馬に蹴り飛ばされてるミーム動画の後ろで流れていたらいいなって
――アルバムの1曲目、“Mountain Refresh”はテクノ、ニューウェーブの要素も感じます。
友田:そうですね、そこは意識してるかな。
清水:この曲は最後に作ったんですけど、本当にアイデアがなくて(笑)。
友田:そんな正直に言う人いないよ(笑)。
清水:それで「何歌いたい?」って友田に聞いたら、「どポップスを歌いたい」と言われて。自分としてはかなりストレートなポップスのつもりで作ったんですけど、結果的にこういう形になりました。ボーカルについては、語数の多い曲やぼそぼそ喋るような曲がある中で、この曲はあえて言葉数を減らしてシンプルにする、というコンセプトで。
――テクノやニューウェーブもお二人の共通の趣味なんでしょうか。
清水:それはあります。トーキングヘッズは高校の頃から2人とも大好きで。
友田:自分はネタの出囃子にもトーキングヘッズの“This Must Be the Place (Naive Melody)”を使っているくらい好きなんです。そういう部分はずっと共有している感覚がありますね。
清水:学生時代はジャンル関係なく、ずっと2人で音楽をおすすめし合っていた記憶があります。そういう蓄積が自然と出てきたのかなと。
――“タミーエイク”はラテン・テイストを感じる曲です。これはお2人の中ではどんな位置づけの曲ですか。
清水:2024年頃に作った曲で、当時ソウルをすごく聴いていて、そのあと少し飽きて民族音楽にハマった時期があったんです。その流れで「自分でもやってみよう」と思って作りました。時期によって聴いている音楽が全然違うので、アルバム全体を通してもかなり振れ幅はあると思います。
友田:聴く人によっては「こいつらほんと節操ないな」と思うかもしれない。
清水:まだ自分のスタイルが固まっていないというか、ふわふわしている感じはありますね。
――でも、それらをすべて友田さんの歌声が一つにまとめている印象を受けます。今さらですが、歌が上手いし、すごくいい声ですよね。
友田:ありがとうございます。すいません。
――すいませんってことはないんですけど(笑)。“タミーエイク”はどんなことを歌っている曲なんですか?
友田:これは高校時代のことを歌っています。自分はネタでも音楽でも、あまり過去にしがみつくようなことはしたくないという意識があって。昔の話ばかりしていると成長しないんじゃないか、という不安がずっとあったんです。だから同級生と中学や高校の思い出話をするのも、どこか抵抗があって。久しぶりに会って、「いつぶり?変わらないね」と話してる間にも「やばいやばい、この期間にも首相は変わったし世界はどんどん進んでいるのに」みたいな。
清水:ははははは(笑)。
友田:でも今回アルバムを作るにあたって、1曲くらいは過去の自分と向き合う曲があってもいいなと思って、しっかり振り返りました。タイトルの“タミー”も、高校の近くにあったスーパーの名前なんですよ。
清水:部活帰りにそのスーパーに寄って、90円くらいのアイスを1個だけ買って帰る、みたいな。だから地元の駅周辺の曲ですね。
――“タミーエイク”っていう言葉自体に意味があるのかと思ってました。
友田:“タミーエイク”は「お腹痛い」みたいな意味なんですけど、それと「タミーへ行く」を掛けています。あと〈寝過ごしたら花畑さ〉という歌詞があるんですけど、高校近くの西鉄久留米駅から1駅乗り過ごすと隣の花畑駅に着くんですよ。かなりローカルな話なんですが。


――アコースティック・ギターが印象的な“ビリケン”は、通天閣のビリケンがモチーフですか。
友田:そうです。仕事で大阪に行く機会が増えて、あらためて見たときに「顔ちょっと怖くない?」と思って(笑)。その妖怪っぽさも含めて面白いなと思ってテーマにしました。あと清水から「のんきで楽しい感じにしてほしい」というリクエストもありました。
──アルバムとして完成したものを聴いて、客観的にどう感じましたか?
友田:曲調の幅が広いので、バラバラな印象にならないか不安もあったんですが、最終的にはしっかりまとまった感覚があって、そこはすごく満足しています。
清水:僕も満足しています。やりたいこと、やれることは出し切れたと思うし、制作を通してすごく勉強になりました。このアルバムで自分たちの音楽が完成した実感はないし、まだ手探りな部分も多いですけど、成長できた実感はあります。
僕たちはその時々で聴く音楽が変わるので、それに伴って作る音楽やアレンジも変わり続けていくと思うんです。そういう意味でも、「今」の自分たちを詰め込んだ一枚を作れたのは良かったと思います。
――今後の活動について、思い描いていることはありますか。
友田:正直に言うと、曲がミームとして使われたらうれしいです。ku-tenも海外のミームが好きで。馬に蹴り飛ばされてる映像とか、変なミーム動画の後ろで流れていたらいいなって。
――5月のリリースに向けて、ライブを期待している人も多いと思います。
清水:できたらうれしいです。お互いのスケジュールもあるので、やるならしっかり準備して、いい形でやりたいですね。今すぐ、という感じではないです。
友田:「すべての芸術は音楽に嫉妬する」(ウォルター・ペーター)という言葉がありますけど、最近それを痛感してるんですよ。好きなミュージシャンのライブを聴いたときの幸福感に勝るものってあんまりないんじゃないかって。お笑いをやっている自分が言うのもなんですけど、それだけ音楽には唯一無二の力があると思います。

編集 : 石川幸穂
初アルバム『陽動』より先行リリース!
シティ・ポップとエッジの効いた歌詞が生む妙趣
友田オレ ディスコグラフィー
PROFILE
友田オレ
2001年7月20日生まれ。福岡県出身。
お笑い芸人「友田オレ」としても 2025年「R-1 グランプリ」では史上最年少優勝を果たすなど、その才能は多岐に渡る稀代のエンターテイナー。
2022年に同名義にて、盟友である清水遊をコンポーザーに迎え音楽活動をスタート。緻密に構築されたサウンドプロダクション。叙情的なメロディーラインに、日本語ならではの語呂を巧みに操り、”唯一無二の語感”を音に落とし込むワードセンス。どこかレトロな情緒を孕む蠱惑的な歌声は、言葉と混ざり、粘度を帯びて、鼓膜にこびりついてくる。究極の現代ネオ・ポップスシンガー。
■X : @tomoda_crodango
■Instagram : @nozz_croy_dango
■YouTube : @tomoda_crodango
清水遊(メインコンポーザー)
2001年8月1日生まれ。福岡県出身。
15 歳からギターを始め、高校生で友田オレと一緒にバンド演奏を始める。 大学に合格したことをきっかけに上京し、友田オレを音楽面でサポートする傍ら 2024 年に自 身のバンド brooks での活動を開始。2025年9月に1st AL “maison brooks”をリリース。野外フェス「りんご音楽祭 2025」にも出演するなど精力的に活動中。
■X : @samajiyai
■Instagram : @shimizu_blues































































































































































































































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