OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.379 「ラテンJ-POP」が流行っている
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
「ラテンJ-POP」が流行っている
「ラテンJ-POP」が流行っている。レゲトン、サルサ、フラメンコ、ボサノヴァ。あるいはそれらをポップスとして再解釈した、情熱的なリズムと湿度を持つサウンド。それらが今、日本のアイドルやダンス&ボーカルグループの中で再び強い存在感を放っている。
その象徴が、ハロー!プロジェクトのアイドルグループ Juice=Juice の「盛れ!ミ・アモーレ」だ。近年のハロプロの中でも異例と言えるほどの勢いを見せている。情熱的なホーン、身体を揺らすビート、強烈なキャッチーさ。どこか懐かしさを感じさせながらも、TikTok以降のショート動画文化とも強く結びついたことで、幅広い層へ浸透していた。
先日のぴあアリーナMM公演でも、本編ラストでもこの曲は披露され、及びアンコールのラストではさらにリーダー段原瑠々の「もっと盛っていいですかー?」の号令のもと、「追い“盛れミ”」が行われた。その熱気はまるで炎の龍が舞い踊っているかのようだった。この公演を大成功を収めたJuice=Juiceは、今年の紅白歌合戦候補として名前が挙がっても、もはや不思議ではないだろう。
「ラテン × アイドル」の流れは、他のアイドルグループにも確実にある。乃木坂46 の代表曲「インフルエンサー」は、先日東京ドームにて3DAYS開催された「乃木坂46 14th YEAR BIRTHDAY LIVE」では、毎日異なるセットリストが組まれていたにもかかわらず、この曲は3日間すべてで披露されていた。
強烈な四つ打ちとラテン的ビート、艶やかなストリングス、熱狂を煽るリズム。アイドルソングでありながら、どこかクラブミュージックやラテンポップの昂揚感を持っていたからこそ、「インフルエンサー」は乃木坂46の歴史に残るキラーチューンになったのだろう。
また日向坂46 の最新曲「kind of love」にも、どこかトロピカルな質感や軽やかなラテンポップ的感触が漂っているし、=LOVEの「劇薬中毒」にもラテンのフレイバーが存分に感じられる。これまでもかなり大胆に海外ポップスのエッセンスを吸収してきたアイドル楽曲。その中でもラテンは、近年特に重要なモードになりつつある。
もちろん、こうしたラテン・ミュージックの広がりは、日本だけの現象ではない。世界的に見ても、プエルトリコ出身のラテン・アーティスト、バッド・バニーが圧倒的な支持を集め、ブルーノ・マーズも最新アルバム『The Romantic』でボレロやチャチャチャといったラテン音楽のエッセンスを取り入れている。日本の音楽シーンもまた、そうしたグローバルな潮流と呼応するように、ラテン的な熱気を帯び始めているのだ。
とはいえ、日本とラテンの蜜月は、今に始まった話ではない。2000年代の「ラテンJ-POP」として真っ先に思い浮かぶのが、 ポルノグラフィティ の「アゲハ蝶」や「サウダージ」だろう。哀愁を帯びたメロディと情熱的なアレンジの楽曲群は、カラオケでも大ヒットしていた。またさらに、日本のラテンJ-POP史でいえば、 松平健 の「マツケンサンバⅡ」や郷ひろみ の「GOLDFINGER '99」(これはカバーではあるが)という巨大な国民的ヒットが存在している。
日本人は昔からラテンと相性が良いのだと思う。手拍子。コール&レスポンス。盆踊りにも近い集団的高揚感。歌いながら踊る文化。そこには、日本の祭り文化とラテン音楽の間にある、不思議な共通点すら感じる。毎年のように「観測史上最高気温」が更新される日本の夏。湿度を含んだ夜風、汗ばんだライブ会場の熱気。そんな環境の中で、ラテンのビートは異様な説得力を持つのだろう。
そして、「ラテンJ-POP」の動きはここ近年、新たなフェーズを迎えている。その動きの一つが、超特急やM!LKを擁する、EBiDAN発の6人組ダンス&ボーカルグループ ONE N' ONLY の海外でのヒットだ。
彼らはJ-POPとラテンミュージックを融合させた独自ジャンル「Jatin Pop(ジャティンポップ)」を掲げ、特にブラジルを中心とした中南米圏で絶大な人気を誇っている。YouTubeやTikTokを通じて国境を越え、現地ツアーまで成功させたという事実は、もはや「日本国内向けのポップス」という従来のJ-POP像を大きく塗り替えるものだと言えるだろう。
ここで重要なのは、彼らの音楽が、あくまで日本のアイドルカルチャーやJ-POP文脈を保ったままラテンへ接続している点だろう。歌謡曲的メロディ、ダンスパフォーマンス。それらとラテンのグルーヴが自然に混ざり合っている。
いま「ラテンJ-POP」は流行っている。おそらくこれは一過性のブームではなく、新たなカルチャーとしてこれからも根付いていくことだろう。



































































































































































































































































































































































































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