2025/12/26 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.357 マルチネ20周年

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


マルチネ20周年

先日、マルチネ・レコーズの20周年イベント〈CITY〉に行ってきました。 私にとってマルチネは、ネットレーベルやサンプリング・ミュージックの入り口であり、音楽ルーツとしても非常に大きな存在です。今回の周年企画は、デイ&ナイト合計20時間にわたって開催されるという狂気的なイベントですが、都合がつかず2日目の昼頃からの参加に…。通しで参加したかった…。それでも十分ボリューミーで充実した1日になりました。

まず圧倒されたのは長谷川白紙のライブです。これまで何度も観ていますが、毎回その音と表現力の凄みに圧倒されます。今回はマルチネ20周年という文脈もあり、VJを含めて “マルチネ仕様” とも言える演出も見受けられ、それも良かったです。特に、2017年にレーベルからリリースされたEP『アイフォーン・シックス・プラス』より「横顔 S」が披露された場面では、思わず胸が熱くなってしまいました。さらに今回は、長谷川白紙が愛してやまない、『どうぶつの森』シリーズに登場するミュージシャン、とたけけと一緒に歌う特別バージョンが披露され、この場に立ち会えて良かったと強く思いました。

続いて印象に残ったのが、PPSです。 2007年、マルチネ初期のカタログにも名を連ねる彼のパフォーマンスは、「これぞネットレーベル」と言いたくなるような悪ノリ全開のナードコアで、(おそらく) 初見のオーディエンス含めフロアの空気をどんどん掌握して行く様子が最高でした。KAIRUIから始まったデイのイベント (2日目) は、quoree、サ柄直生といった、コロナ以降のエレクトロニカ的な音楽性を持つアクトが続き、さらにTomgggやPa's Lam Systemといった、フーチャー・ベースやラウンジネオ〜エイジア的な流れにあるアクトが続いていきました。その後フロアに投下されたPPSによるガバ・キックやパキパキのrave stab、ブレイクコアといったサウンドは瞬く間に身体を支配し、踊らずにはいられない時間でした。

そしてトリを務めたのは、tofubeatsです。 「もしかして……?」という期待通り、dj newtown名義の楽曲を数多く披露してくれました。例えばimoutoidにも通じる大胆なカットアップの質感こそが、まさにマルチネらしいダンスミュージックだなと感じ、心身がマルチネ愛で満ち溢れていきました。最後は「水星 feat. オノマトペ大臣」を、オノマトペ大臣本人を迎えて披露。名曲の合唱で祝祭感と多幸感に包まれた、Maltine Recordsの20周年企画としてこれ以上ない締めくくりでした。

他にも、いむ電波.wavの復活ライブやKabanaguのレアなライブ、Avec Avecやyuigotのバンド・セット等々書ききれないほどのハイライトが用意されていた〈CITY〉。 ネットレーベルの代表格として、音楽性をアップデートしながら愛され続けているMaltine Recordsの、その歴史と魅力が詰まった1日でした。

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