届けたい音楽に嘘をつかないことを学びました。
──WACKオーディションを体験してみてどうでしたか?
チーチー : WACKオーディション期間は、人生でいちばん長い1週間でした。2021年のオーディションを受けなくて後悔した自分がいたので、めちゃくちゃ準備してきたつもりだったんです。渡辺さんから私のパフォーマンスが「金太郎飴とか、女優さんみたい」って言われてしまって、なにが正解かわからなくなりました。でも、WACKの現役メンバーさんと一緒にパフォーマンスをしているとき、本当の意味で感情をさらけ出すことと、音楽はこんなに自由なんだって合宿で学びました。
──具体的にどんなことを学びましたか?
チーチー : 5日目のダンス審査で、リンリンさんとユメカちゃん(ユメカ・ナウカナ?)とタンタンと私でBiSの “primal.”をやったんですけど、そのときは本心で歌っているような気持ちでできて、届けたい音楽に嘘をつかないことを学びました。自分が好きなWACKは、「楽しいと思ったら笑えばいいという場所だよな」と気づかされました。
──全身タイツで下ネタを入れ込んだコントについては、どう思っているんですか?
チーチー : 私は、こういうこともできるんだぞっていうのも見せたくて、めっちゃノリノリでやったので、実際恥ずかしくなかったんです。コント後の面談のときに、渡辺さんから「お前は女優さんみたいだから、楽しいと思えって言われたら楽しくできるし、悲しいと思えって言われたら悲しくなれる」って言われたときに、たしかにそうだなと思いました。いまとなっては、そういう一面も見せられたのはよかったと思っています。
──最終日、候補生で決めたチーム分けのシーンは、制限時間を決められたのになかなか決まらなくて、みんな脱落するかと思いましたよ。
チーチー : そうですよね。決め方も全部見られているのかなと思っちゃって。最初はアイナスターさんがやりたい人とやりたいって言ってくれたので、ここで自分の意見を言えたほうが勝ちだなと思って「一緒にやりたい人を指差す」って言ったんですけど、よく考えたらグーとパーでもよかったなと思って後悔しました。
──なんで後悔したの?
チーチー : 今回の合宿で渡辺さんが「チーム感を大事にしろ。どれだけ嫌いな人でもグループを組んだら一緒にやらなきゃいけないし、好きにならなきゃいけないよ」っておっしゃっていて。最終日のチーム決めのときは、冷静に考えられてなかったです。
──正直なところ、受かると思っていましたか?
チーチー : 二次面接のときまでは受かると思っていたんですけど、合宿に来てみたら想像以上に精神的にきつくて「今日落ちるかもな」って毎日考えてしまっていました。最終日まで残ったことに自分でも驚いていたし、合格者発表の前日に渡辺さんから「今日の脱落者はなしです」って言われた次の日、体育館のステージの上から「アユナC(合宿時の名前)」って名前を呼ばれるイメージが湧かないまま当日を迎えていました。
──受かったときは、どんな気持ちでしたか?
チーチー : ASPにリオンタウンが先に呼ばれて、まさかふたり入ると思ってなかったから「ああ、終わった」と思っていたら、「アユナC」って呼ばれて「あ、ふたりなんだ!」と思って頭が真っ白になりました。
──ちなみにASPに入ることについて、ご両親からなにか言われましたか?
チーチー : 最初、お母さんが反対してました。そのときはWACKへの理解がなくて、WACKに所属しているグループのライヴ映像をたくさん見せて「こんなにかっこいいんだよ」って説得しました。
──合宿のときは、ご両親の理解は得られたんだ。
チーチー : はい。でも、合宿は見てなくて、私が合格したのもお姉ちゃんから聞いたみたいです。私は見ていてほしかったんですけど、これからの活動で自分のやりたいことを示していきたいです。お父さんは結構ノリノリで、「デスソースとかおもしろいね」みたいな感じで言っていました。
──お母さんには自分のパフォーマンスを含めて理解してもらうハードルがあるんだ。
チーチー : はい。でも、合格してから渡辺さんと親子面談があって、「WACKが好きになった」って言っていました。