駄ゞ田メダ 「エマージェンス・レコード (feat. 14)」
特徴的なフロウと耳にこびりつくような声質を持つ、駄ゞ田メダとターンテーブリストの14との異色の作品。駄ゞ田メダに合わせてか、おどろしい雰囲気のサウンドではあるが、どこかコミカルさもあって聴きやすい。サウンドのマッチングの共鳴からか、駄ゞ田メダはいつもと比べると癖が緩和されていて、シンプルにビートに合わせたフロウに徹底しているようにも感じる。章節ごとに細かく韻を踏みながらエッジの効いたラップを刻んでいき、逆にHOOK部分ではガッツリとメロディアスに注力している。
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コーサカ 『明滅する日々にさよならを』
MonsterZ MATEとしてシーンを牽引する、コーサカの待望のソロEP。トラックメイカーは楽曲ごとに違うものの、相変わらずのリズミカルさと立場を問わない投げかけるようなメッセージ性が集約されている。ふんだんに言葉を詰め合わせて、ザッピング的に様々な疑問や陥りやすい多種多様な瑕疵を抉るように投げかけ、それでもどの曲もアンセミックで聴き終わった後には晴々しい気分にさせてくれる。そしてこれだけ言葉を詰め合わせていようとも、とにかく聴き取りやすい。LIZを客演に迎えた“INVADER”は、心地いいパーカッションに両者ともにストレートなアプローチをしている。逆に“明滅する日々にさよならを”では、重めのビートに対してラフなフロウから緊迫感のあるシャウトに近いフロウを使い分けている。徐々にヒートアップしていく構成に合わせて、込められたメッセージが飛躍的に突き刺さる感覚を覚える。
DupliCity -eilie- 『FENCE SITTER』
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IURA TOIの高密度のダンス・ミュージックとアイリの変幻自在なラップが見事に集約された1枚。構成された音は限りなく現代的なものが主体となっているものの、エレクトロニックやハウス・ミュージックがいたる所で散りばめられている。そしてヴォーカルに関して言えば、90年代のコミック・ソング的なフロウからメロディアスで聴き心地に特化したもの、あえてビートから外して変則的なフロウがあったりと、本当に変幻自在。TOPHAMHAT-KYOやアザミといったまさに異種格闘技のような客演にも上手くフィットさせるようなどちらにも引っ張られないサウンドのバランス感は絶妙。基本的にはどの楽曲もキャッチーで、普段ダンス・ミュージックやヒップホップを聴かない層にも届きやすい1枚となっている。