだめでしょ」っていうやつ。
松隈 : ああ、わかる。ちょっと違うものが流れてきた感じありますね。
ーー淳之介さんから見たメンバーはどうですか? 楽曲と声のバランスをどう感じているのでしょう。
淳之介 : 結成当時はなかなかメンバーの声を聞き分けられなかったんですよ。でも慣れるもので、今は個性が出てきたと思うし、それぞれがなくてはならない存在になっているのかなって。
松隈 : たまにWACKチームじゃないアイドルさんと仕事させてもらうんですけど、他のアイドルさんって曲ごとに違うヴォーカル・ディレクターがいることが多くて、人によって褒めるポイントが違うから、皆悩んじゃってる感じがします。WACKでやってる子たちは、僕が育ててるわけじゃないですけど、ありがたいことにずっと僕が録らせてもらってるんで、いいところを指摘すると自分でも意識するようになるんですよね。たぶんそれってダンスとか見た目も全部そうで。いいよっていうとどんどん伸びていく。男のバンドマンは「いや俺の良さはそこじゃないっす」みたいな感じじゃないですか? 女の子は「そこが私の役割かな」みたいな意識が芽生える。
これは渡辺帝国の始まりかもしれないですよ
ーーBiSが復活した中で、これからBiSHはどういう動きをしていくのでしょう。
淳之介 : 昔は毎回枕詞にBiSがついてたんですけど、もはやその説明が全く必要なくなったっていうのはすげえなって思います。むしろBiSの話をしたら蛇足になる可能性が結構あって。
ーーそうですね。それはBiSHのこの1年半の活動がもたらしたものですし、BiSとBiSHは道が別れたように思います。
淳之介 : だからそこはもう関係なくなっちゃったんだなって思いましたね。BiSHはBiSHで突き進んでいくのがいいのかなって思うし、BiSはBiSでやるしかない。
ーーBiSHはどこが分岐点だったと思いますか?
淳之介 : 皆からはそんなことないって言われるんですけど、僕の中で「OTNK」から変わりましたね。PVとかも所謂ダメな要素、一般人がしかめっ面をしそうなものは排除して変なザリガニがでてくるっていう。あそこからやっぱり意識は変わってますよね。もうあの時点で東京でやるワンマンも軒並みSOLD OUTして、リキッドルームとかそれぐらいの数はずっと来ちゃってたから。あとはもちろんメジャーデビューの発表っていうのもあるんですけど… と言いつつデビュー作で「DEADMAN」出したりしてるんですよね(笑)。
ーーそうですよ(笑)。
淳之介 : 今年の前半に大きな分岐点があって。でもやっぱり決定的にしたのは7月8日のBiS始動の発表かもしれないですね。
ーーBiSHの進もうとしている道って、メンバーはもちろん、実は淳之介さんにとっても未知のものですよね。「オーケストラ」が象徴的だと思うんですけど、真っ当なルートというか。やってみてどうですか?
淳之介 : めっちゃ不安でしたよ。「オーケストラ」のPVってなんのひっかかりもないじゃないですか。出すまでどうなるかわかんないから不安でしょうがないし、エイベックスは死ぬほどお金使ってくれたし、失敗したらどうしようってずっと思ってた(笑)。PV公開翌日の再生回数が7000とかだったらどうしよう、みたいな。そうならなかったのがうれしいですね。
松隈 : 結構回転している方なんだ?
淳之介 : すごい勢い。今までのBiSHの中で最高潮の勢いに乗ってます。
松隈 : そうなんだ。
淳之介 : 淳之介:BiSが始まって、いよいよ勢いに乗ってきてますね。見向きもしなかった人たちも結構BiSH気にしてたりして…。
ーーええー!
淳之介 : 不思議なもので。いやあ、これは渡辺帝国の始まりかもしれないですよ。
BiSHはいってもまだアンチヒーローなんです
ーー冗談みたいに渡辺帝国って言ってますけど、会社としてはどういうビジョンを描いていますか?
淳之介 : 「DEADMAN」のリリースのときに、松隈さんと僕と小室(哲哉)さんで鼎談したんですけど、小室さんに「今何組やってるの?」って聞かれてプロデュースとか入れて3組ですって言ったら「そっか、じゃあ7組か8組やった方がいいね」って言われて。とりあえず今はそれに向かって頑張ってます。それがアイドルなのかは別として。
松隈 : まだ半分くらいですね。小室さんも超えなくちゃいけないんで、12個くらいいきますか。
淳之介 : 松隈さんもそうですけど、僕たぶん体壊れますね(笑)。
松隈 : いやうちは大丈夫ですよ、まだあと倍いけます。
ーー松隈さん育て上手ですもんね。
松隈 : まあでもやっぱりぐちゃぐちゃになってますよ。BiSHとBiSとGANG PARADEを今月、先月で立て続けにとってるんで、メンバーも焦りだしてるのがわかる。渡辺くんに対してはもちろん、俺にもかまってもらえないとなんで、最近すっげぇ音楽的な話をしてくれるんですよ。
淳之介 : そこは顕著で、制作の人等に対してもそうなんです。みんなが取り合いに必死。
松隈 : 小室さんはその感じが皆を伸ばすことにもなるとおっしゃっていて。俺もドタバタして焦ってる感じはWACKっぽくていいなと思うしね。
淳之介 : プー・ルイはプー・ルイでいろいろ思ってるみたいですし。いいんですけど、たぶん強いやつしか残らない状況になると思います。
ーーこうやって話を聞いていると、やっぱり2人は絶妙な関係ですよね。クリエイターとして共感するところを持ちつつ、視点の違いもあって。
淳之介 : 松隈さんの判断が大体あってるんで、困ったら松隈さんに判断を仰ぐんですよ。
松隈 : 逆だよ。渡辺くんから最終判断を求められることが過去何回かあったんだけど、絶対に悩んでるのはわかるんで、そのときは渡辺くんの選ばない方を言うって決めてる。やめたほうがいいって(笑)。
一同 : (笑)。
松隈 : だってやりたいときは勝手にやるでしょ。相談しないもん、絶対。
ーーなるほど。
松隈 : 止めるの最終的に俺しかいないからね。悩んでるってことは止めてほしいんだって。
淳之介 : そうですね(笑)。
ーー最後の質問です。BiSHは今後どうなっていきますか?
淳之介 : BiSHはいってもまだアンチヒーローなんです。「オーケストラ」とか今回のアルバムで変わりつつあるとは思うんですけど、捻らないと勝てないと思っているので、BiSHなりの流れで仕掛けていきたいですね。楽しみにしていてくださいね。
BiSH、avexからのメジャー・デビュー作をハイレゾ配信中
BiSH / DEADMAN(24bit/48kHz)
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 540円 / まとめ購入 1,000円
【Track List】
1. DEADMAN
2. earth
BiSHの2ndアルバムをOTOTOY独占ハイレゾ配信中!!
BiSH / FAKE METAL JACKET(24bit/96kHz)
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 257円 / まとめ購入 1,543円
【Track List】
1. スパーク '16 / 2. BiSH-星が瞬く夜に '16 / 3. MONSTERS '16 / 4. Primitive / 5. beautifulさ / 6. OTNK '16 / 7. 身勝手あいにーじゅー / 8. デパーチャーズ / 9. ウォント / 10. サラバかな '16 / 11. ALL YOU NEED IS LOVE / 12. Dear… / 13. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
※アルバム購入いただいたお客さまには、飯田仁一郎(OTOTOY編集長)によるライナーノーツがついてきます。
BiSHの1stアルバム&シングルをハイレゾ配信中
BiSH / Brand-new idol SHiT
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 257円 / まとめ購入 2,057円
【Track List】
1. スパーク / 2. BiSH-星が瞬く夜に / 3. MONSTERS / 4. Is this call?? / 5. サラバかな / 6. SCHOOL GIRLS,BANG BANG / 7. DA DANCE!! / 8. TOUMIN SHOJO / 9. ぴらぴろ / 10. Lonely girl / 11. HUG ME / 12. カラダ・イデオロギー / 13. Story Brighter
※ハイレゾ版のみ、まとめ購入するとデジタル・ブックレットがついてきます。
BiSH / OTNK
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 257円 / まとめ購入 617円
【Track List】
1. OTNK
2. NO THANK YOU
3. MAIN STREET ELECTRICAL PARADE
※まとめ購入するとデジタル・ブックレットがついてきます。
LIVE INFORMATION
BiSH Less than SEX TOUR FINAL‘帝王切開’
2016年10月8日(土)@日比谷野外音楽堂
時間 : 17:00/18:00 (問)KM MUSIC 045-201-9999
チケット料金 :
S席 30,000円(税込) ※当日限定SPECIAL LIVE鑑賞権+お土産(限定Tシャツとか)付き
A席 10,000円(税込) ※お土産(限定Tシャツとか)付き
B席 5,000円(税込)
※未就学児童入場不可
※当日限定SPECIAL LIVE鑑賞権とは極限までルールを排除した、100名ちょっとだけで日比谷野音を完全に堪能する星が瞬く夜になライヴ
オフィシャル先行二次[8月/9月/10月公演のみ]
受付期間▶5月16日(月)12:00~5月23日(月)23:00
受付URL▶http://w.pia.jp/t/bish/
チケット一般発売日
7月23日(土)AM10:00~
BiSHのストーリーを振り返る
vol.0 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode0 渡辺淳之介 インタヴュー
vol.0.1 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode0.1 松隈ケンタ(サウンド・プロデューサー) インタヴュー
vol.0.2 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode0.2 外林健太(PHOTOGRAPHER & COSTUME DESIGNER) インタヴュー
vol.0.3 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode0.2 真田礼(アートディレクター・デザイナー) インタヴュー
vol.1 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode1 BiSH初インタヴュー(前編)
vol.2 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode2 BiSH初インタヴュー(後編)
vol.3 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode3 ユカコラブデラックス、初インタヴュー「脱退」
vol.4 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode4 ハグ・ミィ、初インタヴュー「アイドルヲタク全体の数をもっと増やしたい」
vol.5 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode5 モモコグミカンパニー、初インタヴュー「ただ可愛いって言われるアイドルと一緒になりたくない」
vol.6 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode6 アイナ・ジ・エンド、初インタヴュー「私の声がないと成立しない音楽に出会いたかった」
vol.7 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode7 セントチヒロ・チッチ、初インタヴュー「見返してやりたい!」って気持ちのほうが大きかった
vol.8 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode8 これが新生クソアイドルのデビュー作だ!!BiSH、待望の1stアルバムをハイレゾ配信(デジタル・ブックレット付き)
vol.9 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode9 南波一海が切り取る中野heavy sick zero初ワンマン・ライヴ!
vol.10 BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode10 BiSHとPOPの200km対抗駅伝はなにを生み出したのか?
vol.11 BiSH~Rock'n Rol2 Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode11 BiSHとともに振り返る200km対抗駅伝
vol.12 BiSH~Rock'n Rol3 Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode12 ハシヤスメ・アツコ初インタヴュー「清水寺の舞台から飛び降りる気持ちで合格です」って言われました
vol.13 BiSH~Rock'n Rol4 Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode13 リンリン初インタヴュー「今まで全部どうにかなってきたので、どうにかなるからいいやって感じです」
vol.14 BiSH~Rock'n Rol5 Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode14 セントチヒロ・チッチ、インタヴュー「BiSHが目指したいのはSMAPだ!」
vol.15 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode15 ハグ・ミィ、インタヴュー「BiSができなかった武道館でワンマンをやりたい」
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Episode16 〈Eden of Sorrow Tour〉福岡公演「闇から救い出してくれたのはBiSHなんです」
vol.17 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode17 アイナ・ジ・エンド、インタヴュー掲載
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Episode18 モモコグミカンパニー「絶対にこのまま地下アイドルで終わりたくない」
vol.19 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode19 ハシヤスメ・アツコ「私、もう本当にここで人生終わりたいくらいなんです」
vol.20 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode20 リンリン「ちょっと炎上しちゃうようなことで世間を騒がせたい」
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vol.22 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode22 アイナ・ジ・エンド「自分は絶対見失わないで変わっていきたい」
vol.23 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode23 モモコグミカンパニー「今は通過点だと思っている」
vol.24 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode24 アユニ・D「本物のBiSHになって歌って踊りたい」
vol.25 BiSH~Rock'n Rol Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!
Episode25 リンリン「未来にはあまり興味がない、今が楽しければそれでいい」
PROFILE
アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなる楽器を持たないパンク・バンド。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。ツアーは全公演即日完売。1stシングルはオリコン・ウィークリーチャートで10位を獲得するなど異例の快進撃を続けている。