REVIEWS : 116 ダブ (2026年02月)──河村祐介

"REVIEWS"は「ココに来ればなにかしらおもしろい新譜に出会える」をモットーに、さまざまな書き手がここ数ヶ月の新譜からエッセンシャルな9枚を選びレヴューするコーナー。今回の更新は、OTOTOY編集長でもあり、『DUB入門』監修者、河村祐介が「『DUB入門』その後」的な新作+テクノ〜ハウスなどの気になる作品を隔月で紹介します。通常隔月ですが海外リリースが鈍化する年末年始をはさんだので昨年12月〜2月の3ヶ月の配信リリースから(なのでとっくにレコード・リースされている作品もあり)。
OTOTOY REVIEWS 116
『ダブ(2026年02月)』
選・文 : 河村祐介
Axel Boman x Trensum Tribe 『LUZ / Quest for fire IN DUB!』
Studio Barnhus / House / Downtempo
もはやベテランの域となるストックホルムのディープ・ハウサー、アクセル・ボーマン。2022年、〈Studio Barnhus〉からのアルバム『Luz / Quest For Fire』(LP3枚、A~C面が『Luz』、D~F面が{Quest For Fire』、デジタルでは2枚セパレートの大作)から、抜粋しての同じくストックホルムのサウンドシステム / サウンドマン、Trensum Tribeがダブ・アルバム化。もともとふんわりとダブ感のあるディープ・ハウス~ダウンテンポの多い作品ですが、ここではリズムの抜き差しによるレゲエ的なグルーヴの強調も含めて大胆にダブ化。逆に元曲の持ってたレゲエ・フレイバーが見えたりと原曲と交互にプレイリスト作って聴くとさらにおもしろいかと。リヴァーヴ深めのエコー残響多め、ちょいとユーモラスさも加味した、春先にちょうど良いメロウなダブ・ハウス~ダウンテンポに。
John T Gast 『Infant』
5 Gate Temple / Techno
ここに来てリリース・ラッシュ気味なジョン・T・ガスト、新作を自身の〈5 Gate Temple〉より昨年末にリリース。UKインダストリアル・テクノの系譜に位置しつつ、ジャー・シャカ由来のニュールーツ・サウンドシステムのフィジカルな低音のプレッシャー体験をミックスさせ、痙攣するハード・ミニマル・テクノとして吐き出す。前回こちらで紹介したザ・バグとゴースト・ダブスのスプリット盤ともに、本作の音楽性をマンチェスターのレコ店〈Boomkat〉がコメント欄にてステッパーならぬ「Trodders」と称してしていて、一般的な表現ではないようですが、恐らくラスタの語彙で「歩く」の意味から、転じてより重い歩みのステッパーズという感じの意味なんでしょうが言い得て妙だなと(これそのうち流行る?)。同レーベルからの同発、Xtereaの新作もこれまた強力な「Trodders」感ありつつなステッパー・ダブ・テクノというか痙攣するハード・ミニマルのダブ・ヴァージョン的な。
Bim One Production 「Subliminal Projection」
Bim One Productio / Steppers
昨年末から今年にかけて国産品も良質なものが出回ってましたなということで、まずはBim One Production。新曲は1曲、DJ Sotofettの諸作にも通じる、ディープ・ハウスの要素を感じる、ちょいと遅め(ハウス・テンポ)のステッパーズ・ダブ。ムーディーでメランコリックな旋律と、イーヴン・キックのステッパーはどこか叙情的で、ドライ&ヘビーのインスト名曲「Night Flight」を思い出してみたり、メンバーの1TAが前に〈Black Smoker〉から出したダンスホール・リディム(カラオケ)をハウス的につないだムーディーなミックスCD『SEX, DRUGS AND RIDDIMS』をなんとかなく思い出してみたり。この路線、まだ1曲なのでもうちょっと聴きたいですね。



























































































































































































































































































































































































































































