ギターボーカルの寺中友将さんを見て、ギターを弾きたいと思ったんです
──古閑さんから見て、ちゃんゆ胃さんの人柄はどういうふうに見えますか?
古閑 : 可愛い子ですよね。思ったことをパッと喋る子だなって感じがします(笑)。
ちゃんゆ胃 : ふふ、そうですね(笑)。ラジオでも、リスナーの方からすごく言われます。思ったことを何も考えずにズバズバ言っちゃうので、それをキャラとして見てくれてるのも有り難いなと思います。
──ちゃんゆ胃さんから見て、古閑さんってどういう存在ですか?
ちゃんゆ胃 : 下北沢のお父ちゃんですね!(笑)。
──ハハハ! 今やお父ちゃんのポジションなんですね。
古閑 : 僕もちゃんゆ胃ちゃんのことは、娘のように思っているし、だからこそ頑張ってほしいなって。あと、実はビールを結構飲むんですけど、そのギャップが面白いなって。
ちゃんゆ胃 : アハハハ、違和感。
古閑 : かわいいお酒じゃなくて、この感じでビールというのが良いですよね。
──せっかくなので、ちゃんゆ胃さんから、古閑さんに聞いてみたいことはありますか?
ちゃんゆ胃 : めっちゃどうでもいい話なんですけど、上京したらどこに住めばいいですか? 本当は下北沢が良いんですけど、どうしようかなって。
古閑 : 私生活も含めた上でも、下北から一駅二駅離れたところがいいような気がしますけどね。下北にどっぷりだと、街に染まっちゃったり、人間関係も含めてバンドマンの人たちの中にいると染まっちゃうのもあったりするんで。まあ、僕はどっぷり染まってますけど(笑)。
ちゃんゆ胃 : ハハハ!
古閑 : 音楽とかライヴハウスの街よりも、ちょっと離れたところで傍観する方がいいような気がしますけどね。先ほども言ったけど、どっぷりなところに行くと染まっちゃうからね。それにお酒も好きだろうから、悪いお友達が近づいてきちゃう。それでも「下北一択なんです!」ならそれも良いと思うけど。
ちゃんゆ胃 : 下北がいいなって思ってはいるんですけど、家賃がお高いんですよね(笑)。
──下北のどこに惹かれるんですか?
ちゃんゆ胃 : 古着が好きなんですよ。東京に来る時も大体1週間ぐらい滞在するんですけど、愛媛だとあまり自分の好きなお店がないので、古着屋をほぼ全店舗めぐって買い占めて帰ります。あとは音楽の町なので、みんながギターを背負ってるのとかもいいなって思います。
──そもそもギターをはじめたきっかけは?
ちゃんゆ胃 : ギターを始めたきっかけは、KEYTALKのギターボーカルの寺中友将さんがバンドで活動している一方で、弾き語りで一人でライヴされているのをYouTubeで見て、めっちゃかっこいいなって思ったんです。自分が音楽を始めたきっかけにもなっているところが、大きいのかなと思います。
──ファンには酷な質問ですけど、KEYTALK で1番好きな曲は?
ちゃんゆ胃 : 死ぬまでに1度は生で“Freedom”を聴きたいです!(笑)。ど、どうですか?
古閑 : 言っときます!
ちゃんゆ胃 : アハハハ! “Freedom”は(首藤)義勝さんが作られた曲なんですけど、義勝さんは言葉の並べ方とか、おしゃれなワードセンスを使って気持ちを表現する。それこそ私が深掘りする曲を作りたいっていうのは、まさに義勝さんがやっているようなことなんです。それプラス「このコード使うんや」みたいなコードを使われていて。私、全然コードとかギターも詳しくないんですけど「あ、こうなるんやって」って開放されるような気持ちになるコード進行を使われているので、“Freedom”を聴くだけでグッと来る。歌詞だけじゃなくて曲調もすごい染みるし、とにかく大好きな曲です。
──「首藤さんのような曲作りをしたい」ということですけど、今のちゃんゆ胃さんが音楽で表現したい根本ってなんですか。
ちゃんゆ胃 : 正直、まだ自分でも明確なものは見つけられてない気がしていて。でも「ちゃんゆ胃の曲を聴いて救われた」とかそういう声を聞くと、やっぱりすごくうれしい。なので、恋愛ソングであっても応援ソングであっても、誰かをちょっと救ってあげられるような曲を作りたいなって思います。
──古閑さんが思う、ちゃんゆ胃さんの魅力ってなんでしょう?
古閑 : 崇高というよりは、隣にいる娘さんっていう親近感ですかね。曲を聴いて「あ、こんなことを思ってるんだ」というのがわかるような歌。本当は違うのかもしれないですよ。でも、僕にとっては娘なので(笑)。
ちゃんゆ胃 : うふふ。私にとっても父ちゃんです!
古閑 :僕としては育ってほしいなとか、成長してほしいなとか、人気が出てほしいなって想いがあるんです。自分のレーベルのアーティストではないんですけど、そんな感じで僕は見ているし、初めてライヴをやったところであるし、お声掛けさせていただいたわけなんで。ぜひ良い形で成長してもらいたいなって思いながら聴いているのと、回を重ねるごとにライヴが良くなっていいて。以前はお客様がちゃんゆ胃ちゃんに「頑張れ!」みたいな感じで見ていたんですけど、昨日のライヴはお客様に「頑張って!」と投げかけている感じがして、体制が逆転した感じがしましたね。シンプルに余裕が出てきた。
ちゃんゆ胃 : この一年ぐらいで、いろんなアーティストさんのライヴを見せてもらったり、一緒にライヴをさせてもらったり、ラジオで喋る仕事もして……どうやったらお客さんを楽しませられるんだろうっていう。完璧に歌うじゃなくて、お客さんを楽しませるにはどうしたらいいんだろうって考えにどんどん変わっていって。一緒に楽しもうっていうモードに今はなってます。
──先ほど「上京したらどこに住むべきか」という質問が出ましたけど、他にも古閑さんに聞きたいことってありますか?
ちゃんゆ胃 : 結構人見知りなんですよね。自分を出すのに時間がかかってしまって、勘違いされやすいっていうのもあるんですけど、どうしたら良いんだろうって。やっぱり東京の人=怖いっていうイメージがあるので、どう打ち解けたらいいのかっていうの聞きたいです。
古閑 : 東京の人が怖いって良いですね(笑)
ちゃんゆ胃 : アハハハ、怖いです!
古閑 : まあでも、そう見えますよね。ただ、実際は怖くないというか、すごく良い人たちばっかりだし、東京にいるからこそ地方都市から出てきた人たちの気持ちがわかる。そもそも東京で生まれて育った人なんて、下北にはあんまりいないですよ。地方人ばっかりで、野心とか何かしらの目標や自分のやりたいことがあるからこそ下北にいる。下北って若い街というかライヴハウスが発展して、まだ20年か30年ぐらいの街。渋谷とか新宿とか一番違うところは、そこにいれば自分たちで歴史がつくれる街だと思うんです。だからこそ、みんな気持ちがわかるっていうか、バンドをやりに来たとか演劇やりに来たとか。そこに住めば何かしら夢が叶うような街なんで、本当に出てくるんだったら夢を持って頑張って……「夢を持て」はさすがにダサいっすね!
ちゃんゆ胃 : アハハハ!
古閑 : 少なくとも僕が見てる下北だったり、この界隈のライヴハウスの人だったり、バンドやってる人たちは良いやつばっかりなんで。出てくるんだったら楽しい街ですよ。
ちゃんゆ胃 : 住みます、下北に!
古閑 : とはいえ、そこで成功や何かしらを勝ち取るのは偶然の力もある。もちろん偶然も実力のうちなんだけど、そういう運を持っているのは限られた人たち。全員が勝ち組になるわけじゃないっていうのは肝に銘じておいてもらえればな、と思いますけどね。とはいえ若いので、やりたいことは若いうちにやったほうがいいと思いますよ。
ちゃんゆ胃 : やります、ありがとうございます!
古閑 : なんか……言ってるのがことが本当にお父さんですね(笑)。