INTERVIEW : ナ前ナ以
今回のナ前ナ以の取材はとても難しかった。プレッシャーもいっぱいあって、言いたいこともいっぱいあって、でもそれをうまく伝えれなくて... そんな彼女の思いがめちゃくちゃ伝わってきた。うまく伝えれないのは、ASPのことを誰よりも考えているからこそなんだと思う。野音のライヴ、大成功してほしいな。そして彼女のプレッシャーが少しでも軽くなったら良いけれど...
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 東原春菜
写真 : 大橋祐希
すごく情けなくて、もっと頑張らなきゃ
──8月6日に出演した〈TIF〉はどうでしたか?
ナ前ナ以 : 〈TIF〉は気合いが先行して、自分的には通り一遍なパフォーマンスをしてしまいました。チーチー(チッチチチーチーチー)やリオン(リオンタウン)がカバーしてくれたところとかもありました。
──なんで、そんなに気合いが入りすぎたの?
ナ前ナ以 : 〈TIF〉は新しい人に見てもらえるチャンスだし、いつもと違う環境だったから気合いが入ったのかなと思います。
──2022年2月にASP初のZeppワンマンを開催しましたが、このライヴはナナシ(ナ前ナ以)さん的にどんな気持ちでしたか?
ナ前ナ以 : 結果的にZeppは埋められなくて、ステージに立ったらやっぱり悔しかったんだなって感じたんです。もっとできることはあったんじゃないかなってすごく反省しました。渡辺(淳之介)さんに前説をしていただき、そのときにお客さんのことを立たせてくださったんですね。ステージに上がったら、いつもよりたくさんのお客さんがいて、ライヴ中は席が埋まっていないのが気にならないぐらいマイナスな気持ちにはなりませんでした。ライヴができて楽しかったです。
──〈ACOUSTiC SAD ORCHESTRA TOUR〉のO-WESTでメジャーデビューと野音でのライヴを発表してどうでしたか?
ナ前ナ以 : Zeppも埋められてないグループなので、メジャーデビューを発表したときは感情が複雑でした。Zeppで自分たちの力量にたくさん気づいたことがあって。ASPで活動して、衣装をいただいていることも、曲を作ってくださっていることも当たり前じゃないんですよね。それなのに、私含めそれを当たり前に捉えているメンバーが多かったなと思いました。なによりも、埋まってなくても曲をいただける状況で、すごく情けなかったですね。もっと頑張らなきゃという気持ちになりました。
──メジャーデビューの話を聞いたときは、どういう気持ちでしたか?
ナ前ナ以 : メジャーデビューという話をいただいたときに「あぁ、いいのかな……」と思ったけど、そのすごさが私もすぐにわからなくて……。でも、ユメカ(ユメカ・ナウカナ?)からは、メジャーデビューできることの嬉しさがいちばん伝わってきて、私は単純にメンバーが喜んでいるのがすごく嬉しかったです。お客さんも喜んでくれていたし、自分も嬉しかったんですけど、周りの反応をみたらメジャーデビューってもっとすごいことなんだなと思いました。
──ナナシさんのなかでメジャーデビューが決まってから、環境の変化は感じていますか?
ナ前ナ以 : 関わってくださる大人の数が増えて、活動のスケジュールも増えました。目に見えてわかるのはそこだと思うんですけど、まだ環境の変化はそこまで変わってないと思います。