INTERVIEW : ASP
WACKで今最も勢いのあるグループはASPだ。4人時のパンクスタイルは継承したまま、新しいサウンドをどんどん自身のものにし、7人がステージいっぱいを使い表現する。最初は戸惑いもあったが、それでも声出しがOKになったりなどの世の中のタイミングとも重なり、そのニュー・サウンドはより祝宴の様相を呈していくだろう。特に新曲の“Tokyo Sky Blues”は、ならず者がどんなレスポンスをするのかを問われているような曲だった。いやぁ面白い! 2023年、ASP大注目です。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 東原春菜
写真 : 大橋祐希
これが本来のASPだ
──〈GOD SAVE the ASP TOUR〉の感想を教えてください。
ナ前ナ以 : 今回のツアーは、ASP内で「ならず者のために自分たちでもっと考えてできるところを増やして、たくさん挑戦していこう」って話してからはじめたツアーだったんです。でもツアーが終わってから「まだいろんなことができたな」と思うことがありました。ただ、成長していくという意味ではグループ的にはとても大事なツアーだったと思います。
ユメカ・ナウカナ?(以下、ユメカ) : 前回の日比谷公園大音楽堂でのワンマン・ライヴから誰ひとりとして欠けることなく7人で活動してきて、振り付けと歌の細かいところを直したツアーでした。そのひとつひとつの積み重ねを全16箇所でやってきたことによって、グループとしての力強さと個々の力強さを引き出せたと思います。ライヴ中、メンバーを後ろから見ていて“強いな”と思ったし、メンバーが後ろにいても背中を押される力強さを感じました。あと、ならず者にも力をもらって最後にドーンとZepp DiverCityで発揮することができました。
モグ・ライアン : ツアー・ファイナルの前に前回のZeppのことを思い出してから行きました。今回のZeppは、改めてお客さんがいっぱいいることにゾクゾクして、前回とは違う感覚でZeppに立てたことがすごく嬉しかったです。
チッチチチーチーチー(以下、チーチー) : 〈GOD SAVE the ASP TOUR〉は、メジャーデビューしてから1回目のツアーで、リハーサルのときに自分たちではわからないことをスタッフの方々に教えていただいて、前より歌を歌うのが楽しくなりました。前のツアーでは、自分に合った歌い方を探していた段階で、歌が楽しいと思わなかったんです。でも、野音に向けてヴォイストレーニングに通わせていただいたり、いろんな曲が増えたりして、発声の根本的なところを知れたんです。それをライヴでやって映像を見返したときに、「自分の歌はこういうふうに聞こえているんだ。じゃあこうしよう」って課題が出てくるのが楽しかったです。
リオンタウン(以下、リオン) : 前回のツアーはほぼ5人で回っていたんですけど、今回のツアーは「これが本来のASPだ」という気持ちと7人で回れていることに対しての安心感がありました。個人的に前回は野外で緊張もしていたし、お客さんの顔をあんまり見られなかったんです。けど、Zeppは人の距離が近いのでお客さんの顔が見えて、野音のときより冷静にライヴができたと思います。でもまだ歌が棒読みになったり、力が入りすぎたりして、自分の苦手がはっきりしてきた部分もあります。
マチルダー・ツインズ(以下、マチルダー) : 今回のツアーは、臨機応変に対応していかないといけない部分があって、学ぶ部分が多かったです。いろんな方にいろんなことを教えていただいて、ライヴができていることのありがたみを感じました。
ウォンカー・ツインズ(以下、ウォンカー) : 〈GOD SAVE the ASP TOUR〉では、ASPとして行ったことがない地域でもライヴをしたので、地方にならず者が実在してくれていることのありがたみを感じました。全16箇所ひとつひとつの場所の思い入れが積み重なってきて、ライヴのクオリティーをもっと更新していこうという感情が芽生え、目標に向けて進むためにいろんなことを知れたツアーでした。